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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「帆船 艤装と歴史編」「帆船 航海と冒険編」 杉浦昭典

2007-08-22 | エッセー・人文・科学
 一時期、マイブームで帆走船の資料などをあれこれ買いそろえていた時期がありました。海洋冒険小説から社会学や歴史の本まで。

 でも帆船の航海とか艤装そのものについて知りたいときは、舵社の本が強いですね。さすが餅は餅屋か。
 舵社の海洋文庫という新書で『帆船 艤装と歴史編』と『帆船 航海と冒険編』なら値段も手頃で内容は充実していますから、これだけ読んでおけば十分知ったかぶりできるというものです。
 でも、これ、見つけたときには既にハードカバーで持ってたんですよね。『帆船史話』と『帆船 その艤装と航海』。そしてハードカバーの方がだいたいにおいて図版が多く、また和船についても詳しいので、ハードカバー2冊で良かった……かというと、内容の9割は一緒なのに、残り1割が違うんですよねえ。新書化するときに、追加したり削ったり組み直しているんですね。
 結局、両方買ってしまいました。つまり4冊。

【帆船】【その艤装と航海】【艤装と歴史編】【航海と冒険編】【帆船史話】【杉浦昭典】【舵社】【帆船】
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「幻影への航海」 ティム・パワーズ

2007-08-22 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 バッカニア、海賊になる人間というのは、だいたいが劣悪な労働条件の軍艦や商船から逃亡した水夫か逃亡奴隷。物語的には無実の罪を着せられたりして殺されかけた貴族の師弟。そういう連中が寄せ集まって船を仕立てて海賊稼業をするわけなので、船長も水夫の中から投票で決められ、手に入れた得物もそれぞれの役割に応じて配分され、無能な船長はたちまち解任されて平水夫になったといいます。
 見方によっては専制主義による封建社会ばかりであった世界の中で、唯一「自由と平等」が実現していた場所といえるそうです。
 そんな中でも、有能であると同時に恐怖によって船を支配した船長も少なくありません。その代表が悪名高き黒髭ティーチですが、ティム・パワーズの『幻影への航海』はこの海賊黒髭がテーマであり、熱病がはびこるカリブの島々を舞台に、ブードゥーの秘術と財宝をめぐる戦いが描かれていました。
 カリブの海賊とブードゥー教という、いかにもありそうで実は無かった組み合わせが絶妙。でも絶版。『パイレーツ・オブ・カリビアン』の映画上映に合わせて、表紙を変えて復刻すりゃよかったのに……。(2007/08/22)

……と思っていたら、2011年のシリーズ4作目に合わせてタイトルとカバーイラストを変えて再販。新刊かと思ったよ。(2013/04/04)

【幻影への航海】【生命の泉】【ティム・パワーズ】【ハヤカワ文庫FT】【海賊】【魔術】
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「図説 海賊大全」 デイヴィッド・コーディングリ

2007-08-22 | エッセー・人文・科学
 エルスウェアの『海賊王女の凱旋』『パラダイストリガー』は海賊が主役だったし、M2の『ムーンスパイラル』シリーズやホビーデータの『セブンス・ブルー』などにも海賊シナリオはありました。ただ、どちらかといえば単なる"海の冒険者"として描かれる事が多く、ちょっと残念。

 さて海賊は物語においては、時には自由を愛する正義の味方であり、またあるときは血に飢えて残酷な仇役だったりします。果たして実際の海賊はどういうものだったんだろう…とあらためて『図説 海賊大全』などを引いてみると、いろいろ頷くことは多いですね。
 そもそも一概に海賊といってもいろいろ種類があります。一般的なイメージでいう海賊は、バッカニア(カリブ海の海賊のこと。艦上攻撃機に非ず)か私掠船ですが、倭寇だってバイキングだって瀬戸内水軍だって海賊だし、現代でもマラッカ海峡や西アフリカあたりではモーターボートにマシンガンやロケットランチャーで武装した海賊は出没しています。ただ物語的にはバッカニア、つまりスペインの財宝船を狙うカリブの海賊タイプが主流なんでしょう。昔のハリウッド映画もこの手のばかりでした。そしてその中身を見てみると、正義の味方も仇役もどっちも正解のようです。★★★★

【海賊】
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「蓬莱学園の冒険!」 柳川房彦 他

2007-08-22 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 海面低下を扱った、数少ない作品の1つがPBM『蓬莱学園の冒険!』。
 ここに登場するオーシャンロード仮説こそが海面低下の話です。かつて地球は氷河期だったというけれど、本当にそうなのか? それはあくまで欧米中心のモノの考え方に過ぎず、たとえヨーロッパは氷と雪の世界だったとしても、逆に赤道地帯はほど良い暖かさに落ち着いていたのではないか。そして水の多くが雪と氷になって海面が低下したことにより居住できる大地は今より多く、海上交通も容易であり、大きな文明圏があったのではないか…というのが、この作品の根幹となるネタの1つ(大ネタでないところがミソ)。
 そんな文明圏の遺跡がほとんど残っていない理由についてはバナナが例にあげられています。バナナ自体はありふれたもの。でもそれがありふれたものとなり、人が食べて美味しいと思えるモノにするまでに、どれだけの人の手が加えられてきただろうか。目に見えるモノ、形となって残るモノだけが文明や文化ではないと。PBMもなかなか奥が深いですぞ。

【蓬莱学園の冒険!】【柳川房彦】【遊演体】【巨大学園】【クトゥルフ】【南総里見八犬伝】【言語学】【クーデター】【地底探検】【民俗学】【経済学】【論理ゲーム】【推理】
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「山椒魚戦争」 カレル・チャペック

2007-08-22 | 破滅SF・侵略・新世界
 水の星と呼ばれる地球。その水のかなりの量が極地の氷となっているため、地球温暖化などで氷が溶け出したら地表の大部分は水に沈むと言われています。映画『ウォーター・ワールド』やTVアニメ版『未来少年コナン』はそうした世界を扱った物語です。話として面白かったのは後者だけれど、設定が面白かったのは前者。陸地が消え、人々は小さな人工島や廃船の寄せ集めに住み、砂や土は金銀宝石より貴重な存在。オイルタンカーを手に入れたならず者たちだけが水上バイクなどを駆使して略奪を繰り返しているけれど、暗いタンカーの底では小舟に乗った爺さんが残り少なくなったオイルの量を測っている…という状況。
 沈んでいく過程を扱った代表は、チャペックの『山椒魚戦争』とジョン・ウィンダムの『海竜めざめる』かな。文明批判色が強い「山椒魚」の方は知能を持つ山椒魚を安価な労働者として使うようになった人類が、やがてその山椒魚に世界の主導権を奪われていく話。侵略SFの古典である「海竜めざめる」は海の底に潜んだ何ものかによって地球侵略が進み、大地が静かに水没しはじめ、各所で人類が孤立していく話。ちらほら登場する巨大水母のような海底戦車が不気味で良いですね。
 現実に少しずつ海面が上昇していることもあって、海面が上昇する作品は多いけれど、下がる作品はほとんどありません。たいていいきなり水も海もない砂漠の世界になってしまったりします。

 最初に「山椒魚戦争」を読んだときはイヤな気分に。「猿の惑星」とか「トリフィドの時代」と同じで、人間が使役するために育てた存在に人間自身が駆逐される話というのは良い気分ではありません。しかし、それが文明批判でありSFというジャンルの醍醐味ではあるのですが。(09.04.14改稿)

【山椒魚戦争】【カレル・チャペック】【創元推理文庫】【ウォーター・ワールド】【未来少年コナン】【海竜めざめる】【侵略】【怪獣】【滅亡】
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「ドラキュラ伯爵―ルーマニアにおける正しい史伝」 ニコラエ・ストイチェスク

2007-08-22 | エッセー・人文・科学
 あちこちでいろいろ書かれるドラキュラ伯爵ですが、モデルとなった御本人は"串刺し公"として有名な実在のトランシルヴァニアの英雄。とはいえ、『ドラキュラ伯爵~ルーマニアにおける正しい史伝』などを読むと、確かに敵の捕虜は串刺し、役に立たない者は火あぶりと、危険な人物ではあったようですが、当時の基準からすれば取り立てて異常な領主ではなかったようです。リチャード3世とか田沼意次とか……とにかく争いに負けて死んでしまえば悪宣伝ばかり残るという見本ですね。

【ドラキュラ伯爵】【ルーマニアにおける正しい史伝】【ニコラエ・ストイチェスク】【中公文庫BIBLIO】【吸血鬼】
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「ドラキュラ紀元」 キム・ニューマン

2007-08-22 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 イギリスに上陸したドラキュラ伯爵は、退治しようと挑んだヴァン・ヘルシング教授を返り討ちにすると英国女王の夫となり、世界に吸血鬼の時代が来た。吸血鬼の眷属になることが大貴族の一門に加わるのに匹敵する時代となったのだ。
 だが、その治世下で切り裂きジャックが出没し、吸血鬼の娼婦ばかりが惨殺される事件が連続する。
 警察の捜査は行き詰まるが、影の内閣ともいうべきディオゲネス・クラブは、何故かこの事件を重視し、その解決に1人のエージェントを選び出した……。

 ビクトリア女王統治下で、難事件が発生して、ディオゲネス・クラブが登場したなら、当然出てくるのはシャーロック・ホームズと思いきや、オリジナルの諜報員ボウルガード。彼がブラム・ストーカーの話の最後の最後で歴史が変わってしまった物語全体を通した語り部となり、彼を陰に日なたに支えるのが伯爵とは血統を異にする吸血鬼の美少女ジュヌヴィエーヴです(「ウォーハンマー・ノベル」とは別人)。

 吸血鬼物語として面白いし、かゆいところに手が届くというか、この時代、この場所ならこいつがいるだろう!?と思うと(実在架空を問わず)ちゃんと登場してくれるのが嬉しい話です。マイクロフト・ホームズからドクター・フーまで、当時のロンドンにいたことになっている者、いてもおかしくない者は、実在だろうと架空だろうと総出演のロンドン絵巻です。
 似たような話では、『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン/リーグ・オブ・レジェンド』(アラン・ムーア&ケヴィン・オニール)があるけれど、あれって登場人物たちに対して愛がないと思いません? 特に火星人編。

【ドラキュラ紀元】【キム・ニューマン】【吸血鬼】【切り裂きジャック】【銀のメス】【ジュヌヴィエーヴ】
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「城塞~ザ・キープ」 F・ポール・ウィルソン

2007-08-22 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 『城塞~ザ・キープ』は映画にもなったB級モダンホラー。

 トランシルヴァニア地方に派遣されたドイツ軍の分遣隊が、峠を制圧できる位置にある城跡に拠点を定めたのが発端。由来不明の城の調査と要塞化を進めるうちに兵士たちは不思議なことに気づき始めた。
 外敵から護るというより内側に何かを封じるような城の構造、壁に埋め込まれた十字架。やがて宝石に目のくらんだ兵士が十字架を掘り起こしたときから、1人づつ何者かに殺害され始める。ドイツ軍はレジスタンスの仕業と警戒するのだが……。

 しかし、このミリタリー・ホラーっぽいところも上巻までなので、いかにも吸血鬼が眠っていそうな古城とナチスドイツとの取り合わせ、傲慢なSS少佐とたたき上げの大尉との反目などに『鷲が舞い降りた』みたいなミリタリーアクションの要素を期待した人は、下巻は読まずに結末は想像だけに留めるのが吉。映画『ハイランダー』を楽しめた人は下巻に突入しよう。映画ではモザイク付きのラブロマンスまで描写されて、いったい何処へ行くんだ?と頭を抱えたもの。
 結局、ナイトワールドというサガの一篇に組み込まれちゃうわけですが、前半の展開に期待してしまった人は、『ヘルシング』とか『凶鳥フッケバイン』に慰めを求めよう。

【城塞】【ザ・キープ】【F・ポール・ウィルソン】【ナイトワールド6部作】【角川文庫】【吸血鬼】【ミリタリー】
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「吸血鬼カーミラ」 レ・ファニュ

2007-08-22 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 吸血鬼の物語の基本はもちろんブラム・ストーカー版『吸血鬼ドラキュラ』ですが、コッポラが映画化した際にノベライズも出ています。どれもすぐ絶版・版元品切れになるくせに、常にどこかで出ているというのは不思議なものです。さすが古典。ときどき『吸血鬼カーミラ』も復刻されたり古本屋で見かけたりするけれど、『ドラキュラ』に『ポーの一族』のエッセンスをかけたような話なので、目から鱗が落ちるようなことはありません。まあ、そういう名前の女吸血鬼の古典があると知っておくだけで良いかと。名前は有名で、あちらこちらの小説やコミックに引用されますからね。
 まあ、淡々と流れる話もたまには悪くありません。

 文庫版は、イギリス怪奇小説の祖であるレ・ファニュののホラー短編集。窓辺に現れる白い手とか、姿なき復讐者とか。カーミラの話はその7編の1つで、唯一の中編。怪談というより怪奇譚。全体的に、今読むとそんなに怖くないよね。

【吸血鬼カーミラ】【レ・ファニュ】【レズビアニズム】【墓掘り】【肖像画】【法廷闘争】【カルンスタイン伯爵夫人マーカラ】【吸血鬼】
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「闇の果ての光」 ジョン・スキップ&クレイグ・スペクター

2007-08-22 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 吸血鬼がどういうものかだなんて、今さら註釈を加えなくても誰もが知っているものと思いこんでいました。でもそう決め込むのは浅はかだったのかもしれません。 
 『闇の果ての光』に登場する刑事は吸血鬼による殺人事件を担当していますが、被害者がどれだけ出てこようと「もしかしたら犯人が吸血鬼では…」などと脳裏をよぎりもしません。血を失った被害者。暗闇にしか出没しない犯人。犯人と戦おうとしたらしい被害者が所持していた木の杭、十字架、水の入った瓶……。まだヒントが足りませんか?

 地下の世界には昼も夜もない。
 ニューヨークの地下鉄構内で惨殺事件が連続するが、警察の捜査にもかかわらず犯人は浮かび上がってこない。
 しかし、その正体を知る者はいた。殺人鬼の正体はケチなチンピラのルーディー。だが、彼は吸血鬼の牙によって不死の力を得ていたのだ……。

 吸血鬼というと、伯爵とか令嬢とか貴族のなるものであったのに、いつの間にか街のゴロツキでも血を吸われればOKという時代に。
 ラストシーンも映像を想像すればカッコイイけれど、よく考えたら間抜けな話。

【闇の果ての光】【ジョン・スキップ】【クレイグ・スペクター】【文春文庫】【吸血鬼ホラー】【ニューヨーク】【地下鉄】【路線図】
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「物語 カタルーニャの歴史」 田沢 耕

2007-08-22 | 時代・歴史・武侠小説
 PBMやTRPGで安易に便利に使われがちなのが「傭兵」。一昔前なら「戦士」でひとくくりにされたカテゴリーだけれど、キャラクター・クラスが細分化されたため脚光を浴びるようになりました。兵士のように国王や領主の命令でしか動けないわけではなく、騎士のように行動規範を神や誓いに縛られないから、ゲーム的に使い勝手がいいのでしょう。
 ただ、平時になると途端に始末に困るのも傭兵。戦闘能力に優れており、それだけが取り柄という連中が、主君も持たず、やることもなかったら……。14世紀頃のイタリア半島といったら傭兵天国。長く統一国家が誕生しなかったも傭兵のせいといわれるほどです。最初のイタリア王オドアケルは元々はゲルマン人傭兵隊長。ミラノ公になったフランチェスコ・スフォルツァも傭兵隊長。チェーザレ・ボルジアも傭兵隊長を経験してますね、ちょっと意味合いは違うけど。ここらへんは資料も豊富です。
 イベリア半島でも傭兵は大活躍していました。13世紀にキリスト教文明圏とイスラム教文明圏が衝突した時代、常に最前線にいたのはカタルーニャの傭兵部隊でした。イスラム圏といえば、当時は世界最先端の文明圏。そこに荒くれ者の集団が「剣よ、目覚めよ!」をかけ声に殴り込みをかけるものですから、傭兵団は<アルモガバルス(アラビア語で襲撃者)>と呼ばれ恐れられるようになりました。しかし半島の情勢が安定すると当然のように邪魔者扱いされます。戦うことしかできない戦士の集団なのですから。
 そこで首領のフラーが今度はビザンティン帝国に次の戦場を見つけ出します。皇帝に雇われ、これまたオスマントルコ相手に獅子奮迅の活躍をします。そしてまた戦況が安定すると邪魔者扱いされるようになり、ついにはフラー以下主立ったメンバーが皇帝に謀殺されてしまいます。しかし、それで霧散してしまう傭兵団ならかわいいものです。逆にいきり立った<アルモガバルス>はビザンティン帝国を荒らし回り、ついにはアテネ公国とネオパトリア公国という国家を築き上げてしまいます。傭兵恐るべし。

【ミリタリー】【傭兵】
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「響鬼探求」 加門七海・東雅夫

2007-08-22 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 TVドラマ『仮面ライダー響鬼』の29話までをテーマとした探求本。京極夏彦が民間伝承を分析していたり、生物学者の生物としての魔化魍解説とか、仏文学者の映画としての響鬼考とか、宮司や修験者とのインタビューとか、とっても楽しそうにまとめています。というか、最大のポイントはこれが国書刊行会から出てるってとこかな。
 30話から路線変更したもので、そこから先が良いか悪いか別として「わたしたちは29話までの響鬼という作品が好きです」という主張ががっつり詰まってます。

【響鬼探求】【加門七海】【東雅夫】【国書刊行会】【特撮】【怪奇】
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「アルテミス・ファウル 永遠の暗号」 オーエン・コルファー

2007-08-22 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 実は妖精というのは存在していて、魔法が使えるばかりではなく科学力も人間より遙かに進んでいて、ただ繁殖力旺盛な人間がうっとうしいので地下に隠れているのです。そしてそれに気づいた悪の天才少年アルテミスは、妖精のテクノロジーを奪い、自らの金儲けや悪事に使おうと、妖精警察と虚々実々の駆け引きを繰り広げます。今回は妖精のテクノロジーを応用し、携帯電話・ビデオからスパイ衛星までありとあらゆるデータを読み取ることができる携帯コンピュータを開発したアルテミス。しかし商売敵にそれを奪われ、しかも相棒兼ボディガードのバトラーを殺されたことからアルテミスは妖精警察を利用することを考えるのですが……。

 貴重な女性キャラの描写に魅力が乏しいのが残念。ライトノベルならそのあたりをイラストでカバーできるんだけどなあ……。

【アルテミス・ファウル】【永遠の暗号】【オーエン・コルファー】【魔法】【犯罪】【暗号】
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「ガンパレード・マーチ 山口防衛戦(3)」 榊良介

2007-08-22 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 防衛戦はなおも続き、続々と侵攻してくる敵を縦深陣地に引き込み撃破していく。相手を叩きつぶすのが先か、防衛陣を突破されるのが先か。制空権を手にした敵の猛攻に地上部隊は翻弄されるが、第二次大戦の遺物、40センチ列車砲・巌島が航空榴弾でゾンビヘリの群を粉砕する。しかし所詮はアンティーク。対空戦闘の主役、空中要塞の天敵は、実はミサイル兵器を装備した対空歩兵たちだった……。

 壬生屋が表紙だけれど、若様大活躍の巻。
 この話がこのまま末期戦路線で行くのか、華々しい逆転劇となるのか、いろいろ気になり、楽しみな1冊です。

【ガンパレード・マーチ】【山口防衛戦】【榊良介】【ミリタリー】【防諜】【試作機】【広報】【列車砲】
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