一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

18日の「将棋ペンクラブ大賞・贈呈式」(前編)

2009-09-20 00:22:43 | 将棋ペンクラブ
18日(金)は、東京・四谷の「将棋ペンクラブ大賞贈呈式」へお邪魔してきた。
開演は午後6時半からだったが、地下鉄南北線に乗ると意外に近く、6時8分ごろに着いてしまった。1階のエレベーターで妙齢の美人を見かけたが、なんとなく、今回「話題賞」を受賞された、伊奈めぐみさんのような気がした。
会場の5階に上がるが、参加費を払うともうやることがない。仕方がないから受付付近をうろうろし、中倉宏美女流二段との将棋を思い出す。
たしか私が▲5七銀左から急戦を仕掛けて、失敗したような…と考えつつ、ふと顔を上げると、船戸陽子女流二段と、今回の大賞受賞者の鈴木宏彦氏が、エレベーターに乗って、階下の控室に移動するところだった。
船戸女流二段と目が合い、私が「あ…」と言うが、船戸女流二段は視線をそむける。私はうろたえながら、鈴木氏に「いつも鈴木先生の観戦記は拝見しております。いつも素晴らしいです、はい、はい!」とまくしたてる。完全に動揺していた。
昨年は、船戸女流二段が私を見るや歩み寄ってこられ、「良く書いていただいて、ありがとうございます」と言われた。それとくらべると、今年はエラい態度の豹変である。記憶が飛んだり、呆然としたり、今日は精神衛生上よろしくない。
6時半すぎになり、いよいよ開演。まずは木村晋介弁護士の、選考総評。
さすが弁護士というべきか落ち着いた語り口で、選考過程や各作品の受賞の決め手になったポイントを、簡潔に述べられた。
そして表彰状の授与。みなさん緊張しつつも、感激の面持ちだった。
そのあとは、受賞者のコメントである。秀逸だったのは「広島の親分」で文芸部門優秀賞を受賞した森充弘氏で、作品の裏話がおもしろかった。
挿し絵担当のバトルロイヤル風間氏は、ややウケが悪かったか。ジョークをひねりすぎて、キレを欠いたのが惜しまれる。
1階で見かけた、だいたひかる似?の美人は、やはり伊奈めぐみさんだった。息子さんの柊ちゃんは、「なぜママがあそこにいるの?」という顔をしている。
そんなめぐみさんもまた、「なんでワタシがここにいるの?」と戸惑い気味で、その雰囲気が可笑しかった。スピーチもブログ同様、短くもキレがあり、見事だった。最近「ダーリンは外国人」というベストセラーがあったが、めぐみさんのブログも書籍化してみてはどうだろうか。
西村一義・日本将棋連盟専務理事の音頭で「乾杯」。
しかし私の心は晴れない。マズかったのか…あの書き込みがマズかったのか…。
とふさぎこんでいると、船戸女流二段が近寄り、話しかけてくださった。私がよほど落ち込んでいるように見えたのだろう。船戸女流二段は、今日もエレガントである。そしてその顔は笑っている。良かった…。私の取り越し苦労だったのかもしれない。
まずは、のりピーのあの会見をどう見るか、の話をした。女性の視点からの考察には、さすがにうなった。
ところがここが私のイケナイところなのだが、つい調子に乗って、中倉女流二段の最新情報を話してしまった。またマユをひそめられるか…と危惧したが、「ああ、そうですか!」とふつうの返事だったので、拍子抜けしてしまった。
だけど、男性が喜ぶ編集の専門誌に、中倉女流二段が登場するのだ。もうすこし驚いてくれてもよそうなものではないか。それどころか船戸女流二段は、
「栞ちゃんてスタイルがいいし、バイクにまたがっている写真は、カッコイイと思いました」
と、平然と言う。
私のアタマには中倉女流二段とビキニ、月見栞の健康的な姿が交叉していた。そこへもってきて、いま私の眼前で、船戸女流二段が月見栞を語っているのだ。
私はまたもスパークしそうになった。
そこへ北尾まどか女流初段がいらっしゃる。北尾女流初段のフリー宣言は衝撃的だったが、多忙な毎日を過ごしているようだ。ブログも毎日更新し、将棋の普及に抜かりはない。
北尾女流初段考案の「どうぶつしょうぎ」は、いまや全国区である。日本将棋連盟は、北尾女流初段を特別表彰するべきであろう。
やがておふたりが場を離れ、私も冷静さを取り戻すと、石橋幸緒女流王位の姿が見えたので、15日のマイナビ本戦での勝利を祝福しておく。しかし「内容がよれよれだったんじゃないですか?」と付け加えたのは、余計な一言だった。
プロ棋士は皆さん、全身全霊を傾けて勝負に挑んでいる。それをただの一将棋ファンが、その内容について軽々しく批判をするものではない。
石橋女流王位は、苦笑いしていたけれど、失礼なことを言ってしまったと思う。この場でお詫びいたします。
三浦弘行八段がいらしたので、挨拶をする。
「羽生善治七冠王から棋聖を獲ったときは嬉しかったでしょうねぇ…」と、言わずもがなのことを言う。三浦八段は「はあ…」と答えるしかないではないか。ちなみに、三浦八段もスピーチの壇上に立ったが、ふだん無口の八段とは思えぬ、ファンと棋士との橋渡しを願う、温かいスピーチだった。
さてそんな最中でも、ステージでは抽選会が行われ、私の番号が呼ばれた(受付のときに渡された式次第にナンバリングがしてあるのだ)。これが最後の「当たり」だったそうだ。
ミニ色紙が何枚か残っていたが、熊倉紫野女流初段揮毫の「楽」があったので、それを頂戴する。ちなみに昨年は、野田澤彩乃女流1級の「彩」を頂戴した。
石橋女流王位、船戸女流二段の3面指し指導対局が始まる。また私を船戸女流二段の前にすわらせようとする会員がいたが、まだアタマがスパーク中なので、遠慮しておく。
湯川博士統括幹事がいらっしゃる。
「一公君、キミの船戸さんの話はよく分かった。だけどすこし飽きたな。次は別の女流棋士を書いてくれ」
はああ? ワタシ、連載してるわけじゃないんですけど…。
しかし湯川幹事のこの主張、一見無謀のようだが、一理あるのだ。原稿のやりとりにギャラが発生すれば、こちらは断ることもできる。しかし「無償」だと、従わざるを得ないのだ。この逆説的な感じ、このブログの読者の皆さまに、分かっていただけるだろうか。
午後8時半すぎ、とりあえず贈呈式が終了。このあとは二次会である。当然船戸女流二段も同席するだろう。もちろん私も参加する。ここが最大の勝負どころである。昨年同様、同じテーブルにすわれれば、湯川の旦那がいても構わない。私は気合を入れて、二次会の会場へ向かった。
(つづく)
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きのうのヒロミとの会話…ウルトラスーパースペシャル

2009-09-19 01:47:35 | LPSA金曜サロン
きのう18日のLPSA金曜サロンは、昼が中倉宏美女流二段、夕方が藤森奈津子女流三段の担当だった。きのう記したとおり、18日は四ツ谷で夜6時半から、「将棋ペンクラブ大賞贈呈式」がある。だから時間的に、藤森女流三段から指導を受けることはできない。月見栞の件いらい、藤森女流三段との間がギクシャクしているので、対局を通して早く和解したいのだが、なかなかその機会がないのが残念である。
いずれじっくりお話をして、わだかまりを解消したいと思っている。
さて、中倉女流二段との指導対局である。相変わらず気品がある。そんな中倉女流二段が、私を見てクスクス笑う。
「ど、どうも。よろしくお願いします」
「はい。一公さんとは指しかけでしたよね?」
中倉女流二段はこのブログを読んでくださっているので、先刻承知のようである。しかし私は来月23日の、「夜のナカクラヒロミ」のときに指し継ぎたかった。
その旨を一応は伝えたが、けっきょく指しかけの局面から始めることになった。
ところがその直後、中倉女流二段がはにかみながら、まったく想像していない言葉をポソっと口にしたので、私は心底驚いた。

「こんど、『VIBES』に、わたしの記事が載ることになりました」

「え、ええ!? ば、ばば、ばいぶずにィ!?」
中倉女流二段は、ハーレーをこよなく愛する、ポジティブな女性である。そして「VIBES」とは、このブログの熱心な読者ならご存知だろうが、海王社発行のハーレーダビッドソン専門誌である。その表紙には特別な技能を持つ女優やモデルが起用され、センターには、そんな彼女らの健康的すぎるグラビアが載っている。その由緒正しい雑誌に、中倉女流二段の記事が載るというのだ!
「あ…でも水着とかはないですから。ふつうの記事です」
私の想像はお見通しとばかり、すかさず中倉女流二段が、苦笑しながら付け加える。
いやしかし、ふつうの記事といっても、中には健康的すぎる女性が載っているのだ、健康的すぎる女性が!! そんなところに中倉女流二段の記事が載っても大丈夫なのだろうか!? LPSAはその取材を許可したのだろうか!?
それにしても…ああ、水着…ナカクラヒロミ…月見栞…緑のビキニ…センターグラビア…これはいつぞやの、「(夜のナカクラヒロミって)あやしいですよね」どころの騒ぎではない。メガトン級の言葉である。私はただただ、
「いや、あ、ああ…そうですか…」
と呆けるばかりだ。中倉女流二段は、私の反応を前にして、頬をほんのりと赤らめ、苦笑している。あ、ああ、な、なんて魅力的なんだ中倉先生!!
それ以降、この日の私は記憶がない。指導対局が再び指しかけ、という事態にはならなかったと思うが、気がついたら、私は四ツ谷へ向かう地下鉄南北線の車中だった。胸には自分の名札がついたままだった。
今日からの北海道の旅行で、あれから何がどうなったか、なんとしてでも記憶を呼び戻そうと思う。そして26日(土)の日レス杯では、中倉女流二段を目いっぱい観賞するつもりである。
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今日18日は、「第21回将棋ペンクラブ贈呈式」

2009-09-18 01:27:00 | 将棋ペンクラブ
今日18日(金)は、午後6時半から東京・四ツ谷の「スクワール麹町」で、「第21回将棋ペンクラブ大賞贈呈式」が行われる。
将棋ペンクラブ会員はもちろん、一般の将棋ファンも参加できる。会費は8,000円。私はペンクラブの会員になって15年以上になるが、参加したのは昨年が初めてであった。
それまで不参加だった理由は、会費がやや高いと思ったこと。ヒトの受賞を祝っても、こちらは面白くもなんともないこと。そしてこれがいちばん大きな理由なのだが、新卒の会社をリストラという形で辞めた私は、20代後半から、別の広告代理店に勤め始めた。その勤務地が、四ツ谷だったことにある。
人には暗い過去がある。この会社のピリピリした雰囲気、社長の…いや、やめておこう。愚痴になる。
とにかく家の事情で、そこの会社も辞めることになった時は、いままでお世話になったクライアントや、毎日コミュニケーションズなどの営業氏とおサラバすることが辛かったが、この会社にもう行かなくて済む、もう四ツ谷の地に降りなくて済むという、せいせいした気持ちのほうが強かった。
その私が、ついに昨年は参加した。贈呈式が第20回だったこと、その直前に発行された会報に拙稿が載ったこともあるが、四ツ谷アレルギーが薄れてきたことが大きい。
実際参加してみると、楽しかった。いつも雑誌やテレビでしか拝見できない方がいっぱいいらっしゃる。
文芸部門・大賞受賞の中野英伴氏、功労賞の団鬼六氏は、大御所の雰囲気十分。男性プロ棋士やアマチュア強豪も多数いらした。
女流棋士は、LPSAから船戸陽子女流二段と松尾香織女流初段が出席された。船戸女流二段のスピーチは、各受賞者への感謝とお祝いの気持ちを、ストーリー仕立てで巧みにまとめたもので、とても感心した。
立食パーティーでは、団先生に「先生の著作の中では『女教師』がいちばん好きです」とお伝えしたかったが、畏れ多くて、近付けなかった。
女流棋士による指導対局では、会報に掲載された拙稿の内容から、会員の一部が船戸女流二段と私とを対局させたがり、半ば強制的に船戸女流二段の向かいに座らせられてしまった。香落ちを所望したが、まったく勝負にならず、完敗した。
その対局時に、バトルロイヤル風間氏が、私の似顔をサラサラと描いてくださった。むぅー、このブスッとしたところ、よく特徴を捉えていて、「似てる」と言わざるを得なかった。
二次会にも参加し、私は6人掛けのテーブルにすわったのだが、私が9九だとすると、8九に写真家の中野英伴氏、7九に作家・湯川博士統括幹事、私の向かいの9七にフォトグラファーの岡松三三さん、8七に船戸女流二段、7七に文芸評論家の西上心太氏、という顔ぶれだった。
これ、私以外はみな「先生」と呼ばれる方々である。すごいメンバーに混じってしまったものだが、「将棋」というキーワードが、その緊張感を和らげてくれる。銭湯でハダカになりゃみな同じ。将棋が趣味なら、職業や役職は関係ないのだ。
そんなわけで図々しくも、私は中野先生に、「いい写真の撮り方」を訊いてしまった。実は以前、旅先で同宿になった方に写真家がいて、やはり同じ質問をしたが、言葉を濁されてしまった。たとえ相手が素人といえども、企業秘密は教えられない、というわけだ。さすがはプロ、と感心した。
しかし中野先生は、「まあ酒の席だから」と教えてくださった。ありがたいことである。注目の回答は、「技術ももちろん大切だが、被写体に愛情を持つこと」だったと記憶する。
さて今年は、文芸部門の優秀賞に、ペンクラブ幹事の森充弘氏と、挿し絵担当のバトル氏が受賞された。私は今日から北海道に遊びに行くつもりだったが、いつもお世話になっているおふたりの受賞となれば、旅行を1日遅らせてでも、喜んで参加をする一手である。…………すみません、ウソをついてしまいました。
今年も船戸女流二段が出席されると聞いて、即、参加を決めた次第である。
今年はどんな催しになるのだろう。夜が楽しみだ。
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「第二期マイナビ女子オープン・就位式」に行ってきた

2009-09-17 00:30:09 | 将棋イベント
16日(水)は、毎日コミュニケーションズ本社にて「第二期 マイナビ女子オープン 女王就位式」が執り行われた。女流棋戦の就位式は、女流棋士も多く参加し、華やかでよい。私も図々しく出席させていただいた。
会場は、7月に第3期一斉予選が行われた「マイナビルームA」である。悲喜こもごもの激闘が懐かしくもあり、切なくもある。
私は任意の席にすわる。このとき、「もうひとつ左の席にすわれ」と天の声がしたが、空耳だろう、と無視する。
定刻の午後6時を4分ほど過ぎたころ、司会者の合図で大扉が開かれ、矢内理絵子女王が登場した。昨年は2,000万円のティアラを挿した水色のドレスだったが、今年は趣を変えて、桃色のきものでの、おでましである。
桃色…。私は夏以降、この色にビクビクしているのだが、矢内女王のそれはあでやかで、素晴らしい。洋装と和装、両方似合う女性はなかなかいない。その点、矢内女王はどちらも見事に着こなしている。表情は穏やかで、しっとりと大人の香りがする。心身ともに充実しているのだな、と思う。
式次第にのっとり、毎日コミュニケーションズ代表取締役社長・中川信行氏、日本将棋連盟会長・米長邦雄永世棋聖の挨拶が続く。中川社長は、女流棋士を見守る温かい心、米長会長は、毎コミへの感謝の念が感じられた。
続いてLPSA代表理事、中井広恵女流六段の挨拶である。その途次、私の前の席のふたつ左に、フワッといった感じで、髪の長い美少女が着席した。午後6時14分だった。
あれ? いまのは…や、やま、山口恵梨子ちゃん…? いやまさか…女流棋士会の女流棋士は後方の席などに固まっていた。彼女がここにすわるわけがない。
しかし…あのスタイルは、3月に指された挑戦者決定戦の控室で拝見した姿と寸分変わらない。でも彼女、あんなに髪が長かったろうか。私が「LADIES HOLLY CUP」やマイナビ予選で彼女を観賞してから、かなり時間が経っている。あれから髪が伸びればそんなものだろうか。
ああー、せめて私がもうひとつ左の席にすわっていれば、絶好の位置で彼女を観察できたのに…。いま、☗6九金が私の席とするならば、彼女は☗8八角に居る。私が☗7九銀だったら………と、激しく後悔する。やはり「天の声」に従うべきだったのだ。
周りではテレビカメラも回っており、あからさまに首を曲げて確認するわけにはいかない。仕方がないから、首は固定したまま、目玉だけを動かす。しかし私は何をやってるのだろう。これじゃあ変質者ではないか。
中井女流六段の挨拶は、もう耳に入らない。ただ、挑戦者の岩根忍女流二段の妊娠、出産に際して、毎コミが最大限の配慮をしてくれたことに、同じ女性として心から感謝しています、という趣旨を述べたような気がする。
やがて中井女流六段の挨拶も終わり、その少女が拍手をする。恵梨子ちゃんは、あんな指だったかなぁ、と思う。
チッ、この角度からなら、船戸陽子女流二段だって、中倉宏美女流二段だって分かるのに、なんてこった…。いくら面識がないとはいえ(厳密にはある)、これではファン失格である。
プログラムは滞りなく進み、矢内女王の、五番勝負全3局を客観的に振り返りつつ、岩根女流二段の心情を慮るしっかりとした謝辞が終わると、フォトセッションの時間となった。
そのとき、前方の少女がこちらを見た!

山口恵梨子ちゃんだった!!

やっぱり、そうだった。彼女は私をチラッと見ると(たぶん気のせい)、どこかをじっと見ていた。
可憐だ…。なんて美しいんだろう、と思う。
「美しくなるには、美しいものを見ること」とは、私が宮古島に行くと必ず泊まる宿の、「元ミス宮古島」の女主人の言葉である。山口恵梨子ちゃんはまだ若い。これから将棋の勉強に励むとともに、もっと美しいものを見て、聴いて、さらに美しくなってほしいと思う。
6時半からは場所をレストランに移して祝賀パーティーである。
桐谷広人六段の姿があったので、挨拶に行く。
「桐谷先生、はじめまして。私、先生が書かれた『歩の玉手箱』を買わせていただきました。毎コミ文庫版のほうですけど、とても参考になりました」
「あ、そうですか。それはありがとうございます」
物腰の柔らかい方だ。桐谷先生とお近づきになりたい、これからお話をしたい、というときに、某氏の祝辞が入り、それは中断してしまった。さらに別の方の乾杯の挨拶と続く。お二方とも、将棋は持久戦が好きと見た。
乾杯が終わると、石橋幸緒女流王位がいらして、「あっちへ行かないの? いますよ」と指をさす。その先には、山口恵梨子女流1級がいた。行って自己紹介したいところだが、私という変質者の存在を知って、彼女に益があるとは思えない。
お互い顔を合わさない。これも「味」である。だからここはグッとこらえておく。
バトルロイヤル風間氏がいる。相変わらず顔が大きい。
「バトル先生、このたびはペンクラブ優秀賞、おめでとうございます」
「おお、ありがとうございます! あさっては…?」
「はい、もちろん伺わせていただきます」
18日には、将棋ペンクラブ大賞の贈呈式があるのだ。
大庭美夏女流1級、藤田麻衣子女流1級が来てくださる。藤田女流1級は、先日の女流王位戦で藤森奈津子女流三段に勝ち、次は山口女流1級との対局となっている。先日の金曜サロンでは、私が山口女流1級を応援するのではと勝手に勘違いして、むくれていた?ようなので、
「藤田先生を応援するに決まってるじゃないですか!」
と言いきっておく。私の心の師匠は真部一男九段だと、以前書いた。では女流棋士の師匠は誰かといえば、それは藤田女流1級である。将棋でも文筆面でも、藤田女流1級に学ぶところは多い。
とにかく、「遠くの第2位より近くの第9位」である。私は、LPSAの現役女流棋士にはすべて指導対局をいただいたが、藤田女流1級の実力はかなり上位と思う。藤田女流1級は、私の顔を見ると何故か闘志がわいてしまうらしいが、それを山口女流1級にぶつければいいのだ。
多田佳子女流四段がいらっしゃる。
「多田先生、髪を紫に染めたのはいつごろからなんですか?」
私が前から気になっていたことを訊くと、
「40代のころからね。この色にするつもりはなかったんだけど、なんとなくね…」
と、穏やかな声で応えてくださる。現役のころから、ハイカラな色に染められていたのだ。ちょっと意外だった。
中井女流六段がいらっしゃる。その表情は明るい。
「私は『圏外』ですから」
「……」
繰り返すが、中井女流六段は「別格」なのである。私が少年のころから活躍されていた方に、軽々しく順位を付けることなどできないのだ。
鈴木環那女流初段が側を通る。とてもチャーミングである。鈴木女流初段は、数年前の将棋ペンクラブ関東交流会でお見かけしたことがある。あのときは、隣りに上田初美・現女流二段もいた。ふたりは仲がいいのだろうが、将棋のほうは、現在上田女流二段が一歩リードしている。鈴木女流初段に激励したかったが、ここでも声をかける勇気がなかった。
気を取り直して、入口付近へ移動する。藤森女流三段とスタッフのI氏がいらした。藤森女流三段が私を見る目が厳しいが、気のせいだろうか。
「私、さっき恵梨子ちゃんと話をしてきましたよー」
と、さっそくジャブが入る。月見栞の件で、すっかり藤森女流三段呆れられてしまったので、まあ口を利いてもらえるだけありがたいが、ここでもヤマグチ攻撃である。
私が唸っていると、突然岩根女流二段が現れたので、心の準備ができていなかった私は、ドギマギした。出産して、ホッソリした感じだ。そんな岩根女流二段は、藤森女流三段、I氏と親しそうに話す。感想戦などとは違い、早口でしゃべっていたのが意外だった。しかし、こぼれるような笑顔は変わらない。彼女の「6位」は低すぎたと反省する。
私のことはさすがに覚えていないようだった。でも、それでいいと思う。それにしても岩根女流二段は、この五番勝負の挑戦者であった。せめてパーティーでは、もう少しスポットが当たってもよかったのではないか。
午後8時、パーティー終了。
中倉女流二段に目礼し、出入口で記念品をいただき、レストランを出る。しかし私はアマノジャクなので、すぐ前にあるエレベーターには乗らない。東側のエレベーターを使うべく、長い廊下を歩く。
と、前方に岩根忍女流二段のうしろ姿があった。その数分前まで、すぐ近くで彼女を拝見していたのだ。あの服装は、彼女だろう。気のせいかもしれないが、さびしそうな背中だった。
その時間、矢内女王は、まだ関係者に囲まれて、喜びに浸っていたはずである。ここに勝者と敗者の違いがある。勝負事は、いくら内容がよくても、勝たなければ意味がないのだ。
岩根忍、勝て! 勝ち続ければ、また私は懸賞金スポンサーになることを、ここに約束する。
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私は誰に似ているか

2009-09-16 00:35:56 | 似ている
以前、私の棋風は女流棋士のどなたに似ているか、を書いたことがあったが、今回は私の顔が誰に似ているかを書いてみる。
高校生のときは、文化祭で交流のあった某女子校将棋部の女子から、俳優の金田賢一に似ている、と言われた。金田賢一は、元プロ野球選手・監督の金田正一(日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」中のCMに登場している)の息子である。日本が誇る名作ドラマ「太陽にほえろ!」のデューク刑事役として活躍した。
話を戻すが、次にその彼女に会ったとき、「金田賢一です」と言ったら、バカウケした。なにがそんなに可笑しかったのだろう。
後年、似ていると言われたのは俳優の奥田瑛二である。誤解を恐れずにいえば、奥田瑛二は「エロまじめ」というイメージがある。その点、私と似ていると言えば似ている。奥田瑛二は絵もうまく、映画監督もこなし、才能豊かな役者だと思う。20年前に放映された、ジョージ秋山原作「くどき屋ジョー」で主役を務めたのが記憶に残っている。ちなみに奥田瑛二と私は誕生日が同じである。
さて将棋棋士だと、福崎文吾九段に似ているとオヤジに言われたことがある。だいぶ昔の「近代将棋」に、若き日の福崎九段が坊ちゃん刈りで対局している姿が掲載されたことがあり、その横顔が私にそっくりに見えたらしい。もちろん私も見たが、たしかによく似ていた。
現在では、私自身、最も似ていると思うのが増田裕司六段である。ちょっとタレていながらキリッとしている目、少しダンゴ気味の鼻、ややぽってりしているアゴ、どのパーツも私そっくりである。そこに度の強いメガネをかければ、私が出来上がる。
増田六段は、13日のNHK杯トーナメント戦で堀口一史座七段と対局していたが、私が指しているのかと思った。先入観なしで見ても、やっぱり似ていると思った。
そんな増田六段は、前期の順位戦C級2組で降級点を取ってしまった。今期はなんとしてでも巻き返してもらいたい。
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