かぶれの世界(新)

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過ぎたるは猶及ばざるが如し2020

2020-03-11 20:01:05 | ニュース
新型コロナウィルスの感染が韓国で急増し始めた頃に、同国での検査数が日本と桁違いに多いと報じ、それを理由に政府対応の問題を指摘するいわゆる「素人コメンテーター」の姿をTBSやテレ朝等でよく見かけた。その影響を受けたのか我が家の食卓の会話で、家内は検査数を日本の感染者数が少ない理由に挙げていた。

私も疑問に思いながらも、日本の専門家が考えた末に総理に提案するには訳があるはず、意図的か不明だがテレビで語られてないという気がしてた。1万人前後の感染者がいるイタリーや韓国の死者数が日本に比べ多いのが考えるもう一つの鍵と思ったが、日本の優れた医療システムで片付けられたが疑問だった。

だが、イタリーの感染が急速に進み全土で移動制限が発動されて、遂に日本のマスコミも同国の詳細な感染状況を報じ始めた。理由は意外にも簡単だった。イタリーは数年続いた財政危機をEUの求めで医療費削減を進め、医療機関を大幅に減らした。そこに感染検査をバンバンやって軽症者が病院に溢れ機能不全にした。

それを聞いて私は理解したが、トイレットペーパー騒ぎと同じメカニズムと思った。SNSの偽情報がテレビで全国に拡散され不安を煽った。現実にお店にトイレットペーパーが無くなると困るので主婦は動き、私も家内に頼まれお店に行ったのと似てる。民衆が我も我もと求めて検査し元気な陽性患者が病院を占拠した訳だ。検査数が少ないのを韓国と比較し「感染隠し」と非難した「素人コメンテーター」とメディには猛省して貰いたい。

今日の日本経済新聞の矢野編集委員によると、疫学的には今回の様な治療薬のない新型コロナウィルスの場合には検査数を増やして医療現場を混乱させてはならない。感染の全体像をつかみ感染防止策を探るなど病気から社会全体を守るが公衆衛生の発想だという。イタリーは真逆な対応をした。

イタリーの例は正に「過ぎたるは猶及ばざるが如し」だった。それでは、一部素人コメンテーターが絶賛した韓国の医療システムはどうなのかか、イタリーの様に医療システムが崩壊しているというニュースは聞かない。死者数が相当数あるという以上は分からない。日本の取り組みが的を得ているのか参考になるだろう。

日経の別の記事では加えて、イタリーを訪れる中国人観光客の多さ、明るく友好的な国民性等を上げている。だが、悪いことは何もないと私は思う。むしろ上記記事の様に、「感染していない証しを求める「安心検査」への拡大は、医療現場の新たな混乱を招くだけ」と感染症の専門家の声こそ極めて重要だと思う。

CNNによると米国では感染者数が一気に1000を突破し、日本と同じように検査数が足りないことを非難する市民の声を報じていた。米国で同じ混乱をが起こらないよう祈りたい。個人的には死者数が増えたワシントン州シアトル郊外のカークランド市に隣接する街に住み、何度も彼の地を訪問した。世話になった友人もいて心配だ。■
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