一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA芝浦サロン・大庭美夏女流1級・1

2013-08-01 00:12:25 | LPSA芝浦サロン
7月31日に行われた、日レスインビテーションカップ。47手目、中倉宏美女流二段の▲3三角成にビックリ。宏美先生、もう少し、一局の将棋を大事にしてください。

きょう8月1日は、大庭美夏女流1級のお誕生日。おめでとうございます!!
というわけできょうは、2年前に、美夏女流1級に教えていただいた将棋を振り返ってみたい。
2011年4月1日のLPSA芝浦サロンは、美夏女流1級が手合い係をしていた。東日本大震災が起こってから3週間。室内は節電され、どこか重苦しい雰囲気が漂っていた。
これに先立つこと22日前の3月10日、日本将棋連盟と女流棋士会は、「女流王座戦」の創設を発表した。この棋戦の最大の特色は、全女性に参戦の門戸を開いたことだ。すなわち、アマチュアはもちろん、引退棋士の参加も認めたのだ。
ただ、私見ではあるが、公式戦に引退女流棋士の参戦を認めるのはどうかと思う。もし各棋戦でこれをやったら、現役と引退の区別がつかなくなってしまう。
美夏女流1級はLPSA発足当時に現役を退いていたが、美夏女流1級はアマチュア予選に参戦の意思を示し、やる気満々だった。そこで私は、もし美夏女流1級がアマチュア予選を突破したら、「ル・クルーゼ」をプレゼントすると約束した。
そして私は、美夏女流1級に実戦練習を積んでもらうべく、美夏女流1級と実戦を指すことにした。といってももちろん有料で、お代わり料金の1,000円を支払った。
また本局は持ち時間制とした。15分・30秒である。これはアマチュア予選の持ち時間と同じで、どこまでも美夏女流1級のための将棋だった。
美夏女流1級との指導対局は8局目。過去7回はいずれも駒込サロンで、1局目からの戦型を書けば、対四間飛車、対三間飛車、相居飛車、横歩取り・対△3三桂、相矢倉、中飛車、対三間飛車とバラエティに富んでいた。
私の先手で▲7六歩△3四歩▲6六歩に△3五歩。以下美夏女流1級の石田流三間飛車となった。
では中盤の数手を記してみよう。

以下の指し手。△3六歩▲同歩△同飛▲1五歩△同歩▲1四歩△3一角▲1五香△1六飛▲1三歩成△1五飛▲2三と△1九飛成▲3二歩△3七歩▲3一歩成△3八歩成▲同飛△2九竜▲3九歩…

△3六歩▲同歩△同飛に、私が端を突っかけて、ヘンなところから戦いになった。しかし△2九竜に▲3九歩とした局面は、角と金・桂・香の交換で、明らかに私が悪い。▲1五歩では、▲3七歩と大人しく謝っておくべきだった。
以下も美夏女流1級に気持ちよく攻められ、しかも私が勝負手を逃したこともあり、私の劣勢。ただ、その後どこかで美夏女流1級に緩手が出たらしく、勝負将棋になった。

以下の指し手。△4七角▲5八銀打△9五桂▲8六金△9四歩▲7二と△同金▲2二竜△7一銀▲9六歩…以下、一公の勝ち。

美夏女流1級は△4七角。私は▲5八銀打と一枚使う。△9五桂にも▲8六金。戦力がどんどん減ってさびしいが、この辛抱が実って、最後は私の逆転勝ちとなった。なんだか、美夏女流1級に緩めてもらった感じだ。
局後別テーブルにて、棋譜をノートに清書していると、美夏女流1級が来て、
「私のときは(大沢さんの指し手が)厳しいのに…」
と不満を洩らす。
そうでしょうか。私の指し手は、全然厳しくない。
やがてスタッフのS氏も顔を見せた。私が並べていた将棋を一瞥し、△5七桂を指摘する(記憶が定かでないが、△4七角に代えて、だったか)。これがなかなかの好手で、こう指されたら私が負けていた。S氏の将棋は、植山悦行七段が「彼は全国区だから」と絶賛していたが、その通りだ。私は彼に角を落としてもらっても勝てないと思う。
その1か月後――。第1期女流王座戦アマチュア予選は、美夏女流1級は東日本大会に出場し、決勝に勝ち進んだが、そこで室谷早紀さんに敗れた。もしここで勝っていたら、私は美夏女流1級にル・クルーゼを贈呈しなければならず、あぶないところだった(注:2013年7月31日現在、「女流王座戦サイト」→「これまでの対局」内の、第1期のアマチュア予選の表記がメチャクチャである。たぶん制作側にヤル気がないのだろう)。
以後、私と美夏女流1級との対局はないが、いまは娘さんがバリバリ力をつけ、現在はアマ二段の棋力だという。それなら私とは平手の手合いだ。今度は彼女とお手合わせしてみたい。
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