一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2024年九州旅行・3

2025-02-01 22:52:34 | 旅行記・九州編
私は昨年当てられなかったから、2年ぶりのご指名となる。
マスターはポータブル音楽プレイヤーを取り出した。これはカードを使った、いつもの「あれ」である。私はおのが視力の低下がバレなくてホッとしたわけだがマスターのこと、そのくらいはお見通しだったかもしれない。
それに、あらゆるネタを鑑賞している私にマジックを掛けても、面白くないという事情もあったと思う。
マスターはスコップを出すと、それを私にくれ、いつもの指示を出した。そして「あれ? 緊張してますね」と、例の金鳥のパッケージを取り出し、クシャクシャにした。「キンチョウをほぐす」。もう、当読者にはおなじみのギャグである。
ウルトラセブンのイントロが流れ、私はマスターの掛け声の合間に、「スコップ!」と叫ぶ。だが3回目に、「声が小さいですね」とやり直しを命じられた。これは、マスターに何かの手違いが起こったのだろう。そしてたぶんこの小ミスは、マスターと私しか気づいていない。
マスターは、やり直しの「スコップ」に合わせ、4枚のカードをカウンターに置いた。やがてウルトラセブンの歌が始まると、「セブン、セブン、セブン」に合わせ。めでたく4枚の「7」を出した。
私がほっとしたのは言うまでもない。
その後もいくつものマジックが披露され、マスターが再び、千円札を所望した。ところが誰も出さない。そこで私が遠慮がちに、旧千円札を出した。
マスターが「お札のナンバーは覚えてますか?」と問うたが、さすがに覚えなかった。そこでカウンターの女性が読み上げ、例の生卵のマジックとなった。
その生卵を割ると、私の千円札がワープしていて、みんなびっくりした。私はこうなることが分かっているのに、驚く。いったいどういう仕掛けになっているのかと思う。
おなじみ、ルービックキューブのマジックとなる。これも目を瞠るものばかりなのだが、一例を挙げると、2つのルービックキューブがあり、片方は色がバラバラである。マスターはそれを一瞥すると、もうひとつのルービックキューブを「見ないで」カチャカチャやり、そちらと同じ配色にしてしまうのだ。
マジックも終盤になり、再びコインマジックである。マスターが100円玉をボールペンで貫通させてしまう。さらにその100円玉を3つに割って、元に戻す。
私が出した5円玉には、輪ゴムを通す。これ、5円玉と輪ゴムが鎖状で繋がるということである。
さっきの私の千円札の代わりに、マスターが新たな千円札を出し、これにマスターが50円玉を通し、「1050円」とかやった。
さらにボールペンを千円札に貫通させ、それを上下する。しかし千円札に穴は開いていない。後方の男性は「げえぇっ……!!」と驚きを隠せない。まあ、そういう反応になるであろう。
さらにマスターは、千円札に指で穴を開けた。これは初めて見るパターンで、マスターが指を抜くと、お札は元に戻った。
楽しかったマジックも最終盤である。最後はみなにルービックキューブが配られ、例の24面の木箱に組み込むと、マリオの絵が出来上がっているのであった。
「ではみなさん、お名残り惜しいですが、ここまで。また会いたくなったらお呼びしますから」
マスターは言い、お開きとなった。あんでるせんは人気なので電話が繋がりにくく、予約も取りにくい。その難関をくぐりぬけて参加できたということは、マスターの意思による、ということらしい。それにしては、私は26年連続で参加できているのだが。
時に17時35分。実に3時間50分の長丁場で、マジックネタは優に100を越えただろう。これで1,000円は安すぎる。
カウンターにはぐにゃぐにゃに曲がったスプーンとフォークが出されている。1本300円で、みなそれを求めて列を作っている。このシステムができて、10年くらいになるだろうか。私は今年も1本求める。それと、前に出した千円札を返してもらう意味もあった。
マスターは千円札に何も書かず、そのまま返してくれた。前にいた男性には「あなたは社長業が合いますよ」と言ったが、私にはとくに言葉はなかった。25年前からここに来ていながら、その体たらくは何ですか、というところなのだろう。
確かにそうで、この堕落ぶりは我ながら情けない。マスターにはハグをしてもらったが、何となく虚しく、私はしんみりとあんでるせんを後にした。
川棚駅に入り、さてこのあとをどうするか。早岐方面の大村線には乗るとして、そのあとどこの快活Clubに行くか、だ。
佐世保店に行きたいのはヤマヤマだが、ナイトパックが設定されてないのが気に食わない。とすれば次の候補は、佐世保に近い大塔店か、福岡県の久留米店である。
きょうのうちに久留米まで行ければデカイが、最寄りの「久留米高校前駅」とは何ぞや。こんなJRの駅があったか? いやバス停なのか?
なんだかよく分からず、大塔店に行くことにした。
18時ちょうどの列車に乗る。最初は立って行ったが、そこであらためて車内の路線図を見ると、大塔は早岐の先、すなわち私の利用経路からは外れていた。つまり、下車するときにはみ出し料金を払わねばならないということだ。
大塔店は、早岐から1つ先の大塔と、2つ先の日宇の中間にある。はみ出し料金はそれぞれ170円と210円なので、大塔で降りるのが合理的だが、日宇の駅前には寿司屋があり、惹かれる。それで、日宇まで足を伸ばした。
ところが、肝心の寿司屋は休み。わざわざ訪ねたのに、こんなものである。
ここから大塔店に向かうが、高架の国道と一般道の下道がある。高架は怖いので下道を行ったが、これがマズかった。どうも道が逸れたみたいで、近所の新聞販売店に場所を聞いて軌道修正。再び国道に戻った。
ラーメン屋があったが、大塔店を確認しないと、落ち着いて食事もできない。
けっこう歩いたが、やっと大塔店があった。ビルの一角に入居していて、1階にはうどん屋があった。もう安心したので、そこのうどん屋に入った。
お店一押しの肉肉うどんを食す。つゆは甘めで、脂がギラギラしている。うどんは太目で美味い。肉は、肉肉という割にはちょっと少なかった。これで860円は、微妙なところだった。会計のときも、なぜレシートをくれなかったのか、疑問が残った。
大塔店に入店する。鍵なしのリーズナブルなブースが取れた。
一段落するとPCを点け、いかがわしいビデオに代えてみる。鑑賞するのはもちろん、愛弓りょうである。相変わらず新作を出しているが、私が見たいものはなかった。
もう、私の見ていないビデオはないのか?
そのとき、起死回生の妙手が閃いた。
(つづく)
コメント
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