とりあえずは旅行貯金である。「泊ふ頭郵便局」813円。局名にひらがなが入るのは珍しく、知る人ぞ知る郵便局である。今回、やっと貯金することができた。
「とまりん」の前、泊高橋のバス停に戻る。海水浴場にムリヤリ行くなら北部だが、私の記憶ではけっこうバス代がかかる。しかもそれらはリゾートホテルに隣接しており、のんびりするには適さない。そもそも私はガイドブックさえ持っておらず、本島内は不案内だ。まあガイドブックはどこでも入手できるが、きょう1日の使用のためだけに購入はしたくないところである。
私は国際通り方面に戻る。どうせならきょうのうちに宮古島に入っちゃおうかとスマホを繰ったが、当日なので「得便」の類はすべて不可になっていた。あうう…。
あとは普通料金に株主優待券を使用するしかないが、仮に半額の9,300円になったとしても、明朝のJTA「得便割引1」より600円も高い。これでは意地でも使えないところである。
熟考の末、私は14日のJTA7時30分発を予約することにした。ところがJALカードを家に置いてきたことが分かり、愕然とした。
思えば3年前の1月、JAL株を3,000買ったところ、その翌日にJALが会社更生法を申請するとのニュースがあり、私は約20万円を丸々損したのだ。それ以来JALを逆恨みし、ほとんど利用していない。そのためか、JALカードもどこかにいってしまったのだ。
会員番号も失念し、JALへの予約用電話番号も分からず、一時はどうなることかと思ったが、会員番号を何とか思い出し、JALのホームページに入った。14日の予約を取り、支払いはANAカードからにして、何とか事なきを得た。
残りはきょうの宿だが、晴海YHに久しぶりに泊まるか、カプセルイン沖縄に再び泊まるか。これは観光しながら選択しようと思った。
きょうも凄まじいまでにお日様が照っている。喉があまりにも渇いたので、スーパーに入り78円のかき氷を買う。これがすこぶる美味かった。ヒトは水があれば生きていける、は私の持論である。
上空にはモノレールが懸かっている。どこかの公園に来たが、辺りに見覚えがあると思ったら、国際通りだった。とするとあれは牧志駅だ。腕時計を見ると10時41分。今朝カプセルホテルを出たのは8時40分だったから、2時間も無駄な時間を過ごしてしまったことになる。
しょうがない、いまさらという感じだが、首里城に行こう。牧志で「モノレール1日乗車券」を買う。600円で、首里の往復ではモトが取れないが、1日乗車券は各種割引が充実しており、すぐにモトが取れる(注:本年11月1日より700円に改定予定)。
10時56分牧志発、11時07分首里着。ここから首里城までは徒歩で15分の距離だ。いっしょに向かう中に、外国人の姿も多くあった。
首里城を訪れるのは3回目だが、本殿の復元後は2回目となる。復元以前は「守礼門」が首里城公園の象徴で、パンフレットなどの写真を見るとこの奥に何かあるのかと思いきや、その先は何もなかったという定番の笑い話があった。
私は守礼門の逆側から来たので、裏口から入るような雰囲気があった。石段を登ると、城壁からの眺めが素晴らしい。やはりこれは「城」なのだ。
入場料は800円だが、1日乗車券の恩恵で、2割引の640円である。正殿前の奉神門は現在お色直し中で、白い布で覆われていた。残念である。
しかしその先の正殿は健在だ。いまは守礼門に代わって、ここが首里城の代表的イメージとなっている。正殿内は朱色で統一されており、本土の天守閣とは趣を異にしている。沖縄は琉球国なのだ、の思いを強くする。
ところで沖縄旅行の前に、緒形直人主演の沖縄戦ドラマを観た。1945年6月23日に終戦したそれにおいて、沖縄は壊滅的な打撃を受けた。それはここ首里城も例外ではなく、跡形もなく破壊された。しかしそこから沖縄は、奇跡的な復興を遂げる。こうして私たちが沖縄を訪れることができるのも、琉球の先人のおかげであり、感謝の念を抱かずにはおれない。
南殿の奥、書院の一隅にある鎖之間が、有料(300円)のお茶処となっていた。喉が渇いたので、入る。中は掘りゴタツになっていて、寛げる。係の女性がさんぴん茶とお茶菓子を恭しく運んでくれる。
さらに女性からの説明が入る。「さんぴん」は「香片・シャンピェン」が訛ったもので…「ちんすこう」は小麦粉を使って…。私たちはふむふむと頷く。
いまは冷たいさんぴん茶が飲みたかったけれど、熱くても、美味かった。
以下も順路に沿って、歩く。首里城「跡」は世界遺産だが、正殿内の構造や美術工芸品も見事で、その名に恥じない。
出口付近は土産物屋になっていたが、旅行2日目では、何も買えない。第一、プレゼントする相手がいない。
首里城を出て守礼門をくぐり、公園を出る。どこかで昼食を摂りたいが、住宅地の一隅に隠れ家的なレストランがあったので、そこに入ってみる。
店の名は「ほりかわ」。窓際のカウンターに座ったが、意外と観光客が入ってくる。私は「沖縄そばセット」を頼んだ。沖縄そば、紅いものおにぎり、くーぶぃりちー、あーさのかき揚げ、もずく酢、シークァーサージュースで1,060円。どれもしっかり調理されていて、美味い。昼食にしてはちょっと大きい出費だったが、大いに満足した。
これからどうするか。国際通りのアーケード街の近くに、「壺屋通り」がある。文字通り沖縄の焼き物を扱う店が並んでいるのだが、一度訪れてみようと思った。
首里駅に入り、1日乗車券を自動改札機に入れる。何気なく裏を見たら、驚くべき数字が印字されていた。それは、いままでありそうでなかったものであった。
(9日につづく)
「とまりん」の前、泊高橋のバス停に戻る。海水浴場にムリヤリ行くなら北部だが、私の記憶ではけっこうバス代がかかる。しかもそれらはリゾートホテルに隣接しており、のんびりするには適さない。そもそも私はガイドブックさえ持っておらず、本島内は不案内だ。まあガイドブックはどこでも入手できるが、きょう1日の使用のためだけに購入はしたくないところである。
私は国際通り方面に戻る。どうせならきょうのうちに宮古島に入っちゃおうかとスマホを繰ったが、当日なので「得便」の類はすべて不可になっていた。あうう…。
あとは普通料金に株主優待券を使用するしかないが、仮に半額の9,300円になったとしても、明朝のJTA「得便割引1」より600円も高い。これでは意地でも使えないところである。
熟考の末、私は14日のJTA7時30分発を予約することにした。ところがJALカードを家に置いてきたことが分かり、愕然とした。
思えば3年前の1月、JAL株を3,000買ったところ、その翌日にJALが会社更生法を申請するとのニュースがあり、私は約20万円を丸々損したのだ。それ以来JALを逆恨みし、ほとんど利用していない。そのためか、JALカードもどこかにいってしまったのだ。
会員番号も失念し、JALへの予約用電話番号も分からず、一時はどうなることかと思ったが、会員番号を何とか思い出し、JALのホームページに入った。14日の予約を取り、支払いはANAカードからにして、何とか事なきを得た。
残りはきょうの宿だが、晴海YHに久しぶりに泊まるか、カプセルイン沖縄に再び泊まるか。これは観光しながら選択しようと思った。
きょうも凄まじいまでにお日様が照っている。喉があまりにも渇いたので、スーパーに入り78円のかき氷を買う。これがすこぶる美味かった。ヒトは水があれば生きていける、は私の持論である。
上空にはモノレールが懸かっている。どこかの公園に来たが、辺りに見覚えがあると思ったら、国際通りだった。とするとあれは牧志駅だ。腕時計を見ると10時41分。今朝カプセルホテルを出たのは8時40分だったから、2時間も無駄な時間を過ごしてしまったことになる。
しょうがない、いまさらという感じだが、首里城に行こう。牧志で「モノレール1日乗車券」を買う。600円で、首里の往復ではモトが取れないが、1日乗車券は各種割引が充実しており、すぐにモトが取れる(注:本年11月1日より700円に改定予定)。
10時56分牧志発、11時07分首里着。ここから首里城までは徒歩で15分の距離だ。いっしょに向かう中に、外国人の姿も多くあった。
首里城を訪れるのは3回目だが、本殿の復元後は2回目となる。復元以前は「守礼門」が首里城公園の象徴で、パンフレットなどの写真を見るとこの奥に何かあるのかと思いきや、その先は何もなかったという定番の笑い話があった。
私は守礼門の逆側から来たので、裏口から入るような雰囲気があった。石段を登ると、城壁からの眺めが素晴らしい。やはりこれは「城」なのだ。
入場料は800円だが、1日乗車券の恩恵で、2割引の640円である。正殿前の奉神門は現在お色直し中で、白い布で覆われていた。残念である。
しかしその先の正殿は健在だ。いまは守礼門に代わって、ここが首里城の代表的イメージとなっている。正殿内は朱色で統一されており、本土の天守閣とは趣を異にしている。沖縄は琉球国なのだ、の思いを強くする。
ところで沖縄旅行の前に、緒形直人主演の沖縄戦ドラマを観た。1945年6月23日に終戦したそれにおいて、沖縄は壊滅的な打撃を受けた。それはここ首里城も例外ではなく、跡形もなく破壊された。しかしそこから沖縄は、奇跡的な復興を遂げる。こうして私たちが沖縄を訪れることができるのも、琉球の先人のおかげであり、感謝の念を抱かずにはおれない。
南殿の奥、書院の一隅にある鎖之間が、有料(300円)のお茶処となっていた。喉が渇いたので、入る。中は掘りゴタツになっていて、寛げる。係の女性がさんぴん茶とお茶菓子を恭しく運んでくれる。
さらに女性からの説明が入る。「さんぴん」は「香片・シャンピェン」が訛ったもので…「ちんすこう」は小麦粉を使って…。私たちはふむふむと頷く。
いまは冷たいさんぴん茶が飲みたかったけれど、熱くても、美味かった。
以下も順路に沿って、歩く。首里城「跡」は世界遺産だが、正殿内の構造や美術工芸品も見事で、その名に恥じない。
出口付近は土産物屋になっていたが、旅行2日目では、何も買えない。第一、プレゼントする相手がいない。
首里城を出て守礼門をくぐり、公園を出る。どこかで昼食を摂りたいが、住宅地の一隅に隠れ家的なレストランがあったので、そこに入ってみる。
店の名は「ほりかわ」。窓際のカウンターに座ったが、意外と観光客が入ってくる。私は「沖縄そばセット」を頼んだ。沖縄そば、紅いものおにぎり、くーぶぃりちー、あーさのかき揚げ、もずく酢、シークァーサージュースで1,060円。どれもしっかり調理されていて、美味い。昼食にしてはちょっと大きい出費だったが、大いに満足した。
これからどうするか。国際通りのアーケード街の近くに、「壺屋通り」がある。文字通り沖縄の焼き物を扱う店が並んでいるのだが、一度訪れてみようと思った。
首里駅に入り、1日乗車券を自動改札機に入れる。何気なく裏を見たら、驚くべき数字が印字されていた。それは、いままでありそうでなかったものであった。
(9日につづく)