かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

脛に3つの傷

2021-09-02 22:55:27 | ニュース
コロナ禍でテレビ漬けの私は、ニュースを見てオカシイなと思った出来事を紹介したい。違うだろうとか、何でこんなことを言うんだろうとか、その口でよく言うよとか、沢山ある。その中には、マスコミ報道に常々疑いを持っていて、ネット情報等を見てやっぱりと思ったことが多い。

1)コロナ病床が増えない仕組み
昨日付のAERAdot.の記事で厚生労働省所管の東京城東病院がコロナの専用病院に名乗りを上げたという。この病院は地域医療機能推進機構(JCHO)の一つで、全国57病院の約1万4千床の6.1%(870床)がコロナ病床だが、それに最大50床程度を提供することになるという。

記事は国所管病院なのになぜこんなに対応が遅いのかと問題提起をしていた。だが、私は記事を見て毎日のようにテレビで顔を見る尾身分科会会長がJCHOの理事長だと知って驚いた。それはないだろうと。

何かといえば医療崩壊を言う前に自分が理事長を務める全国57病院の病床をもっとコロナ病床に転用する努力をしたのか、理事長の責任を果たせと思わずにはいられなかった。前から医療関係専門家の解説に不信感を持っていた私だが、尾身氏の発言には思わず恥知らずと思った。

2)70年後の「脛に傷」
次はアフガン退避が想定外の事態に対応できず500人のアフガン人協力者が取り残された件だ。全くもって日本の屈辱的な事態になったが、他国も想定外だったのは似たりよったりで数万人が出国出来なかったらしい。問題は日本特有の事情があったことだと私は思う。

報道によると救出計画は一義的には外務省の責任で行われ、事態急変で万策尽き自衛隊派遣を打診し首相の了承を得て派遣命令を出した。だが、外務省は過去の派遣で野党などの追及を受けたので、「自衛隊の派遣は最後の手段」という考えが強く判断が1日遅れたと見られている。

その1日の差が成否を分けた。自爆テロの前日25日に韓国は300人超の退避に成功し、1日遅れで日本は500人が取り残されたという。今朝の日経は「有事のオペレーションは判断の遅れが成否を分ける。協力者を救出できなかったことはこれからの外交力に影響を与えかねない」と報じた。以前投稿した日本の自助の精神の欠如が判断を遅らせた、戦後70年越しの国の脛に傷だと思った。

3)オリンピックと高校野球の違い
コロナ下で東京オリンピック開催はマスコミは先頭に立って反対し、世論調査では国民の多くが反対に回った。一方、全国高校野球の開催はさしたる反対論も聞かれなかった。二つの大会期間中に急増した感染者数の原因はデルタ株の強い感染力とされた。エッ、五輪開催じゃなかったの?

強く五輪に反対したのに、途中から反対を止めた。反対理由だったコロナ感染への影響を検証してない。手のひら返しで大会はやって良かったという世論に従ったのか。連日反対したテレビも活躍した選手を出演させ、各局で手を変え品を変え詳細に報じた。ここまでくると最早恥知らずだ。

一方、全国高校野球は2校が棄権する異常な事態になったが何事もなかったように終った。五輪と野球の差は何だったのか。テレビは視聴率を取れるなら何でもやる、つまり脛の傷(五輪反対)の薬は視聴率だったようだ。同じ論理なら高校野球は朝日新聞の主催で初めから反対の理由はなかった。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

意味不明なアメリカの世界

2021-09-01 15:51:42 | 国際・政治
9月になり秋の気配が漂ってきた。久し振りに大風呂敷を広げて、アフガン撤退後の世界について論じてみたい。

<アフガン撤退の歴史的意味>
バイデン大統領の「唐突な8月末迄にアフガン撤退」宣言以降の世界の大混乱は、「アメリカかぶれ」を自称する私もお手上げだ。著名人の解説を聞いても一部だけを取り出したもので、トータルでなる程と納得するような説明になってない。彼等も全容を把握して無いように感じる。

世論調査によれば米国民の多くはアフガニスタン撤退を支持しているが、バイデン大統領の唐突なやり方は失敗だったとみている。だが、事態はそれ程単純ではなさそうだ。今日入ってきたニュースは、米国に出国する人達を空港までタリバンがガードしたという。彼等にはそうする理由があった。

<米国の衰退より不信感が問題>
「かぶれ者」としては、そもそも歴史的に米国は理解を越える国だったと、開き直った方が良いかもしれない。米国は世界の警察官を止めた、一方同盟国を引き続き大事な友国だ、と信じていた米国頼りの国々はいつか裏切られアフガンのように放り出される不安が渦巻いている。

多くの場合不安の対象は中ロ等だろう。バイデン大統領は先ず「自助」があって初めて米国は「支援」すると再度基本を明確にした。だが、自助の範囲は武力からサイバー戦まで広がった。攻撃を抑止する為の先制攻撃とかサイバー攻撃への対処など素人には全く理解しがたい議論がある。

<日本が問われる立場>
戦後日本の不戦の誓いは時々の現実に合わせ憲法解釈して対処して来たが、我国には戦争の後遺症と憲法上の制約がある。経済と地政学上の重要性の上に歴代政権の巧妙な交渉で今日の姿に収まっているが、今後米国の相対的力の衰えに従い難しい立場に置かれる可能性が高いと予測する。北朝鮮の脅威を直接受ける韓国の軍事費が日本を超えたというニュースが日本の立場を鮮明にした。

どういう対応をすべきか、私は「巧妙な自助の強化」がベストと信じる。依然として米国との同盟が最も重要なのは間違いないが、その米国は一体どういう国なのか再定義する必要がある状況になった。「米国は意味不明の国」になった、今迄とは違う国になったと考えて同盟関係を見直すべきだ。

<米国は南北戦争の最中、意味不明の国に>
そういう出来事は今米国で頻発している。最も注目されるのは2024年の大統領選だが、国民は私の知っていた90年代頃の人達とは異なる国になった。典型的な例はコロナの新規感染者数で、ミシシッピ州やアラバマ州など東南部諸州はワクチン接種が進まず急増し、一方NYやマサチューセッツ州の6倍近くもある別の国だ(日経8/31)。これは現代の南北戦争だと思った。

世論調査会社PRC(ピュウリサーチセンター)によればトランプ大統領の後遺症として、全国ニュースメディアCNN、NYT、WPや三大ネットワークを信用する人は36%しかいなくなったと報じた。手元にデータはないが、バイデン大統領時代になって寧ろ低下したと思う。米国メディアの信頼度と菅首相の支持率は皮肉にもほぼ同じ程度しかない。

<米国のワクチン接種率が頭打ち、アフガン撤退が追い打ち>
他の人達は地元紙とか共和党支持のニュースメディアを信じる。日本では報じられないが、ワクチン接種もマスクもしない人達が国民の少なくとも3割いるのだ。それが東南部諸州のコロナ感染が急増している理由だ。米国が先行したワクチン接種率が頭打ちになり政府は頭を抱えている。

2024年の大統領選で民主党候補が勝利するか予断を許さない状況だという。共和党が多数の州で黒人やヒスパニックの投票を制約するとみられる規制を立法化する動きが進んでいる。今朝流れたニュース速報によれば、テキサス州は最も厳しい投票規制が成立したという。そして今回のアフガン撤退が引き起こした混乱はバイデン大統領の失敗と見做され選挙に不利に働くという。

バイデン大統領が国民の支持を得て大統領選を有利に運ぶためには、(1)コロナ感染を沈静化する、(2)中国の影響力を許容可能なレベルに抑えることだ。どちらも決定的な対策を打てないだろう。コロナ感染はブースター(3回接種)に後戻り、中国との経済関係も絶対に切れないだろう。

<日本のあるべき舵取り>
その中で日本がアフガン撤退後の世界で取るべき方針は、日本が得意にしてきた曖昧戦略ではないか、換言すると「巧妙な自助の強化」だと私は考える。姑息とみられる覚悟で日本は「見かけ自国を守る仕組み」を作り、意味不明の米国でも日本と同盟を組み守るメリットがあると認識させることだ。簡単ではない。安倍前首相時代の世界のトップと知己を広げ活用するような外交術が必要だ。

自助をアピールできる最低限の仕組みは、自国防衛を合法とする憲法改正が必要だ。今回のアフガン撤退において他国に比べ自衛隊の活動が制限されて十分機能しなかった。こんな屈辱的で他国に不信感を招くようなことは絶対避けるべきだ。憲法改正して自助精神を徹底しても最小限のコストで対応する道を選ぶべきだ。タリバンとの裏取引で人命を守るしたたかさがあってもよい。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする