画像は、亡ばあちゃんの、百歳の宴が終わって帰るとき。満足気のようだった。記念の冊子に綴り込んだのを、再掲載しました。九十五歳ころのこと。表題が、「ばあちゃんが唄った」。二月に雪が降った時、ガラス戸をあけ、車椅子に乗せたまま、雪が降るのを見せた。じいぃーっと見ていて、物思いにふけるように、静かに歌いだした。ー雪やこんこん あられやこんこん 降っては降っては ずんずん積もる 枯れ木のこらず 花が咲くー。歌い終わっても、じいーっと見続けていた。すると、また、歌いはじめた。ー雪やこんこん あられやこんこー。ばあちゃんのテンポに合わせて、一緒に歌った。すると、「そおだぁ」って。「寒いなぁ」と、ガラス戸を閉めようとしたので、部屋に戻した。テレビでも、降雪を報じていた。それを見て、また、歌いはじめた。ばあちゃんのテンポとメロディだが、よく思い出したと思う。上品な時は、たいしたもんだが、脳のスイッチが入り違ってしまうと時がある。虫の居所が悪いので、見境がなくなる。そんな時、落ち着かせようとー雪やこんこん あられやこんこんーと、耳元で歌ってみた。すると、「馬鹿ぁぁ あほぉぉ 雪降ってんのがぁ そんなの 幼稚園生ぇぇだぁ」。いやはや 大声がでるもんだなぁと、笑ってしまう。あるときに聞いた。すると、「せいせいすんだぁ」って。元気だったころのことでした。