アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

今朝もウルフの『どうすれば幸福になれるか』の下巻をもとにして、第11章「協力のパターン―愛と結婚」から「幸福な結婚の条件」を考えてみましょう。

「結婚は課題であり契約である。ただし、それを解決したり充足したりするには、長い間まじめに準備することが必要である」、さらに「結婚する前に相手をよく知ろうと努力しなさい。だが、いったん結婚したら、あるがままの相手を受け入れ、あるがままの相手を最大限に生かしなさい」と説くウルフは、

「幸福な愛情関係にある夫婦は、2人ともが客観的な自尊心と明確な社会的感情を持っていなくてはならない。相手を犠牲にして名声を追い求めるという神経症的な行動が一切ないことも必要である」

として、幸福な結婚の基本的な前提条件のいくつかを次のようにしましています。

1.精神的に成熟していること
2.身体が健康であること
3.視野が心理的に自立していること
4.愛する技術を熟知し、避妊法を心得ていること
5.成熟した社会的責任を持っていること
6.現実に譲歩する意志があること
7.ロマンチックな理想主義に向かいがちな傾向をはじめとする神経症の資質がないこと
8.人間としての興味の範囲が幅広く、偏っていないこと
9.成長し、協力し、時には悩み、人生の失望や喜びをいつも分かち合いたいという意欲を持っていること

これらは、日常生活のなかの愛の問題をうまく解決するための基本である。相手を勇気づけようとする意欲と、相手の立場に立って考える能力があれば、通常の障害は乗り越えることができる。


逆に、ウルフは、、結婚における避けられる不幸のほとんどは、次の3つの原因による、と確信しています。

1.人間の生理と愛の技術について無知であること
2.夫婦の間で名声を競っていること
3.相手を選び、共に暮らすという問題に取り組む際に幼稚なロマンチシズムを持っていること

こうしてウルフの結婚論を読み解いてみると、結婚は、対人関係の中で最も協力が要求される営みで、愛の技術を持ち、自己受容している自立した個人が、相手への共感をもとに、お互いに勇気づけ合う関係のなかで成り立つとまとめることができるようです。



コメント ( 1 ) | Trackback ( )