○古書会館 平成23年度 東京古典会創立100周年記念『古典籍展観大入札会』一般公開(プレビュー)(2011年11月11日、12日)
先だって、東京古典会の「和本シンポジウム」という貴重書展を見に行って、このイベントの存在を知った。13、14日の入札会は古書店業者しか参加できないが、その前の2日間は、誰でも参加できる「一般公開(プレビュー)」だという。「出品目録一覧」に上がっている資料が、あまりにもすごいので(図書館の貴重書庫、あるいは美術館でガラス越しに拝むしか縁のないようなもの多数)、本当?と疑心暗鬼で行ってみたら、本当だった。
来場者は、1階のクロークで、コートや大きなバッグを預ける。貴重品は、貸してもらった透明のビニールバッグに入れて携帯する。会場内で使っていいのは鉛筆のみ。あと、ハンカチもあったほうがよい。準備はこれだけ。来客名簿の記帳もなく、入場無料である。プロの皆さんは、約2,000点の出品資料が掲載された、ぶあついカタログを購入して会場に向かうが、ひやかし目的の素人客は身軽である。そうは言っても、学芸員や研究職の方が多い雰囲気だった。
会場は2~4階と地下1階。上から攻めていこうと思い、4階に上がる。150平米くらい(?)のホールの壁には、さまざまな軸物が掛けられ、4~5列に設けられた大きな平台には、巻子・冊子・摺りもの・秩入り・秩なしなど、各種形態の古典籍が、互いにぶつからない程度の距離で、雑然と並ぶ(近づいてみると、いちおう、地誌類とか医学本草類とか、主題で分類されていることが分かる)。そして、カタログ番号と書名等を記した封筒(入札で使うのだろう)が、無造作に添えられている。
まず、壁の軸物から見ていこうと思ったら「○○切」と呼ばれる古筆や古写経の断簡、歴史上の著名人の書状などが目の当たりに下がっていて、たじろぐ。手を出して、ぺろっと撫ぜてみても、あまり怒られそうな感じがない(やらないけど…)。東京美術倶楽部の「東美アートフェア」に初めて行ったときも驚いたが、古書店主の書籍の扱いは、骨董店主が美術品を扱うより、もっと野放図な感じがする。いや、お客さんを信頼しているという意味で、うれしいのだけど…。
もの慣れたお客さんは、興味のある商品があると、勝手に秩を外し、書籍を取り出して、中味を確かめている。私も二、三、手に取ってみたけれど、巻子本は駄目だ。きれいに巻き戻す自信がなくて諦めた。少し貴重なものはガラスの陳列ケースに入っているが、会場内の係員に声をかければ、すぐに取り出して、見せて(触らせて)くれる。しかし、熟練と自信がないと、スマートに振舞えないので、今回は指をくわえて眺めていた。引き札の貼り交ぜ帖や中国の古写真帖、絵葉書集、煙草カード集などもあって、面白かった。珍しいところでは、春日版の版木も。やっぱり、テーマを決めて、蒐集を始めると面白いんだろうなあ。ビジュアルが楽しめる地図・地誌類なんかいいかもしれない。
少し前にニュースになっていた「お市の方の手紙」(カタログNo.2192)も、地下1階の会場で見た。特に変わった扱いもされていなかったので、気づかず、通り過ぎてしまうところだった。
それにしても、前述のWeb版「出品目録一覧」は労作である。出品資料が(たぶん)網羅されていて、ほとんどに画像が付いている。すごい! 願わくは書誌項目の文字列検索ができると、もっとありがたいと思う。
先だって、東京古典会の「和本シンポジウム」という貴重書展を見に行って、このイベントの存在を知った。13、14日の入札会は古書店業者しか参加できないが、その前の2日間は、誰でも参加できる「一般公開(プレビュー)」だという。「出品目録一覧」に上がっている資料が、あまりにもすごいので(図書館の貴重書庫、あるいは美術館でガラス越しに拝むしか縁のないようなもの多数)、本当?と疑心暗鬼で行ってみたら、本当だった。
来場者は、1階のクロークで、コートや大きなバッグを預ける。貴重品は、貸してもらった透明のビニールバッグに入れて携帯する。会場内で使っていいのは鉛筆のみ。あと、ハンカチもあったほうがよい。準備はこれだけ。来客名簿の記帳もなく、入場無料である。プロの皆さんは、約2,000点の出品資料が掲載された、ぶあついカタログを購入して会場に向かうが、ひやかし目的の素人客は身軽である。そうは言っても、学芸員や研究職の方が多い雰囲気だった。
会場は2~4階と地下1階。上から攻めていこうと思い、4階に上がる。150平米くらい(?)のホールの壁には、さまざまな軸物が掛けられ、4~5列に設けられた大きな平台には、巻子・冊子・摺りもの・秩入り・秩なしなど、各種形態の古典籍が、互いにぶつからない程度の距離で、雑然と並ぶ(近づいてみると、いちおう、地誌類とか医学本草類とか、主題で分類されていることが分かる)。そして、カタログ番号と書名等を記した封筒(入札で使うのだろう)が、無造作に添えられている。
まず、壁の軸物から見ていこうと思ったら「○○切」と呼ばれる古筆や古写経の断簡、歴史上の著名人の書状などが目の当たりに下がっていて、たじろぐ。手を出して、ぺろっと撫ぜてみても、あまり怒られそうな感じがない(やらないけど…)。東京美術倶楽部の「東美アートフェア」に初めて行ったときも驚いたが、古書店主の書籍の扱いは、骨董店主が美術品を扱うより、もっと野放図な感じがする。いや、お客さんを信頼しているという意味で、うれしいのだけど…。
もの慣れたお客さんは、興味のある商品があると、勝手に秩を外し、書籍を取り出して、中味を確かめている。私も二、三、手に取ってみたけれど、巻子本は駄目だ。きれいに巻き戻す自信がなくて諦めた。少し貴重なものはガラスの陳列ケースに入っているが、会場内の係員に声をかければ、すぐに取り出して、見せて(触らせて)くれる。しかし、熟練と自信がないと、スマートに振舞えないので、今回は指をくわえて眺めていた。引き札の貼り交ぜ帖や中国の古写真帖、絵葉書集、煙草カード集などもあって、面白かった。珍しいところでは、春日版の版木も。やっぱり、テーマを決めて、蒐集を始めると面白いんだろうなあ。ビジュアルが楽しめる地図・地誌類なんかいいかもしれない。
少し前にニュースになっていた「お市の方の手紙」(カタログNo.2192)も、地下1階の会場で見た。特に変わった扱いもされていなかったので、気づかず、通り過ぎてしまうところだった。
それにしても、前述のWeb版「出品目録一覧」は労作である。出品資料が(たぶん)網羅されていて、ほとんどに画像が付いている。すごい! 願わくは書誌項目の文字列検索ができると、もっとありがたいと思う。