アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(6月1日)の午後は、8月1日(土)13:00~16:00に岡山で開くはずだった「自分創め スタート!」の3時間ワークショプ(オンラインをメインに変更)の打ち合わせをZoomで行いました。

 岩井俊憲   渡辺歩実さん   山田響子さん
武田真由子さん 目次 心さん  有馬久美子さん
       上野みゆきさん

岡山側の渡辺さん、山田さん、武田さん、有馬さんに加えてヒューマン・ギルドの目次さん、8月3日(月)~5日(水)に九州(長崎、宮崎)で講演イベントを行う際の主催者側の上野さんもご一緒させていただきました。

岡山でも九州でも会場+オンラインの方式で行うことにチャレンジします。

8月1日(土)、3日(月)、4日(火)、5日(水)と4回講演/研修を行うのですが、みんなタイトルが違うので、私としては大変ですがやりがいがあります。

詳しくはヒューマン・ギルドの7月号のニュースレターでお知らせします。

さて、「7日間ブックカバーチャレンジ」をまだフェイスブックで書いている人がいます。

私の本をご紹介くださる人が何人もいて、私としてはとてもうれしい気持ちになっています。

私がもし「7日間ブックカバーチャレンジ」をやるとしたら、№1ブックとして初日か最終日に取り上げるのは、間違いなく『どうすれば幸福になれるか 上・下』(W.B.ウルフ著、一光社、ただし絶版)になることでしょう。

大学生の頃手にしたこの本の前身の『どうしたら幸福になれるか 上・下』(周郷 博、岩波新書)を含めて、私はかれこれ20回近く読んでいるはずです。

一光社版は、何としてもこの世に出したいと監訳のかたちで出したのですが、今は中古でしか手に入ら内容です。

昨日のブログで紹介の京都大学学長の山極壽一氏と近いことをウルフはより詳細にこんなふうに書いています。

やや長くなりますが、一光社版の第4章から転載します。

人類となる前の、ある類人猿が生まれた際、その足が退化していたために木登りができず、やむを得ず樹上生活を断念したとき、人類の歴史が始まった。
(サルの視点から見れば)この大きな劣等性のため、類人猿は平野に降りざるを得なかった。
しかし、足が退化したために直立せざるをえなくなり、その結果、手を自由に使えるようになった。
すぐに親指が発達して、他の指と向き合わせにできるようになり、脳はついにその隠れていた資質を発達させ、現在のような人間が誕生した。
人類という名を受けるにふさわしい、このような最初の類人猿は、自身の弱点や不安全さを認識することができた。
彼らは力を合わせて相互に助け合い、身を守ったのである。
ここに会話、思考、書くこと、社会の必要性が生まれた。

現在の文明という花は力の弱い原始人の祖先が原生林の中で感じた不安感を補償した結果、開いたのである。
この文明を検証してみると、我々の誇りとする偉業は、原始人の劣等感に端を発しているに違いない。
目の良い動物は顕微鏡や望遠鏡を必要としない。
強い筋肉を持ったゴリラは梃子(てこ)・車輪・斧・鋤・ナイフ・パワーショベル・機関車・電動クレーンを発明しない! 耳の発達した森の生活者は電話、楽器、ラジオを必要としないで生きている。
トラやライオンなどの肉食動物は消化器官が発達していて、獲物を料理する必要はない。
毛皮を身につけた動物は衣服無しでも快適に生活できる。
人間は生き物の中で最も弱く、身を守る備えも最も貧弱である。
親に依存する期間も他の動物の中で最も長い。
したがって、何らかの共同生活で身を守る必要性も高くなる。
そして、アリのように社会生活を営む一部の昆虫を除くと(これらの昆虫の問題は適応領域が限られているため、著しく単純化されているが)人間の文明社会は自然界で最も複雑で効果的な補償作用である。


コロナ禍によって高度の文明を築き上げたはずの人間が種の中でもっともひどい厄災に見舞われています。

コロナ禍の環境に囲まれウルフの「人間は生き物の中で最も弱く、身を守る備えも最も貧弱である」ことに近い感覚を味わったのではないでしょうか?

ある種の動物がコロナ禍によって絶滅の危機に瀕しているという話は聞いたことがありません。

しかし、人間には叡知があります。
コロナ禍を克服するためには、山極氏の言葉を借りると、信頼に基づく共感力という人間らしさを取り戻し、「地球という惑星」の中で協力をし合わなければならないのです。

ウルフは前半で人間であることの劣等性・劣等感が源泉になり、そのことが補償作用として社会を生み出したことを書いていますが、私たちはこの時期こそ、人間だから強く意識する劣等感というものに向き合い、それを建設的に生かすことが求められているように思えてなりません。

最後に、『どうすれば幸福になれるか 上』(W.B.ウルフ著)第3章の最後のまとめから「自分自身を勇気づける言葉」になりうる「良い人生のための金言」を転載しておきます。

1.あなたが劣等感を持っているとしたら、あなたには良い仲間がいるのだ。自らの力量不足を感じている人はあなた一人ではない。誰でも感じている。

2.あなたの劣等感の源が何であれ、人間の歴史を丹念に振り返ってみれば、劣等感を招くはずのものを逆に名声や幸福を手に入れる基盤とした人がいることに気づくだろう。

3.自らの劣等感を恐れず検証し、それについて積極的に何らかの手を打つことに怠慢すぎなければ、ずっと劣等感を持ち続けるのは困難だ。

4.劣等感をそのままずっと抱えているとすれば、戦わずして負けているようなものだ。目を開いて、腕まくりせよ。戦線に出向くのに決して遅すぎることはない。

5.あなたの恐れているようなことは99%起こらない。くよくよ思い悩んだことが功を奏して、橋を作ったり、本を書いたり、戦いに勝った人は誰一人いない。残りの1%は計り知れない技の成せる業である。予測できないことを思い煩うのは無益である。

6. ありとあらゆる百科全書で紐解く絶望よりも、ほんの少々の1オンスほどの建設的な楽観主義のほうが価値を有する。深い悲しみに沈み、良心の呵責や自責の念に駆られ、罪を告白し、絶望的な劣等感に嘆き悲しむのは、すべての臆病者の殊勝げな言い訳に過ぎない。

7.幸福に到達できるか《のように》行動せよ。勇敢に戦えば、良い人生は手の届くところにある。スポーツの勝負のようにチャンスを掴もう。勝負をあきらめない限り、打ち負かされることはない。

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