13日はLPSA麹町サロンin DISに行った。担当は渡部愛女流初段だったが、愛女流初段があまりにも神々しくて、私は指し手を考えるどころではなかった。
ちょっとこれヘタしたら、女流棋士ファンランキングで渡部女流初段が単独1位になったかもしれない。
◇
(きのうのつづき)
3局目はTod氏と戦う。大野教室は厳しい相手ばかりなので、Tod戦は唯一の癒しになる。さっきは大野八一雄七段相手に飛車落ちだか飛車香落ちだかで善戦していて、「大沢さんに二枚落ちで負けるのがおかしい」と大野七段が首を傾げていた。
対局開始。Tod氏は▲4五歩~▲2五歩ときたが、▲3四歩とする雰囲気がないので、私は素知らぬ顔で△4二銀とする。ここで一枚活用できるのが上手は大きいのである。
Tod氏は例によって銀多伝。私は角頭を攻めて、まずまず。しかしTod氏が▲5七金と繰り出したのが力強い手で、こうなると上手は弱い。ジリジリと押されて、上手側は初型に近い形になってしまった。観戦していたW氏が大笑いする。
しかしTod氏は秒読みになり、こうなると上手が盛り返す。私は3六のキズを責め、Tod氏の攻め損ねと受け間違えで、一気に私が勝勢になってしまった。
投了後は、大野七段による講義。勝勢になってからの下手の寄せ方を、大野七段が詳しく解説した。もちろん私も大いに勉強になった。
4局目はS君と戦う。S君は現在研修会員で、奨励会編入まであと一歩。まあ編入は時間の問題だが、奨励会に入って、やっとスタート地点だ。プロへの道はかくも厳しい。みんなが藤井聡太四段ではないのだ。
将棋は私の先手で、▲7六歩△3四歩▲6六歩に△3五歩!
居飛車党のS君が△3五歩とは珍しい。私は振り飛車のつもりだったが、大山流で居飛車にスイッチした。
△9四歩に▲9六歩としなかったら、S君は△9五歩。ここは気合でこう指したいところである。
私は棒金模様で迫り、S君は攻撃のチャンスを窺う。
第1図以下の指し手。▲6五歩△同歩▲同銀△6四歩▲5六銀△2五桂(途中図)
▲4五銀△3二飛▲4六歩△4四歩▲5六銀引△3四飛▲2六歩△3七桂成▲同金△3六歩▲4七金(第2図)
私は▲6五歩と6筋の歩を切る。戦いはまだ先だろうとのんびりしていたら、S君は決然と△2五桂ときた。これを▲同飛は△2四飛で決戦になる。私はトイレに行って気分を落ちつけた後、▲4五銀と出た。
△3二飛には将来の角切りを防いで▲4六歩。ここ▲2五飛はやはり△3四銀からの決戦を気にした。
第2図以下の指し手。△5四歩▲同歩△同銀▲3五歩△同角▲3六金△5五歩▲同銀△5六歩▲5四銀△5七歩成▲同金△5六歩▲同金(第3図)
左ではFuj―Kさんが対戦していて、これもおもしろいカードである。Kさんが果敢に攻め込み、勝っても不思議でない局面だ。
S君は△5四歩▲同歩△同銀。ここで▲3五歩が軽手で、△同飛は▲4四角がある。よって△3五同角だが、私は目障りな3六歩を払えた。
△5五歩に強く▲同銀。△同銀▲同角は、やはり▲4四角と出る手を見る。結果論だが、S君の△7一玉形で祟っている。どこかで△8二玉と入っても先手には有効な手がなかったから、一手落ち着くべきだった。
第3図以下の指し手。△2六角▲同飛△4七銀▲3五歩△2四飛▲2五歩△5六銀成▲2四歩△6七金▲7九玉△5七成銀▲4四角△8二玉▲2一飛△5一歩▲6九歩(第4図)
Fuj―K戦はKさんが勝ったようだ。腰の重いFuj氏に勝つとは大したものだ。
Kさんも研修会員で女流棋士まであと一歩。現在女流棋士は誕生のペースが早くなってきているので、いつ間口が狭くならないとも限らない。とにかく早いところ、女流棋士になるのがよい。
第3図は△4七銀を気にした。以下▲3五金△同飛▲4四角△8二玉▲3五角△5六銀成は金を2枚持たれて先手も恐いが、▲2一飛でギリギリ残していると思った。
S君は△2六角の勝負手。これもハッとさせる手だが、いきなり角が手に入るから、上記手順より先手が得をしていると思う。
▲2一飛△5一歩に私は▲6九歩(第4図)と受けて一安心。
第4図以下の指し手。△2四歩▲同飛行△4二歩▲2二飛行成△4三金▲同銀成△同歩▲5三角成△7七銀▲同桂△同金▲6六角(投了図略)
まで、一公の勝ち。
△4三金▲同銀成△同歩の次、▲7一角と打って即詰みがありそうだったが、30秒将棋で読み切れない。笑われてもいいので▲5三角成とした。
最後は詰めろ金取りで勝負アリ。
S君は感想戦をあまりしないので、口頭で行う。
まず、S君は振り飛車を時々指すとのこと。研修会で香落ちを指すかららしい。
S君の△2五桂(途中図)は▲同飛に△2四飛を見たものだが、落ち着いて▲2六歩とされて困ったらしい。またその前の私の▲6五歩は、△同歩で飛車の横利きが通るから、S君はありがたく思ったらしい。このあたりはお互いの棋風の違いが出ておもしろいところである。
負けたS君は元気がなさそうだったが、未来は輝いているのだから、気にする必要はない。これから頑張ってもらいたい。
U君が来ていて、大野七段と研究会を行っていた。結局金曜日もいつものメンバーで、新規のお客さまが欲しいところである。
軽食は大野七段、W氏、Fuj氏、私で日高屋へ。神奈川県在住のTod氏とは駅で別れたが、彼との話も楽しいので、いっしょに帰ってしまう手はあった。
タンメンを食べた後、例によって雑談。帰宅したら午前0時半すぎで、実りのない平日が終わった。
ちょっとこれヘタしたら、女流棋士ファンランキングで渡部女流初段が単独1位になったかもしれない。
◇
(きのうのつづき)
3局目はTod氏と戦う。大野教室は厳しい相手ばかりなので、Tod戦は唯一の癒しになる。さっきは大野八一雄七段相手に飛車落ちだか飛車香落ちだかで善戦していて、「大沢さんに二枚落ちで負けるのがおかしい」と大野七段が首を傾げていた。
対局開始。Tod氏は▲4五歩~▲2五歩ときたが、▲3四歩とする雰囲気がないので、私は素知らぬ顔で△4二銀とする。ここで一枚活用できるのが上手は大きいのである。
Tod氏は例によって銀多伝。私は角頭を攻めて、まずまず。しかしTod氏が▲5七金と繰り出したのが力強い手で、こうなると上手は弱い。ジリジリと押されて、上手側は初型に近い形になってしまった。観戦していたW氏が大笑いする。
しかしTod氏は秒読みになり、こうなると上手が盛り返す。私は3六のキズを責め、Tod氏の攻め損ねと受け間違えで、一気に私が勝勢になってしまった。
投了後は、大野七段による講義。勝勢になってからの下手の寄せ方を、大野七段が詳しく解説した。もちろん私も大いに勉強になった。
4局目はS君と戦う。S君は現在研修会員で、奨励会編入まであと一歩。まあ編入は時間の問題だが、奨励会に入って、やっとスタート地点だ。プロへの道はかくも厳しい。みんなが藤井聡太四段ではないのだ。
将棋は私の先手で、▲7六歩△3四歩▲6六歩に△3五歩!
居飛車党のS君が△3五歩とは珍しい。私は振り飛車のつもりだったが、大山流で居飛車にスイッチした。
△9四歩に▲9六歩としなかったら、S君は△9五歩。ここは気合でこう指したいところである。
私は棒金模様で迫り、S君は攻撃のチャンスを窺う。
第1図以下の指し手。▲6五歩△同歩▲同銀△6四歩▲5六銀△2五桂(途中図)
▲4五銀△3二飛▲4六歩△4四歩▲5六銀引△3四飛▲2六歩△3七桂成▲同金△3六歩▲4七金(第2図)
私は▲6五歩と6筋の歩を切る。戦いはまだ先だろうとのんびりしていたら、S君は決然と△2五桂ときた。これを▲同飛は△2四飛で決戦になる。私はトイレに行って気分を落ちつけた後、▲4五銀と出た。
△3二飛には将来の角切りを防いで▲4六歩。ここ▲2五飛はやはり△3四銀からの決戦を気にした。
第2図以下の指し手。△5四歩▲同歩△同銀▲3五歩△同角▲3六金△5五歩▲同銀△5六歩▲5四銀△5七歩成▲同金△5六歩▲同金(第3図)
左ではFuj―Kさんが対戦していて、これもおもしろいカードである。Kさんが果敢に攻め込み、勝っても不思議でない局面だ。
S君は△5四歩▲同歩△同銀。ここで▲3五歩が軽手で、△同飛は▲4四角がある。よって△3五同角だが、私は目障りな3六歩を払えた。
△5五歩に強く▲同銀。△同銀▲同角は、やはり▲4四角と出る手を見る。結果論だが、S君の△7一玉形で祟っている。どこかで△8二玉と入っても先手には有効な手がなかったから、一手落ち着くべきだった。
第3図以下の指し手。△2六角▲同飛△4七銀▲3五歩△2四飛▲2五歩△5六銀成▲2四歩△6七金▲7九玉△5七成銀▲4四角△8二玉▲2一飛△5一歩▲6九歩(第4図)
Fuj―K戦はKさんが勝ったようだ。腰の重いFuj氏に勝つとは大したものだ。
Kさんも研修会員で女流棋士まであと一歩。現在女流棋士は誕生のペースが早くなってきているので、いつ間口が狭くならないとも限らない。とにかく早いところ、女流棋士になるのがよい。
第3図は△4七銀を気にした。以下▲3五金△同飛▲4四角△8二玉▲3五角△5六銀成は金を2枚持たれて先手も恐いが、▲2一飛でギリギリ残していると思った。
S君は△2六角の勝負手。これもハッとさせる手だが、いきなり角が手に入るから、上記手順より先手が得をしていると思う。
▲2一飛△5一歩に私は▲6九歩(第4図)と受けて一安心。
第4図以下の指し手。△2四歩▲同飛行△4二歩▲2二飛行成△4三金▲同銀成△同歩▲5三角成△7七銀▲同桂△同金▲6六角(投了図略)
まで、一公の勝ち。
△4三金▲同銀成△同歩の次、▲7一角と打って即詰みがありそうだったが、30秒将棋で読み切れない。笑われてもいいので▲5三角成とした。
最後は詰めろ金取りで勝負アリ。
S君は感想戦をあまりしないので、口頭で行う。
まず、S君は振り飛車を時々指すとのこと。研修会で香落ちを指すかららしい。
S君の△2五桂(途中図)は▲同飛に△2四飛を見たものだが、落ち着いて▲2六歩とされて困ったらしい。またその前の私の▲6五歩は、△同歩で飛車の横利きが通るから、S君はありがたく思ったらしい。このあたりはお互いの棋風の違いが出ておもしろいところである。
負けたS君は元気がなさそうだったが、未来は輝いているのだから、気にする必要はない。これから頑張ってもらいたい。
U君が来ていて、大野七段と研究会を行っていた。結局金曜日もいつものメンバーで、新規のお客さまが欲しいところである。
軽食は大野七段、W氏、Fuj氏、私で日高屋へ。神奈川県在住のTod氏とは駅で別れたが、彼との話も楽しいので、いっしょに帰ってしまう手はあった。
タンメンを食べた後、例によって雑談。帰宅したら午前0時半すぎで、実りのない平日が終わった。