2日に第50期棋王戦五番勝負が開幕した。挑戦者は増田康宏八段。竜王戦の佐々木勇気八段に続いて、A級八段の登場である。藤井聡太棋王にタイトル戦でまみえる14人目となるが、増田八段が残っていたか、という感じである。ただ、相手が並みのタイトル保持者なら初タイトルも有望だが、藤井棋王の壁は高い。まずは開幕局を取ることが絶対である。
第1局は高知県高知市で。高知といえばJRローカル線に第三セクター、路面電車もあり、鉄道マニアには堪らない環境だ。また高知城の天守閣もあり、「まんが甲子園」も長く続けている。私のための観光地といえる。
といいつつ私は、高知はおろか、四国は長くご無沙汰している。またお邪魔したいと思う。
第1局は振駒で藤井棋王の先手。棋王戦の振駒は、不思議とタイトルホルダーが強い。
将棋は藤井棋王が飛車先の歩を突いてスタートしたが、増田八段が注文をつけ、角換わりとなった。
お互い右金を上がり、あとは両者とも飛車を引くのかと思いきや、増田八段が初めて消費時間を使い、6筋の歩を伸ばした。
これが増田八段の用意した手で、これに藤井棋王が反応する。30分あまりの熟考で、3筋から仕掛けた。歩で取る一手に桂を跳ね、もう、元には戻れない。
これで先手がよくなれば新定跡の誕生となる。ABEMAの解説は、どの変化も先手よしとしている。だが実戦は増田八段がよく辛抱し、崩れない。
だけどこれなら、攻めている藤井棋王がそのまま攻め倒すのだろうと思った。
だが藤井棋王は攻めきれず、いったん休止。気が付けば、増田八段のほうが指しやすくなっていた。まさに増田八段の充実を示すもので、たぶんほかの棋士だったら、そのまま攻め倒されていただろう。
だが藤井戦はここからが大変である。いまは藤井棋王のほうが持ち時間を多く使っているが、藤井棋王は勝ちの終盤でほとんど時間を使わない。私たちヘボは終盤こそ時間が欲しいが、藤井棋王は逆である。将棋の終盤は変化が多岐に渡るが、序中盤と違ってある程度の解がある。そこを藤井棋王はスーパーコンピューター並みの読みで、すべてを読み切ってしまう。だから時間がいらないのだ。
よって増田八段は、どう指しても自分が勝ち、という局面まで作らねばならない。これがどうにも難儀である。昔の大山康晴名人戦がそうだったが、その局面を作るまでで疲労困憊となり、容易に勝ち切れない。増田八段はここからが正念場だ。
増田八段、8筋に歩を垂らす。実にいやらしい歩だが、どうもこれがまずかったらしい。将来の飛車の王手に受ける歩がなくなってしまったからだ。
増田八段の攻めに、藤井棋王は6筋の歩を成り捨てる。ABAMA候補手になかった手だが、藤井棋王の指した手だから悪くはない。そのココロは、自陣に歩を打ち、後手の攻めを頓挫させる意味だった。実戦的な手で、逆をもってこの類の手を指されると、戦意を喪失してしまう。
以下は藤井棋王が間隙を縫って反撃し、寄せ切った。投了図、後手玉に即詰みはないようだが、指し手を進める途中で後手の馬を消去することができ、先手の頓死筋がなくなるのだ。
投了図で、藤井棋王の残り時間は3分、増田八段は残り1分。やはり最後は残り時間が逆転していた。
藤井棋王は、苦しみながらも勝利し、まずまずであろう。
いっぽうの増田八段は私の予想以上によく戦ったが、どうであろう。やはり勝ちがほしかった。残り4局を3勝1敗は相当キツイ。ただまあしかし、次の先手番を取れば、ふりだしに戻れる。次局に期待である。
第1局は高知県高知市で。高知といえばJRローカル線に第三セクター、路面電車もあり、鉄道マニアには堪らない環境だ。また高知城の天守閣もあり、「まんが甲子園」も長く続けている。私のための観光地といえる。
といいつつ私は、高知はおろか、四国は長くご無沙汰している。またお邪魔したいと思う。
第1局は振駒で藤井棋王の先手。棋王戦の振駒は、不思議とタイトルホルダーが強い。
将棋は藤井棋王が飛車先の歩を突いてスタートしたが、増田八段が注文をつけ、角換わりとなった。
お互い右金を上がり、あとは両者とも飛車を引くのかと思いきや、増田八段が初めて消費時間を使い、6筋の歩を伸ばした。
これが増田八段の用意した手で、これに藤井棋王が反応する。30分あまりの熟考で、3筋から仕掛けた。歩で取る一手に桂を跳ね、もう、元には戻れない。
これで先手がよくなれば新定跡の誕生となる。ABEMAの解説は、どの変化も先手よしとしている。だが実戦は増田八段がよく辛抱し、崩れない。
だけどこれなら、攻めている藤井棋王がそのまま攻め倒すのだろうと思った。
だが藤井棋王は攻めきれず、いったん休止。気が付けば、増田八段のほうが指しやすくなっていた。まさに増田八段の充実を示すもので、たぶんほかの棋士だったら、そのまま攻め倒されていただろう。
だが藤井戦はここからが大変である。いまは藤井棋王のほうが持ち時間を多く使っているが、藤井棋王は勝ちの終盤でほとんど時間を使わない。私たちヘボは終盤こそ時間が欲しいが、藤井棋王は逆である。将棋の終盤は変化が多岐に渡るが、序中盤と違ってある程度の解がある。そこを藤井棋王はスーパーコンピューター並みの読みで、すべてを読み切ってしまう。だから時間がいらないのだ。
よって増田八段は、どう指しても自分が勝ち、という局面まで作らねばならない。これがどうにも難儀である。昔の大山康晴名人戦がそうだったが、その局面を作るまでで疲労困憊となり、容易に勝ち切れない。増田八段はここからが正念場だ。
増田八段、8筋に歩を垂らす。実にいやらしい歩だが、どうもこれがまずかったらしい。将来の飛車の王手に受ける歩がなくなってしまったからだ。
増田八段の攻めに、藤井棋王は6筋の歩を成り捨てる。ABAMA候補手になかった手だが、藤井棋王の指した手だから悪くはない。そのココロは、自陣に歩を打ち、後手の攻めを頓挫させる意味だった。実戦的な手で、逆をもってこの類の手を指されると、戦意を喪失してしまう。
以下は藤井棋王が間隙を縫って反撃し、寄せ切った。投了図、後手玉に即詰みはないようだが、指し手を進める途中で後手の馬を消去することができ、先手の頓死筋がなくなるのだ。
投了図で、藤井棋王の残り時間は3分、増田八段は残り1分。やはり最後は残り時間が逆転していた。
藤井棋王は、苦しみながらも勝利し、まずまずであろう。
いっぽうの増田八段は私の予想以上によく戦ったが、どうであろう。やはり勝ちがほしかった。残り4局を3勝1敗は相当キツイ。ただまあしかし、次の先手番を取れば、ふりだしに戻れる。次局に期待である。