付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ザ・学園超女隊」 団龍彦

2016-04-20 | 超能力・超人・サイボーグ
「乙女にSFはにあわない」

 須藤由美は山城学園に入学したばかりの高校1年生。実は彼女は予知能力・念動力・空中浮遊・瞬間移動の4つの力を持つエスパーだ。
 そんな力を隠し持つ彼女は、超能力研究会に興味を持つが、部長の皇麗二の披露する「本当の超能力」に疑問を抱いた。あれはホンモノの超能力なのか、それをどうしてみんなが信じて研究会の会員が急速に増えているのか。
 由美は友人の舞とケイと協力して調べていくが、実は舞とケイも超能力者だった……。

 インチキ超能力を売り物にした宗教団体が世界支配を企む……という、オウム真理教を先取りした作品。こちらはもっとずっと軽く展開しますが、いかにも昭和のジュブナイルといった雰囲気です。
 コバルト文庫がまだ「集英社文庫コバルトシリーズ」だった頃の1冊。全部で8冊ほどシリーズが続き、80年代のジュブナイルからライトノベルへの変遷を語る上で、年表には挙がるけれど作品として語られない……くらいの微妙な位置づけです。
 団龍彦はダイナミックプロで永井豪のアニメ作品の設定などを担当していた人で、『ゴッドマジンガー』のノベライズから作家になった人。80年代のコバルト文庫というところは、なぜか『小説ハレンチ学園』を出していたり、ダイナミックプロとのご縁もあるレーベルでした。

【ザ・学園超女隊】【団龍彦】【田中誠治】【集英社】【コバルトシリーズ】【エスパー少女】【超人類】【タイムリープ】【ラベンダーの香り】【猿】
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「EDGE OF SPIDER-VERSE」 MARVEL

2016-04-13 | 超能力・超人・サイボーグ
 日本でも有名なアメリカン・コミックのヒーローの1人、スパイダーマンは実はいろいろなバージョンがあって、最近はそのすべてのスパイダーマンが集結する『スパイダーバース』が展開中。並行世界だかなんだか、とにかくすべての世界のスパイダーマンが集結して、共通の敵と戦う展開。昨年は遂に東映版スパイダーマン(+レオパルドン)の登場で日本でも話題となりました。
 なんというか、戦隊ヒーローVSシリーズ、仮面ライダー大集合みたいな話ですが、あれもこれもあいつもそれもスパイダーマン。
 この「EDGE OF SPIDER-VERSE」は、そんなシリーズのさわりやらなにやら5編を集めたもの。
 「SPIDER-WOMAN」は、本来の主人公ピーター・パーカーの恋人だったグウェン・ステイシーがスパイダーマン、スパイダーグウェンとして戦う物語。
 「SP//DR」は、父の遺志を継いでスパイダーマン型パワードスーツに乗って戦う14歳の少女の物語で、そこからブタ型スパイダーマンやらなにやらと合流してスパイダーマン大戦に加わるまでの物語。あとは怪奇クモ男編やらサイバーパンクとかで、すぐに怪人モーランが乱入してきますがとにかく、いろんなスパイダーマンが登場する1冊。
 なんか女性がぞろぞろ増えていて、なかなかにぎやかですが、こういうアメコミ沼は広くて深いので深入りせず、ちょろちょろとつまみ食いするにとどめてます。なので手にしたアメコミはさほど多くなく、しかもすぐに手放すので、今思うともったいないことしきり。最初に手にしたのは、スターウォーズのエピソード4の公開前のB4大判コミック。たしか映画の前半までのものだったはずで、アメリカ土産。あれはかさばって書棚に入らなかったから、人に譲ったはずなんだよね。

【EDGE OF SPIDER-VERSE】【THE AMAZING SPIDER-MAN】【MARVEL】【SPIDER-MAN NOIR】【SPIDER-WOMAN】【THE SPIDER-MAN】【I WALKED WITH A SPIDER!】【SP//DR】【STAN LEE&STEVE DITKO】【デアデビル】
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「プリント・ブレイン」 芝村裕吏

2016-03-20 | 超能力・超人・サイボーグ
「人生のヒントを教えてあげる。なりたい大人にはなれないものよ。たいていは自分が嫌いな大人になっていることに気づいて、ある日愕然とするの」
 桜木このかはそう楠正親に告げ、失敗に備えておくのも手だと語った。

 事故で植物状態になった正親は、瞬きひとつできないまま病院のベッドの上で何年も過ごし、気がつけば19歳。生きるのにも飽きた少年の心に、ある日接触してくるものがあった。医療実験として接続された自意識を持つ生命維持装置・全規模試作機(プリント・ブレイン)だ。
 正親によって「ぶんた」と名付けられたプリント・ブレインは、自分がロボットかアンドロイドなのかと訊かれると、「当方はほぼ人間である」と怒る。とはいえ実態は、布地に特殊印刷された人工知能。ぶんたは自分を作り出し、正親と接続したものを「敵」と呼び、自分と自分をコピーした同類を滅ぼすのに協力して欲しいと言い出した……。

 『ど根性ガエル』『カエアンの聖衣』『キルラキル』 に続く「服に着られる」物語の系譜で、かなりサイバーパンク。多少、『ピーナッツ』のライナスの毛布っぽいところはあります。
 なにかあるとすぐに「攻撃を受けている!」と騒ぎ出すぶんた。箱娘に続いてプリント・ブレイン。人の形をしていないヒロインをかわいく描くのが巧いなあと思いました。

【プリント・ブレイン】【芝村裕吏】【bob】【アスキーメディアワークス】【近未来エンターテイメントノベル】【監禁飼育】【植物状態】【壬生谷】
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「スター・レッド」 萩尾望都

2015-05-24 | 超能力・超人・サイボーグ
「信条が異なれば道も異なるわ。だから、理解があり戦いがあるのよ」
 情報局所属の公認ESP、アン・ジュールは人によって「正しい考え方」というのが変わるのも当然だとセイ・ペンタ・テュパールに告げる。

 レッド・星(セイ)と呼ばれている上区を仕切る不良グループのリーダーの正体は、古き良き伝統を今に再現するお嬢様学校、聖フェミニン女学校に通う黒髪の美少女、徳永星である。
 だが彼女には保護者であるパパ・シュウしか知らない秘密があった。セイは地球には存在しないはずの第5世代(ペンタ)の火星人だったのだ……。

 犯罪者の流刑地であり、恒星間戦争のあおりで一度はロスト・コロニーとなってしまった火星に生き残っていたのは、世代を重ねることで超能力を身につけて過酷な環境に適応してきた白い髪に赤い目だった……という設定で始まるSFコミック。地球人と火星人、超能力者と能力を持たない者、人類と銀河系文明とさまざまな対比が行われ、対立が生じ、誰にもコントロールできない(しかし自分たちならできると信じている)未来へと物語は流れていきます。
 まともなSFマンガを読みたければ「まず少女マンガ!」というのが常識みたいだった1970年代末期の作品で、掲載誌は「週刊少女コミック」。この「スター・レッド」は自分の周りでは日本SFの神髄みたいな扱い。モノ・ジ・トリ・テトラ・ペンタといったギリシャ数字の数え方は科学で学ぶより先にこれで憶えました。
 それ以外の人の評価はどうかと思えば1980年に第11回星雲賞コミック部門を受賞していますから、その時代のベストと考えても良いのでしょう。
 21世紀になってリメイクされた『宇宙戦艦ヤマト2199』においても、火星出身者という設定のパイロット・山本玲が白い髪に赤い目というのも、その名残ではないでしょうか。
 日本SFにおいて「火星人」というものはタコ型ではなく、白い髪に赤い目というのがお約束になったのです。るーるー。

【スター・レッド】【萩尾望都】【フラワーコミックス】【小学館文庫】【地球人としての野蛮なプライド】【海底都市】【キンメリア】【銀河文明】【性転換】【火星の礼儀】
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「三千世界の鴉を殺し(18)」 津守時生

2015-01-17 | 超能力・超人・サイボーグ
「やせ我慢は男の美学だけど自己満足とも言うよな」
 ルシファードは冷静に指摘した。

 限界まで能力を駆使したまま冬眠状態に入っていたルシファが覚醒したが、そこに現れたのは彼本人ではなく、先ラフェール人の精神体だった……。

 ライラのキック一発で轟沈。

 バーミリオン星を舞台にした陰謀劇は収束することなく、さらなる段階へと突入していきますが、とりあえずマルチェロ憲兵隊長の恋の行方の方は落ち着いてきたかのようです。
 そしてレストランでみんなで会食、襲撃騒ぎ付き。

【三千世界の鴉を殺し】【津守時生】【麻々原絵里依】【ウイングス文庫】【ESP治療】【冬眠】【分子分解】
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「ベイマックス」 ディズニー映画

2014-12-29 | 超能力・超人・サイボーグ
「泣きたい時は、泣いてもいいんですよ」
 大切な兄を事故で亡くし、ヒロが生きる意味を見失った時、ベイマックスはやってきた。それは兄によって作られた、人を傷つけることを禁じられたロボット。

 核兵器を放棄した日本は、その代わりに超能力部隊を配備した……というマーベルの原作「Big Hero 6」の設定にディズニーが大幅に手を入れ、舞台を日本から東京とサンフランシスコを足して割らない街、サンフランソウキョウに移して、孤独な天才少年ヒロとその兄タダシが遺したロボットとの絆、兄弟と彼らを取り巻くGEEK仲間たちの友情を描いた物語。
 『イントゥ・ダークネス』のときも思ったけれど、配給会社って、なんでもかんでも「愛」「家族の絆」に話を落とし込まないと売り込めないものなのかねえ? 確かに物語は兄弟愛、親子愛、友情を軸にしてはいるけれど、これをハートウォームな友情物語っぽく宣伝するのは、トンカツ定食の付け合わせのミニサラダを大写しにして「ヘルシーでおしゃれな食事」と言い張るような無理を感じます。
 これ、ディズニー映画じゃなくて、マーベル映画だかんね?

 とりあえず、先日観てきた『ホビット』より好き。
 ネタバレにならない範囲で感想を書くなら、テンプレ通りの話だけれど、ディズニーのテンプレと日本のロボットアニメのテンプレの掛け合わせは凶悪、ただでさえ目つきの悪いゴーゴーの人相がさらに悪くなるカーチェイス最高、モノに動じない執事が好き、スパイダーマン2が観たい、エンドロールの後のアレは反則だがなんとなくグリーンゴブリンのオマージュっぽい、どう考えてもサンフランソウキョウの公用語は日本語なので観に行くなら日本語吹き替え。
 ちなみに同行した長男の感想は、「冒頭のアニキと教授の煽りっぷりがステキだ」でした。

(追記)朝イチで長男と観に行って、レイトショーの最終で妻と次男を連れて再度。朝は子供ばかりだったけれど、夜は20代女性が7割。大半がエンドロール途中で帰ってしまったけれど、最後まできちんと観なくちゃね。
 あの宣伝で、観た方が良い人が観に行かず、愉しめない人が観に行くことになっていたら残念。

【ベイマックス】【Big Hero 6】【愛犬とごちそう】【ディズニーMOVIE】【マーベル・コミック】【ドン・ホール】【クリス・ウィリアムズ】【ポール・ブリッグス】【菅野美穂】【小泉孝太郎】【川島得愛】【本城雄太郎】【風力発電】【こいのぼり】【こんにちは。私はベイマックス。あなたの健康を守ります。】【ジャイアントロボ】【Dr.オクトパス】【東京タワー】【奏京】
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「狼少女ラン」 柴田昌弘

2014-12-02 | 超能力・超人・サイボーグ
 1975年という年は今から四半世紀以上前、と表記するとすごく大昔という感じだけれど、個人的には「十年一昔だから二昔くらい?」という感覚。
 マンガの世界で1975年というと、少年誌では池上遼一が『男組』で大人気、石ノ森章太郎が『番長惑星』とか『秘密戦隊ゴレンジャー』、永井豪が『おいら女蛮』、赤塚不二夫が『天才バカボン』、山上たつひこが『がきデカ』を描いていた時代。

 少女誌でもいろいろ好きな作品があったのだけれど、別冊マーガレット誌では和田慎二が4~5月号に『超少女明日香』を掲載し、8月号には柴田昌弘が『紅い牙~狼少女ラン』を掲載していました。何があった、別冊マーガレット!?……ですね。
 少女が主人公のSFアクションで、少年マンガの泥臭さがないってのは凄いよね。男性作家ならではの緻密な背景やメカ描写やアクション、少女マンガならではの繊細なストーリーや恋愛描写。どちらもシリーズ化し、『明日香』はその後も現代に蘇った忍者集団や人工エスパーや宗教結社と戦い、『ラン』はサイボーグ少女や自衛隊の重戦車や超能力者と戦いながら、掲載誌を変えて延々と続くわけです。
 この2作品がなければ、マンガなんか小学校で卒業していたかもしれません。これらの作品から少女マンガにのめり込み、そのまま浅く広く使ったまま21世紀に至るわけです。

 でも、よく考えてみれば、「狼少女ラン」なんて、石ノ森ヒーロー作品の正統な後継者みたいなものなのでした。話の骨格だけを少女マンガ視点で抜き出してみれば「主人公の少女には出生の秘密があり、そのために愛する者とも結ばれず、関わった人々に不幸を呼びながらも、少しずつ信頼できる仲間たちと出会い、苦難に立ち向かっていく」と少女マンガの王道ストーリーですが、少年マンガ視点では「悪の秘密結社によって生み出された超人が組織と敵対して孤独な戦いを続ける」と、仮面ライダーとかサイボーグ009とも似ています。
 少女マンガと少年マンガそれぞれの黄金パターンに、人為的な交配による古代超人類の血の復活、脳改造されて高度な知性を持った犬、若者を対象に音楽メディアを介して行われる洗脳、エスパーサイボーグ、不死のゲシュペンスト、自律型戦闘機械タランチュラ、操作されるマスコミとあれこれ乗せて、本格的なSFアクションに仕立てられていたのでした。話のスケールは大きく、展開はシビアで、登場人物は容赦無しに死んでいきます……。
 事件の黒幕、秘密結社タロンも世界各国の軍需産業による複合体という、ほうらい会みたいな設定。それを追い暴こうとする者は次々に謀殺され、社会的に抹殺されていきますし、主人公らが事件を解決してもそれは全体のごく一部に過ぎず、計画そのものは静かに進行していくのです。

 番外編でこの狼少女ランと超少女明日香が競演する短編があって、それが見事なメイドものになっているものですから、これを以てメイド萌えの原点としたいのですが?
 個人的に好きなキャラは、その短躯へのコンプレックスからサイボーグ技術を完成させた「バイエルンの火星人」ことドクター・メレケス。どう考えても少女マンガ的には存在感の在りすぎる老人の、屈折した情熱と愛情は泣かせます。

 さて、同じく1975年に発表された少女マンガの一覧を見てみると、本当に今でも面白いと思えるようなタイトルが目に付きます。つまり読みたい作品を捜していたら、たまたま少女マンガばかりになってしまった、そしたらそれ以外の作品にまで免疫がついてしまった……というあたりかな。
 少女マンガ誌で男性作家が好き放題に描いていた時期。『狼少女ラン』『超少女明日香』以外にも弓月光が『ボクの初体験』を発表してます。今は青年誌で活躍している弓月光ですが、やっていることは変わっていません。新妻が脳死状態になったアドルフ・ヒトラーそっくりのマッドサイエンティストが、自殺して身体がボロボロになった青年の脳を移植したことから起きるドタバタ・コメディ。
 ゴシックホラーの名作が次々に出た時期。萩尾望都が吸血鬼テーマの連作『ポーの一族』を描き続け、和田慎二が『わが友フランケンシュタイン』という正統派のモンスター漫画やスリラーの『左の目の悪霊』を描いています。
 あとは……一条ゆかりの『こいきな奴ら』は双子のエスパーが活躍するアクション・コメディ、またまた萩尾望都のSFマンガの名作『11人いる!』、生半可な小説よりも難解で哲学的な三原順の『はみだしっ子』、後に新谷かおるマンガの女性キャラで馴染みの出てくる佐伯かよの、学園コメディが面白い河あきら、柴田昌弘と線が似ていて馴染みやすかった市川ジュン、SFファンならこれを読めと言われるようになる太刀掛秀子、O・ヘンリーみたいにちょっといい話が面白い文月今日子、……こういう作品で突破口ができると、あとはなし崩し。内田善美だろうが大和和紀だろうが、どんと来いっ!
 全般的に、面白いSFやアクションを読みたければ少女マンガ……という時期だったのかも。(2007/8/26 2014/12/02改稿)

【紅い牙 狼少女ラン】【柴田昌弘】【別冊マーガレット】【花とゆめ】【古代文明】【超能力】【サイボーグ】
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「ゼロから育てる電脳少女」 玩具堂

2014-11-30 | 超能力・超人・サイボーグ
「男なんて年が年中、身体の中心でアイを叫んでいるケダモノだって!」
 釘宮美遥はそう宣言した。

 VRMMOゲーム「CtG」内のイベントでたまたま一緒にクエストをクリアしたクランプとミーファの前に、「結婚」イベントのフラグが立った。
 相性が良い男女のキャラクター同士に発生するのだということで、ゲームだから、イベントはクリアしないととばかりに了承してしまう2人だが、そんな少年少女の前に2人の子供だというハルハが連れてこられる。
 AIにしてはやけにリアルな幼女の言動に、ついつい保護者意識をかき立てられてしまうのだが、ある日、クランプのプレイヤーである春日井遊の自宅に連れてこられたのは、ミーファのプレイヤーである美遥と、ハルハの実物だった……。

 ゲーム内で結婚したら子供ができました、ところがリアルでも妻子ができちゃいました……という少女育成ストーリーにしてゲーム攻略物語。話としては往きて帰りし物語、VRMMOゲーム世界の話だけれども、構造的には人工知能テーマといえるのかなあと思いました。
 「CtG」はファンタジーの世界とか西部劇の世界とかいろいろあって、どうやらキャラクターのコンバートは問題なく行き来できるようなので、次回はまた別の世界なのかなと思いつつ続きを待ちたいと思います。

【ゼロから育てる電脳少女】【CtG】【クレイドル・トゥー・ザ・クレイヴ】【玩具堂】【bun150】【スニーカー文庫】【少女育成】【家出少女】【新しい人類】
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「フェアリィフィールド3」 榊一郎

2014-09-20 | 超能力・超人・サイボーグ
「手料理は男のハートを鷲掴みする最善手」
 義妹アカネは負けない。

 タツキと《フェアリィ》たちに合宿のお誘いがかかった。スタープレイヤーにしてお嬢様の上沼コトコのお誘いで、南の島へ行こうというのだ。
 だが、その無人島は、かつてフェアリィと競作で局地戦用兵器としての正式採用を争っていた生物兵器が開発されていた島だったのだ……。

 ギリギリの水着回というけれど、これにてひとまずの完結。
 作られた道具である武装美少女、民生化された兵器であるフェアリィだって生きているし、生きるためには戦わなくていけない。他の生き物を殺すことだってあるかもしれない。あらたな知的生命体と人間との関係を問いかける糸口が始まるまでの物語。

【フェアリィフィールド3】【妖精触媒】【榊一郎】【BLADE】【朝日ノベルズ】【メカアクション×ラブコメ】【特殊性癖】【人工知能】【露天風呂】【美少女兵器バトルシリーズ】
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「絶対ナル孤独者(アイソレータ)1」 川原礫

2014-07-25 | 超能力・超人・サイボーグ
 2019年、宇宙の彼方から無数に降り注いできたソレ、〈サードアイ〉は人間に取り憑くとその記憶を鋳型にしてさまざまな特殊能力を与える。その多くは殺人衝動と共に。
 過去の事件のトラウマから、誰にも知られず覚えられずに生きていきたいと願っていた空木ミノルは、いつの間にかサードアイに取り憑かれており、絶対的な孤独を実現する力を与えられていた……。

 宇宙から飛来した何物かによって異能を与えられた少年が、やはり異能を持つ殺人者と戦う、石ノ森ヒーロー作品的な雰囲気の作品。でも、主人公ははっきりしなくてコミュニケーション能力に欠けていて、主人公を導くべき役目の先輩は先輩風を吹かせていても未熟で、川原礫らしいといえばその通り。話が進むうちに、少しはみんな成長して協調性とか広い視野とか持つようになるのかな。
 今のままだとショッカー怪人相手にATフィールド全開で体当たりしている碇シンジ……みたいな光景しか脳裏に浮かびません。ユミコの能力も昔からギャグネタにされてきたやつですよね。

【絶対ナル孤独者(アイソレータ)】【咀嚼者(The Biter)】【川原礫】【シメジ】【電撃文庫】【児童虐待】【陸上部】【餃子】
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「孤島の夜明け」 九条菜月 

2014-07-08 | 超能力・超人・サイボーグ
 グルア監獄のシリーズも、監獄の秘密も、国内の派閥抗争も、暗躍する謎の組織もきっちり処理して4巻完結です。
 古めのマンガ読み向けの比喩で言うなら『エロイカより愛をこめて』とその外伝『Z』のように、ドタバタタッチのコメディとシリアスなアクションの間を行ったり来たりした話でしたが、最終巻は前巻の引きそのままにクーデター勃発。クーデター話なんかに筆を割いていて大丈夫か?と思わなくもなかったですが、首都動乱も監獄叛乱もどちらもきっちり収束。
 ここぞとばかりにへっぴり腰で暴れるカルディナ・バシュレ一等兵とか、リル少将に鍛え上げられた将官はただのお飾りじゃないぞ!とか、笑い処もあるのだけれど、一方では死屍累々となかなか厳しい状況です。

 グルア監獄へ割り当てられた不審な予算を調査するための調査団が来島。ところが、クロラ・リルが脱走幇助の容疑で拘禁され、執拗な尋問が加えられてしまう。
 だがその頃、本土では平和式典のさなかに軍拡派によるクーデターが勃発。元帥以下軍の首脳陣とクライシャナ中佐は、議員らと共に議会会館に立て篭もって援軍を待つのだが……。

 どうせ間に合わないからと、報告を後回しにするイグレシア大尉はおかしいと思います。

【孤島の夜明け】【蒼穹に響く銃声と終焉の月】【九条菜月】【伊藤明十】【C・NOVELS】【監獄ミステリー】【成長期】【子守歌】
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「ストライプ・ザ・パンツァー2」 為三 

2014-03-31 | 超能力・超人・サイボーグ
「黒歴史だろうが、社会性を得られれば、それはもう功績だろ」
 そう言われたら、もう響子には開き直って輪になって踊ることしかできない。

 賢人同盟<LORI>に協力することになった姫川響子とストライプは、正式な登録を受けるべくLORI本部の置かれた宇宙ステーションへと転送されるが……。

 人間と異星人が共生する物語も、パンツ型の共生体というほとんど一発ネタだっただけに、2冊目にして早くもお茶の間コメディに。

「おまえの股間に寄生したい」

 宇宙に出ても、なんか日本の温泉旅館に来ているのと変わらないというのはギャグではあるのだけれど、それがすべての場面のイメージに影響を与えてしまって盛り上がりが今ひとつ。「大宇宙の四畳半」がおかしいのは、「大宇宙」と「四畳半」が同居しているからであって、どこにも宇宙が見えなくなったら四畳半はネタになりません。このあたりは好みの問題かもしれないけれど、もうちょい突き詰めても損では無いと思います。

【ストライプ・ザ・パンツァー2】【為三】【キムラダイスケ】【MF文庫J】【ハートフル・ピュアコメディ】【至高の乙女】【PRソング】【パズドラ】【宇宙コロニー】【パンツロイド】
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「フラクタルの女神」 アン・ハリス

2014-02-02 | 超能力・超人・サイボーグ
「ものごとがどれほど複雑になっても、そこにはつねにパターンがあるのよ」
 真の美とは対称性なのだとシド。

 デトロイトの貧民街を逃げ出した美しい少女は、ニューヨークで売春婦となり、そこで男に殺されかけて逆に返り討ちにしてしまう。だが、その光景はライブで世界各地の専用チャンネルに配信されていた。
 人工知能生命体にとりつかれた老博士は、この少女の人格を雛形に新しい人工生命を生み出そうと考えたのだが……。

 男たちは酒飲んで女抱いて過去の妄執に取り憑かれ、女たちはそんな世界から脱却しようとあがき、老人は世界の黒幕になったつもりでせせこましく飛び回り、人工生命体は温室のプールにゆらゆら浮かびながら他人を操ろうとする、ディストピアでジェンダーな百合小説。
 親殺しの人工生命タムカリとか、黒幕っぽくあれこれ画策しているんだけれど専門外のことには無知で、しかも何かと自分で動き回っているあたりが妙に小物っぽいラウール博士とか、彼らは結局どうなってしまうんだ!?とか、感染するっていってたアレはどうなった!?とか、あの少年が感じ取っていたのは結局何?とか、なんかいろいろ伏線を放り投げっぱなしの読後感がある作品。でも、つまるところは脳筋な美少女マグノリアと、ラウール博士と比較すると常識的で温厚っぽいけど実は彼以上のマッドサイエンティストだった分子生物学者シドのカップルの物語なので、そういう意味ではこれにて完結。

【フラクタルの女神】【アン・ハリス】【D.K.】【創元推理文庫】【ジェンダーSF】【カオス理論】【人工知能生命体】【裏ビデオ】【アムステルダム】【バイオハザード】
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「ストライプ・ザ・パンツァー」 為三

2013-12-10 | 超能力・超人・サイボーグ
 ほとんどの地球人は知らないことだけれど、実は宇宙人は普通に地球を訪れていて、巧妙に姿を隠して地球でひっそり生活している。その形態はさまざまだが、目的も研究者や難民だったり犯罪者であったりとさまざまだ。
 宇宙からの来訪者であるストライプは、偶然、交通事故で瀕死の重体となった高校1年生の姫川響子と出会い、その命を救うために彼女と共生することを選択したのだが……。

 純情美少女と心優しい宇宙生命体が共生し、互いのカルチャーギャップを1つ1つ克服しながら、行方不明の響子の兄の捜索、ストライプの元のパートナーを殺害した犯人捜しに挑んでいく……とまとめると、本当にハートフルなSFミステリっぽく思えますよね。
 クレメントの「20億の針」から始まった人間と異星人が共生する物語は、円谷のウルトラマン・シリーズを経て、ついにこんなところに着地してしまったのかとか感無量。馬鹿な話を大真面目に語るのは好きです。

【ストライプ・ザ・パンツァー】【為三】【キムラダイスケ】【MF文庫J】【ハートフル・ピュアコメディ】【下着泥棒】【パンツのゴム】【至高の乙女】【ナメクジ】【変態仮面】
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「X・WOMEN」 クリス・クレアモント他

2013-11-29 | 超能力・超人・サイボーグ
 Xメンのスピンアウト作品の新シリーズで、女性ミュータントばかりのXウィメン部隊のエピソードでまとめた1冊。

 収録作品は『X-WOMEN #1』『X-23 #1』『CLOAK AND DAGGER #1』『DAZZLER #1』の4篇。登場する主なキャラクターは、ストーム(オロロマンロー)、サイロック(ベッツィ・ブラドック)、ローグ(アンナマリー)、マーベルガール(レイチェル・サマーズ)、シャドウキャット(キティ・プライド)、エマ・フロストといったメンバー。
 日本でも『ガリバー旅行記』の刊行が決まった(らしい)イタリア人マンガ家ミロ・マナラも参戦してのシリーズだけれど、やはりアメコミ。日本で超能力で活躍する美少女集団だとプリキュアかセーラームーンかという話になるけれど、年齢設定はともかくエラが張って、歯を剥き出しにして襲ってくる……じゃなくて、戦う美女軍団なので、潤いとか萌えはないです。X-MENはどこまでもX-MENです。

【X・WOMEN】【マーベル】【クリス・クレアモント】【ミロ・マナラ】
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