画像は、亡ばあちゃんの、在宅介護中で、リフトで車椅子に、ほぼ毎日移乗せさていた。排便のために、オマルに移す時にも、点滴を下げるのにも使っていた。別の事。元気だったころ、定期の通院の時の、罵声や怒号の事は、前回書いた。たまぁーには、ひとり物語を、「ーーだっぺぇなぁ」とか、「んぅ、だぞう」とか「ーーだと、思うよぉ」なと、しきりに喋べることもある。ある時、採血の順番をまっていた。向かい側に、若いお母さんが、女の子を、ねんねこ袢纏の中に背負っていた。その女の子が、袢纏の黒別珍の襟に顔を押し付けるようにして、真ん丸の目を、ぱっちりとあけ、お喋りしているばあちゃんの顔を、見続けいた。「ばぁちゃん、見てごらん。メンゴちゃんが、びっくりしているよぉ」と、耳元に聞かせた。おしゃべりをやめて、メンゴちゃんをみたのかも。小声が聞こえたのか、すると、若いお母さんは、ねんねこ袢纏をはらりとして、背負いひもをはらりと解いて、メンゴちゃんを膝の上に抱いた。メンゴちゃんは、見上げながらも、真ん丸顔の、真ん丸目でまばたきしないで、見つめていた。ばあちゃんはおしゃべりをやめ、うつろな目だが見続けていた。「ばあちゃん、メンゴイメンゴちゃんだねぇ」と聞かせた。採血の順になった。そのあとは、妻が礼を述べ、九十八歳になると、後ろから聞こえた。待合室に響いていたばあちゃんのお喋りはなく、ざわつきだけだった。あの時の若いお母さんに、ありがとさん。あの時のメンゴちゃんは、中学生になったのかなぁと、思い出している。