アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



今晩は。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

まずお詫びです。
私は、「おはようございます」と書きながら、前日には文章を完成させ、朝たいてい6時代に掲載します。ところが、6日朝の原稿を5日の夜の10時過ぎの投稿時間でアップしてしまいました。
そのため、6日の記事の記録がなくなるのがイヤなので、7日朝の文章を今から掲載します。

私の好きな言葉の3回目です。
今までの2回が日本語・英語の対訳できていますので、このノリで行きます。

ネタは、『音読したい英語名言300選(CD付)』(田中安行監修/英語名言研究会編著、中経出版)からです。



この本は、古今の欧米の名言300を英語と日本語の対訳で、しかもCD付きで収録したものです。
名言を英語でも学べるメリットがあります。


その中からフランスの文学者・哲学者のフランソワ=マリー・A・ヴォルテール(1694-1778)の言葉。

君の意見には賛成しないが、君のそう発言する権利は死んでも擁護しよう。

I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it.

 

私がこの言葉を好きな理由は、大学生の頃影響を受けた河合栄治郎(1891-1944、『学生に与う』などの著者)の生きかたと重なるからです。

経済学者、自由主義思想家の河合栄治郎(東京大学教授)は、経済学部の中でマルクス主義者と相対峙し、論陣を張りますが、軍国主義の色合いが濃くなる中マルクス主義者が次々と大学を追われるとき、彼らを命がけで擁護し、ファシズム批判を強め、その著書をものにします。
そのためやがて彼自身が大学を追われます(1939年)。

翌年、2月末から3月中旬にかけて20日間、箱根の山中にこもって、毎日17時間をかけて『学生に与う』を執筆しました。



思想的に対極にあるマルクス主義者が大学を追われそうになるのを擁護する河合こそが「君の意見には賛成しないが、君のそう発言する権利は死んでも擁護しよう」の態度そのものであったように思われます。

今では、河合のように論陣を張り、骨のある学者(政治家は言うまでもなく)は、極めて少ない。



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