一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中女流三段、敗れる

2025-02-20 15:44:10 | 将棋雑記
きょうかなりびっくりしたことは、19日に指された第50期女流名人戦予選(主催:日本将棋連盟。報知新聞社)で、磯谷祐維女流初段が中七海女流三段に勝ったことだ。
女流初段が女流三段に勝つのは珍しくもなんともないが、中女流三段の場合は「中身」が異なる。中女流三段は昨年9月まで奨励会三段。福間香奈女流五冠や西山朋佳女流三冠に勝るとも劣らない棋力の持ち主である。果たして11月の女流棋士デビュー後は勝ちを重ね、現在6連勝中だった。
その中女流三段に磯谷女流初段が勝った。どういう将棋だったのだろう。
将棋は中女流三段の四間飛車。対振り飛車にどんな作戦を採るかが居飛車の腕の見せどころだが、磯谷女流初段のそれは右桂を跳ね、右金を△7二金と上がる力戦形だった。
中女流三段は▲6五歩と突き、角交換辞さずの構え。実際交換になったが、以後の進行は中女流三段に分があったようで、優位を築く。
しかし局面は乱戦で、どこが急所か分からない。これは磯谷女流初段にも勝機があることを意味する。
そこで中女流三段は▲7六角。間接的に4三に利かしたもので、以下も桂、香と4三に利かして打つ。
しかしこの構想が疑問だったようで、磯谷女流三段が優位に立った。
といっても後手玉は中段におびき出され、とても生きた心地がしない。アマでは勝ち切れない局面である。
だが磯谷女流初段はよく指し、勝った。これは殊勲の銀星。いや、金星というべきだろう。
とはいえ磯谷女流初段も本局前まで今年度、18勝6敗だった。磯谷女流初段もまた、強かったわけだ。
それにしても、女流棋士のレベルは高い。磯谷女流初段にしても、女流棋士2年目とはいえ、女流順位戦はD級である。女流棋士全体にレベルアップされているのを感じた。
いっぽう中女流三段も、女流棋界の洗礼を浴びたが、これから対局はいくらでも付く。頑張って、福間女流五冠と西山女流三冠の牙城を崩してもらいたい。
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最近見た夢(02-05、13、15、16、17、19)「珍しい登場人物」

2025-02-19 23:13:01 | 新・大野教室
最近見た夢を記しておく。
まず2月5日は、俳優の段田安則が出てきたのは間違いないが、内容は忘れてしまった。

続いて13日に見た夢。
場所は私の母校・旧小学校の体育館である。私たちはおおぜいで野球のノックを受けていた。
中にはイチローもいた。
私は怠惰なので、体育館の隅で、半分寝ながら守っていた。それでも打球は飛んできて、私は腰をおろしたままで、打球をさばいていた。

続いて15日に見た夢。
私と父は、それぞれ別の相手と将棋を指していた。

父は二枚落ちの上手だった。第1図では△5五桂がある。その手を指せよ、と念じていたら、果たして△5五桂と指したので、ほっとした。
私はチョコプラの長田と指していた。私の飛車落ちだと思ったが、実際は▲2八飛階滝がするので、平手だったのだろう。

第2図では▲4四歩と垂らす手が味がいい。
だが私は▲4七歩と打っていたようだ。幸い目の前に長田はいなかったので、待ったをしようと思った。
ところが後方を見ると、長田が継ぎ盤を出してこの将棋を研究している。その盤面には▲4七歩が置かれていた。これでは待ったができなくなってしまった。

続いて16日に見た夢。
私と明石家さんま、それとあと3人で、ある女性を探していた。
私たちは自動車に乗るが、あまりにも自動車が小さいので、女性1名を残して、私たちは女性を探した。
探す場所はおもに施設である。赤いリボン、がキーワードだった。
場面変わって、将棋の局面が出た。相掛かりの序盤が出てきた。
私が指した将棋は、玉頭位取りだった(第3図)。

また話が戻って、先ほどの女性は、見つけることができたようだ。
その翌朝、私は海岸で、男性と朝日を見ていた。そこは網走の海岸だったようだ。
私が
「今日中に東京に帰らないと」
と言うと、男性は
「釧路空港から帰るんだから大丈夫だろ?」
と言った。そうか、私は釧路空港から帰るのか、と思った。

続いて17日に見た夢。
この日もいろいろな夢を見たのだが、憶えているのは、20人ほどの俳優が舞台をやっていて、そのメンバーは伊東四朗、渡辺美佐子ほかだったのだが、舞台の最中に事件が起こり、それを実際の舞台の上で解決していく、というものだった。

続いて19日に見た夢。
私は旅行をしていた。夜、私はある駅で降りる。線路は高架で、駅は田んぼだか畑だかの真ん中にあった。そこは兵庫県の宝塚市だった。
私はある民宿に泊まった。そこのおばさんはいい人だったと思う。
そこは駅の記念切符も売っていた。私は翌朝チェックアウトするときに、その切符を所望したが、おばさんはガンとして売ってくれなかった。
駅に戻りあたりを見ると、本当にこの駅は、畑の真ん中に建っていた。
その近くの建物に、めいと祖母がいた。めいはいま20歳だが、夢の中の彼女は2歳くらいだった。祖母にいたっては、38年前に亡くなっている。
私はデジカメの中にめいの写真を残していたので、それをめいに見せた。するとめいは、そこに自分の顔が出てきたので、大いに喜んだ。
夢に祖母が出てきたのは相当珍しい。今回の夢には、何か意味があったのだろうか。

ということで、ここでアップしておこう。

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服部七段、悪夢の連敗

2025-02-18 23:15:26 | 将棋雑記
1月21日に、「服部六段、年度最高勝率新記録なるか」という記事を書いた。
当時の戦績は「33勝4敗.892」。最高勝率(.855)の更新は十分あり得る、ということで締めくくった。
その後服部六段は、順位戦B級2組で藤井猛九段に勝つなど3連勝。B級1組に昇級昇段を決め、年度成績は36勝4敗、勝率は9割の大台に乗せた。これはいよいよ58年ぶりの大記録更新か、と将棋界は騒然となったのである。
ところが服部新七段は、12日の朝日杯本戦準決勝で井田明宏五段に屈した。いまの服部七段なら誰と当たっても勝ちそうな気がしたが、現実の対井田五段の成績は、この対局の前まで5勝4敗だった。そう簡単に勝てる相手ではなかったのである。
そして次の王将戦一次予選でも、柵木幹太四段に敗れてしまった。
柵木四段は、西山朋佳女流三冠の棋士編入試験でアンカーを務めた棋士だ。そこで西山女流三冠を破り、プロ棋士の世界の厳しさを見せつけた。このときの勝利が、自身の勝ち運も呼び寄せたような気もするのだ。
対して服部七段は、この連敗は想定外だっただろう。これで36勝6敗.857となり、以後は6勝1敗ペースを守らねばならなくなった。数字のマジックは不思議で、この前まで勝率9割だったのに、いざ6勝1敗ペースを課されると、とてつもなく高い壁に思えるのだ。
果たして服部七段は、17日の王座戦二次予選で、出口若武六段に敗れてしまった。
まあ、そういう流れになるのである。タラレバをあえて書くが、朝日杯の井田五段に勝っていたら、上記の2局も勝っていたのではないか。勝負事とはそういうものである。
ともあれこれで、36勝7敗.837。最高勝率を狙うには、今後6連勝が必要となった。そして今年度の対局予定は以下のごとくである。

第38期竜王戦ランキング戦3組1回戦 梶浦宏孝七段(21日)
第83期B級2組順位戦 高崎一生七段(3月5日)
第51期棋王戦予選2回戦 牧野光則六段
第96期棋聖戦本戦1回戦
第56期新人王戦3回戦 高橋佑二郎四段or内山あや女流初段
第33期銀河戦Dブロック6回戦

こうしてみると、全勝は十分あり得るが、誰に負けてもおかしくない、とも思える。
たいへんな展開になってしまった。
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第74期王将戦第4局

2025-02-17 13:25:40 | 男性棋戦
第74期王将戦第4局である(主催:日本将棋連盟、毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)。ここまで藤井聡太王将の3勝で、永瀬拓矢九段は文字通り後がない。永瀬九段はとにもかくにも、指し込みを回避するのが絶対だ。
対局場は大阪府高槻市。大阪の新たな将棋の聖地で、町を挙げての将棋の取り組みは頭が下がる。
将棋は藤井王将の先手で、角換わりとなった。両者右金をまっすぐ上がって飛車を引く例の形で、指定局面まで、ノータイムですっ飛ばす。むかしは指しなれた形でも少考がまじったものだが、今の棋士は合理的だ。ただ、それがいいかどうかは分からない。
藤井王将、43手目に仕掛ける。これには△同歩が前例で5局あるが、これに永瀬九段が玉を寄ったのが新手だった。
永瀬九段の深い研究には定評があるが、ここで手を変えるという発想がすごい。前例がすべて「△同歩」なら、ここは素通りしそうなものだ。
果たして藤井王将は長考に沈んだが、ここでの変化球なら「先手が指せないとおかしい」という見解ではなかったか。
藤井王将は4筋で歩を手にし7筋を攻めるが、そこで永瀬九段の放った角が、たぶん最も指したかった手。
このマス目の角は天野宗歩のころから名角と相場が決まっていて、負けたのを見たことがない。
実際本局も「斜め屋敷の犯罪」(島田荘司)のように、角の利きがスーッと敵陣まで通り、後手有望に見える。
ただ、形勢は互角なのだろう。だがそれだと終盤力に定評がある藤井王将が有利なはずで、やっぱりこの将棋も藤井王将が勝つのかなと思った。
封じ手を挟み、藤井王将は飛銀交換の荒業に出る。アマ同士なら先手の無理攻めとなるが、何しろ攻め手が藤井王将だから、なんやかやと手を作っていくのだろう。
永瀬九段、待望の角出。受けては自陣に利かし、攻めては角切りや端の覗きを見ている。藤井王将はそれぞれの駒に120%の働きを課す。だからそのぶん勝率がいいのだが、永瀬九段のこの角はまさに120%の働きで、これは永瀬九段がイクかもしれないと思った。
永瀬九段、さらに飛車を下ろす。こうやって先手玉に嫌味を作っておくのがいいのだ。
藤井王将、4筋に歩を垂らす。これに永瀬九段が金を寄ったのがいい辛抱だった。この局面、私もいろいろ考えたのだが、私の棋力では後手玉が寄らない。
だけどそこは藤井王将のこと、私が思いもよらない攻めを紡ぐのだろう……と指し手を注目していたが、その回答は意外な銀打ちだった。
永瀬九段は丁寧に受ける。永瀬九段の本領は受けつぶしにあり、これは永瀬ペースになったと思った。
藤井王将の攻めが一息つき、永瀬九段にターンが回った。永瀬九段は鋭く迫る。
藤井王将、銀打ちの受けに、永瀬九段はお返しの銀打ちから寄せに入る。最後はあの角が王手に出て、終幕。永瀬九段の名局が誕生した。
藤井王将、2日制のタイトル戦で先手番の連勝が32連勝でストップしたらしいが、私としては、年度勝率8割がついえた事実のほうが大きい。
もっとも藤井王将は、そういった記録にはほとんど興味がないだろう。ここはつねに記録を意識していた大山康晴十五世名人とは違うところだ。
第5局は3月8日、9日、埼玉県深谷市で。
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増田裕司七段の順位戦復帰の目を考える(最終回)

2025-02-16 23:32:32 | 目を考える
12日に増田裕司七段の対局があったので、確認しよう。

5月16日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ●長岡裕也六段
6月4日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦1回戦 ○神崎健二八段
6月26日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦2回戦 ○長岡裕也六段
7月2日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ●長沼洋八段
7月17日 第10期叡王戦七段戦1回戦 ●矢倉規広七段
7月29日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦3回戦 ○浦野真彦八段
8月13日 第66期王位戦予選1回戦 ○齊藤裕也四段
第33期銀河戦予選1回戦 ○脇謙二九段
第33期銀河戦予選決勝 ●村山慈明八段
9月5日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦4回戦 ○黒田尭之五段
9月12日 第73期王座戦 一次予選1回戦  ○島本亮六段
9月19日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦5回戦 ●山本博志五段
9月25日 第2回達人戦予選1回戦 ○畠山成幸八段
9月25日 第2回達人戦予選2回戦 ○阿部隆九段
10月3日 第66期王位戦予選2回戦 ●狩山幹生四段
10月16日 第73期王座戦一次予選2回戦 ○冨田誠也五段
10月22日 第2回達人戦予選3回戦 ○今泉健司五段
10月22日 第2回達人戦予選決勝 ○藤原直哉七段
11月6日 第73期王座戦一次予選3回戦 ●横山友紀四段
12月3日 第2回達人戦本戦1回戦 ●丸山忠久九段
12月25日 第38期竜王戦ランキング戦6組1回戦 ●島本亮六段
1月15日 第51期棋王戦予選1回戦 ○脇謙二九段
1月23日 第75期王将戦一次予選1回戦 ●山本真也六段
2月12日 第51期棋王戦2回戦 ●上野裕寿四段
(13勝11敗)

棋王戦の上野四段戦は、負け。これで今年度は13勝11敗となった。
順位戦復帰の条件は「年度19勝12敗」。ゆえにあと6勝(1敗)が必要だが、残り2棋戦では難しい。
すなわち、2棋戦は第38期竜王戦6組昇級者決定戦と第75回NHK杯予選だが、竜王戦は昇級者決定戦のトーナメント表ができるのが遅く、指せても1局だろう。
NHK杯は予選で3連勝し、本戦1回戦を今年度末に指せたとしても、合計5勝。条件の19勝まで、1勝足りない。
よって、増田七段の順位戦復帰の目はなくなった。
結局、このシリーズを開始してから、すでに対局が終わっていた銀河戦を除くと、1勝5敗。全然勝てなかった。
振り返ると、昨年12月3日の達人戦で、丸山九段戦で必勝の将棋を落としたのが悔やまれる。あそこで勝っておけば、以降の展開は違っていたと思う。
でもまあ、ファイター増田七段はどの対局も全力で指したのだろうから、勝敗を云々言っても仕方ない。
増田先生、お疲れ様でした。
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