かぶれの世界(新)

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大洲市が観光世界一になった偶然

2023-05-27 19:25:37 | 社会・経済
故郷の大洲市が歴史的資源を活用した観光街づくりが「持続可能な観光地」として「文化・伝統保全」の部で世界一になったと最近テレビや新聞で取り上げられたのを見た。城下町だった大洲市肱南地区に残された歴史的資源を活用した街並み保全や地域経済に資する取り組みが評価されたという。

ネットで調べてみると受賞したのは3月7日というが私は全く知らなかった。4月半ばに東京から実家に戻った時から何度も市街地を行き来したがそんなニュースを見かけなかった。循環バスで市内のアチコチを通り、受賞した肱南地区も通ったが世界一になった熱気を感じなかった。積極的にPRしてる感じがなかった。新聞料金の請求に来た若者も市の街づくりに不満を示した。

コロナ明けで全国に観光旅行が広がっている絶好の機会を何故生かさないのかと思ったが、私なりに心当たりがあった。50年前頃の大洲市の中心は正に肱南地区の昔ながらの商店街にあったが、その後、警察署や法務局から市立病院とか図書館まで市郊外の農地に分散させた。

近年流行りのコンパクトシティとは逆のアプローチだ。結果として肱南地区の商店街は廃れシャッター街になったが、それは昔ながらの城下町時代からの古民家を地区ごと纏めて残す稀な街が保存されたと想像する。普通なら町の中心はコンクリートの最新のビルに建て替えられたはずだ。人口減で街が廃れて困った市が依頼したコンサルタントはこれに目を付け古民家ホテルに衣替えした。

というのが私の推測だ。それは意図したものではなかった。結果として市の東側は広大な駐車場を有するスーパーとかドラッグストアなど、アメリカンスタイルのショッピングセンターが林立し、肱川を渡ると肱南地区に古民家ホテルが群立する。話はうまく出来過ぎている。

乗客が減少して市内を走る困った4つのバス会社が路線を統合して循環バスを作ったのもその一環なのだろうか。古民家ホテルとか古い町並みとショッピングセンターを循環バスがつなげている。先月入院した時には私も循環バスを利用してずいぶん助かった。同時に街の隅々まで安価に走る便利さを感じた。

私は偶然が生んだ成功だと感じる。昔、市役所に勤め関係部門の責任者だった父からそんな話は聞いた記憶はない。不思議なのは市役所やその周りの古民家ホテルやマーケットから、全国の昔からの観光地、例えば高山とか白川郷から感じる熱気を感じないことだ。それが、大洲人気質なのかもしれない。他所から嫁いできた母が最初感じたことの延長線上にある様な気がする。■
コメント
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