旅の楽しみの一つはマッサージ、いつも首肩がこりっぱなしの私はマッサージが大好き、温泉宿、シティホテルそしてマッサージ師の人と会話するのも楽しい
勿論今回の新潟出張でもお頼みしたわけで、やってきたのは70歳くらいのほぼ全盲の女性
部屋に来たのでテレビを消した、そしたら「消してもらってありがとうございます」と言ってから逆に「どうしてテレビを消しましたか?」と問うではないか
考えてみれば意識を集中したいからだ、体の痛みがどのくらい深いのか、あるいは首を押されたとき痛みはそこだけで無く、目、肩、腕、尻まで伸びてくる、これふぁ系脈なんだろうがテレビをつけていれば揉む方も揉まれる方も気が集中できない。
第一テレビをつけていたからって見るわけにも行かず、音を聞くだけそれじゃラジオと変わらない
やはりマッサージ師さんも同じ考え方だったようだ、今度は「私は目が見えないから楽しみはあまり無いんだけど紅白歌合戦が大好きなんですよ...紅白の何が楽しいかわかります?」とまた質問だ、勿論わかるわけが無い
「紅白が始まって司会は誰々って言うでしょ、その時テレビを消すんですよ」「はあ...?」
「そしてお茶をね、飲むの、ゆっくり何杯も」「はあ...」
「いつもひっきりなしに走っている自動車の音も、飲んで大声をあげて歩いている人たちも紅白が始まると、この日だけは通りがし~んとして静かになる、それがいいのよ私の一番の楽しみ」
なるほどそうですね、目が不自由だと健常者より遙かに音を感じるだろうし、聞きたくない音も耳に入るんでしょうね、そんな中で地方都市の騒音がぴたりとやむ四時間は本当に貴重な安らぎなのかもしれませんね。
最近はホテルにも健康な女性整体師やマッサージ師などが入るようになって、さっぱり声がかからなくなったと嘆いてもいましたが、それは趣味の問題でやはりこりしょうの自分には本格的なマッサージは欠かせません