アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(12月27日)は、9:30~18:15にヒューマン・ギルドで SMILEリーダー養成講座 の2日目を行っていました。

     

  

だんだんとリーダーの力量がアップしていくことが目の当たりにできました。

講座が終わってからは11人で「加留亜」で懇親会をしました。

さて、「医療刑務所での命の尊厳」の3回目、窃盗事件を起し、刑務所に入ったS君の話です。

S君のお母さんからその次に電話が入ったのは、前回の電話から1年以上経ってからでしょうか。

S君は「刑務所の中で首つり自殺を図り、八王子医療刑務所にいるのだが、脱走の恐れもないので、一般の病院に移したい。ついては、どこかの病院を紹介してほしい」とのことでした。

私は、精神科医のK先生にお力添えいただき、都下の病院を紹介しました。

S君のお母さんからの3回目のお電話は、それから3カ月ほどしてからでした。
S君が息を引き取ったとのこと。

私は、S君を見舞えなかったことを悔やみました。
お母さんの話では、ほとんど会話ができなかった状態でもS君は「岩井先生」と言っていたとのことでした。

私は、S君のお通夜に行きました。
化粧の濃い女性たちがたくさんいることが目立ちました。
ハンサムなS君は、女性に人気があったのです。

S君の49日が済んだ頃、S君のお母さんから分厚い手紙が届きました。
S君の最後を医療刑務所でなく一般の病院で迎えられたことについての私の尽力と、S君に分け隔てなく接した私の態度に感謝するとともに、「ただ生きていてほしかった」と結んだ最後の言葉に、どうにもやるせない思いを抱いたのでした。

12月7日の読売新聞の「顔」欄で知った、「最期は皆、人間らしく」という強い信念に支えられ、受刑者と向き合い続ける八王子医療刑務所長の大橋秀夫さんの記事をもとにふと思い出した話でした。

受刑者であっても、命の尊厳の重さに違いはないのです。

年の瀬の朝、S君を忍んで仏壇に線香を立てます。

<お目休めコーナー> 12月の花(22)

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