こんにちは、自由民主党新政会幹事長の石井伸之です。4日から6日の日程で、自由民主党新政会会派では、阿蘇市と熊本市の行政視察へ行って来ました。
初日は午前8時15分羽田発の飛行機だった関係で、矢川駅に午前6時集合というスケジュールから始まり、矢川駅のホームには既に墨出し(建築用語で設置する場所を決める為に、墨で線を引くことを言います)がされており、エレベーターやエスカレーターが設置される場所が分かりました。
多少フライトが遅れながらも、無事に熊本空港へ到着すると意外と寒く、東京とそんなに変わらないように感じです。レンタカーで阿蘇市へ行くのですが、さすがに渋滞などは無く、二時間も早く現地へ到着したことから阿蘇山へ向かいました。
阿蘇山というのは、火口の直ぐ近くまで車で入れるように整備されており、大きく口を開けて水蒸気を濛々と吐き出している火口を除くと、少し濁ったエメラルド色をした水が池のようになっており、火山独特である硫黄の匂いが微妙に感じます。
有毒ガスを測定する機械が設置されており、本日は風が強いので最も少ない青色ということでしたが、赤色が表示されると上がれないようです。それにしても、平日の昼間という割には多くの観光客が訪れており、阿蘇山が貴重な観光資源になっていることは間違いありません。
それから、阿蘇市に入ると視察の目的が廃校になった学校施設の活用ということから、教育長自らが挨拶をしてただき、事務方より詳しい説明をいただきました。
阿蘇市というのは、平成17年に阿蘇町・一ノ宮町・波野村の2町1村が合併したことにより誕生した人口3万人弱の市です。当然のことですが、合併により小中学校の統廃合というのが喫緊の課題となり、耐震補強の必要性を考えてどの学校を残すのか、という難しい問題に取り組んだと言われました。
どうしても小さな学校というのは、一学年一クラスが当たり前でそのクラスも10数人という寂しさでは先生の配置も限られ、子供たちへ専門ではない先生が教えなければならないということから、通学距離が長くなっても子供たちの為に統廃合を進めるべきであるということを、教育長自らが保護者や住民の方々へ説明に歩いたそうです。
小さなクラス程、先生の目が届いて良い授業ができるという考えを持つ方もいると思いますが、すると専門の先生が配置されないという難しさがあるというのは、過疎地域共有の悩みではないでしょうか?
それから、我々は旧波野村にあった旧小池野(しょうちの)小学校が廃校となり、その建物を利用した「やすらぎ交流館」という施設を見学しました。
阿蘇市役所でも標高500mというところをさらに200m上ったところにある当施設は、2階建ての鉄筋コンクリート校舎に増築した、食堂と体育館を設け、さらに校庭ではバーベキューもできるようになっており、林間学校や部活の合宿にはもってこいの建物です。
運営形態としては、阿蘇市が道の駅などを運営している有限会社「神楽苑」に管理運営委託をしています。ちなみに使用料は大人で一泊3,675円、小学生は2,625円夕食1,050円となっており、詳しくは「やすらぎ交流館」のサイトをご覧下さい。
驚いたのは、施設を運営する責任者は33歳の方で、静岡県出身にも関わらず地元に根付いて、地域の方々に協力をしていただき、バーベキュー等の手伝いをしていただいているそうです。
学校内を見学していると、あちこちに旧小池野小学校時代の写真や歴史が展示されており、廃校になったからと言っても地域の方々が通った思い出を保存している点も特筆に値すると感じました。
もしも、将来的に国立市でも少子化が進み、学校を統合しなければならない時期が来た際には、地域住民の思いを保存することを忘れてはならないと思います。