付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「吸血鬼ドラキュラ」 菊地秀行

2007-08-28 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 講談社が90年代終わりに刊行していた「痛快 世界の冒険文学」シリーズもいわば現代の翻案小説です。こちらは日本の有名作家たちに彼らがお気に入りの名作を子供向けにリライトさせるという主旨のもの。
 佐藤さとるの『神秘島物語』、宗田理の『宝島』、横田順彌の『ソロモン王の洞窟』、立松和平の『ハックルベリィ・フィンの冒険』、嵐山光三郎の『水滸伝』……、中でも注目は菊地秀行の『吸血鬼ドラキュラ』ですかね。はまりすぎ。
 このシリーズは24巻で終わり、ぼくがほとんど揃えないうちに店頭から消えてしまいましたけど、こういう企画は面白いですよ。こういう名作・傑作というのは確かに面白いけれど、今となっては展開が冗長だったりして読みづらいこともありますから、子供向けのリライトは必要だと思います。

 ライトノベル調で翻案企画って、ありそうで無いですよねえ。たとえばマーク・トゥエインの『アーサー王宮廷のヤンキー』なんて、軽いタッチの文体にして、ドタバタ活劇調のイラストをつけたら売れるんじゃないかな……いや、正直に言うなら、売れんかもしれんがオレは欲しい! 中村博文のカラーイラストで高圧電流で黒こげになる甲冑騎士の一軍や株式相場で紛糾する円卓と共にグゥイネビアとか魔女モルガンとか描かれていたら嬉しいな…………とかいっていたら、小学館のガガガ文庫が「跳訳」とかいって、海野十三の『十八時の音楽浴』をリメイクしてライトノベルに!
 でも、失敗したらこれで古典の翻案ライトノベル企画は当たらないというレッテルが貼られてしまうかも。がんばれ。

【吸血鬼ドラキュラ】【ブラム・ストーカー】【菊地秀行】【翻案】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「幽霊塔」 黒岩涙香

2007-08-28 | ミステリー・推理小説
 翻案小説というものがあります。海外の小説をただ翻訳するのではなく、筋だけそのままに細部を大きく変えてしまったものです。
 たとえば明治の作家、黒岩涙香という人は『巌窟王』とか『正史実歴~鉄仮面』などを翻案していますが、当時の翻案は原典を明示しないことが多く、また大胆に変えているものも多いため、今となっては「原典不明」というものもかなりあるようです。ぼくも涙香版の『幽霊塔』を読んだことがありますが、舞台が倫敦なのに、なぜ登場人物は日本人ばかり?と思ったものです。
 さらに江戸川乱歩は黒岩涙香の『白髪鬼』を下敷きに『白髪鬼』を書き、涙香はイギリスのマリー・コレリの『復讐』の登場人物や舞台を日本のものに置き換えて『白髪鬼』を書き、ついでにいうなら乱歩は大人向けの『白髪鬼』をもう一度子供向けの少年探偵シリーズにリライトし……。
 小説のリサイクル。まあ、人の褌で相撲を取ったあげく負けないように。

【翻案】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「電撃!!イージス5」 谷川流

2007-08-28 | その他SF(スコシフシギとかも)
 「電撃」と聞いて「電撃王」と連想するのはマンガな人。「電撃萌王」と連想するのはマンガな人にちょっとオタクが入っていて、「電撃ネットワーク」ときたら特殊な芸能集団フリーク。「電撃だっちゃ!」はちょっと年期のはいったアニメファン……。
 えっと、何が言いたいかというと『電撃!!イージス5』を買いました。このタイトルで『電撃!!ストラダ5』を連想したのはかなり古手の特撮方面に博識な人。『ダイヤモンドアイ』の後番組で、国際秘密警察の特殊部隊が悪の秘密結社と戦うという、主役が宍戸錠の特撮刑事物でしたから……。
 『電撃!!イージス5』は天才博士によって集められた5人の美少女たちが、煩悩むき出しの人工知能と人の良さだけが取り柄の大学生のバックアップで、異次元からの侵略物体と戦うという話。同じ作者の『涼宮ハルヒの憂鬱』は涼宮ハルヒが嫌いなので×でしたが、こちらはこれだけベタな設定にもかかわらずそこそこ良い感じ。微妙なチープさ加減も、タイトルにふさわしいんじゃないでしょうか。
 ちなみに、この作品に登場する異次元侵略者の接近を感知するプログラムはカサンドラ。カサンドラというには、みんなデータを信用しすぎ。そこんところにもう一ひねり希望!……って、美少女雑誌の萌え小説にそういうこと期待してはいかんのか?

「電撃!!イージス5」★★★

【侵略】【戦隊】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「魔法のスター・マジカルエミ」 スタジオ・ピエロ

2007-08-28 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 「魔法の力はなくても平気!」な『魔法の天使・クリィミーマミ』が終わったあとに始まったのが、「魔法なんていらない」な『魔法のスター・マジカルエミ』(1985)です。これは普通の少女が魔法の力で大人のマジシャンになる話ですから、"大人"というキーワードがなければ魔法ものである必要すらありません。とんでもない話です。

 ま、最終的には「魔法を使って凄いマジックをするより、ヘタでも自分で努力してマジックをする方が面白い」という主人公の結論にたどり着くわけですが、それにしたって魔法が出てこない、魔法が必要ないエピソードが多すぎです。それを象徴するのがOVA『蝉時雨』です。
 何か大きな事件やイベントが起きるでもなく、マジカルエミすら出てこない、ありきたりの夏の1日の情景だけが延々と続くのです。普通の視聴者には退屈な作品が、ファンにとっては「これこそマジカル・エミですよ!」と力説する傑作になってしまうんですね。
 もう「魔法」は必要条件ですら無くなっていたのです。

 エミが行き過ぎたせいか、第3弾『魔法の妖精・ペルシャ』はまた魔法少女+野生少女というオーソドックスな物語作りとなったわけだけれど……こっちはもういいや。一応、マミ、エミ、ペルシャで「艶姿・魔法の三人娘」ということになっておりますです、はい。

 クリィミーマミもマジカルエミも、後天的に手に入れた力に溺れることもなく制御できたからヒロインになれたのですね(マスコット・キャラのサポートは重要です)。これで力に溺れてしまうと、ウィッチ・ハンターかソーサラー・ハンターに狩られてしまったかもしれません……って、よく考えたら『ウィッチ・ハンター ロビン』も『爆れつハンター』も元のアイデアは一緒かい……。

【魔法のスター・マジカルエミ】【魔法少女】【マジック】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「魔法の天使・クリィミーマミ」 スタジオ・ピエロ

2007-08-28 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 魔女っ子アニメというと、かつては女の子向けであり、実際、ヤローどもが観てもたいして面白いもんじゃありませんでした。
 それがなーんとなく、葦プロ製作の『魔法のプリンセス・ミンキーモモ』以後、「別に男が魔女っ子アニメを観てもおかしくねーよな!」という共通認識ができてしまうのです(少なくともそういう共通認識を持つ母体集団が大きくなっていきます)。

 そんな時期に登場したのが、スタジオ・ピエロ製作の『魔法の天使・クリィミーマミ』です。魔法少女+芸能アイドルものですけど、周囲の大学生ヤローどもはみんな観てましたね……。
 ただ、この話になると「魔法」といっても「歌や踊りの巧い大人の女性(マミ)に変身できる」だけですから、最終回に魔法を返して普通の少女に戻るというのも必然です。この作品もその後2本のOVAと1本のミュージッククリップ集と1本のスペシャルができますが、OVAはもう「魔法なんかいらないよな!」という話になっています。
 1作目の『永遠のワンスモア』は後日談であり、結論は「もう魔法の力はどこにもない」というものですし、2作目の『ロング・グッドバイ』は「魔法の力はなくても平気!」という特撮ファンタジー映画製作話でした。
 こういうところを紆余曲折して、なのはさんに至るっと。

【魔法の天使・クリィミーマミ】【魔法少女】【パワードスーツ】【芸能】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「魔法のプリンセス ミンキーモモ」 葦プロ

2007-08-28 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 1981年12月に『戦国魔神ゴーショーグン』が終わり、次にどんな作品が続くのかと楽しみにしていると、3ヶ月のインターバルをおいて現れたのは、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』……。魔女っ子ものだよ、魔女っ子。……などと文句を言いつつも、いい歳した高校生や大学生がもそもそとテレビを点けてみれば、こちらは魔法少女もののニューウェーブだったのです。
 詳しい分析はマニアな評論にお任せするとして、とにかくやたらファンタジーやSFの色が強い作品でした。ゴーショーグンそっくりな巨大ロボットが合体する「南の島の秘宝」、魔法騎士が邪龍と戦う「妖魔が森の花嫁」、地底世界で翼竜を駆る怪獣王女が登場する「地底の国のプリンセス」とか、やりたい放題。「ふるさと行きの宇宙船」は事故で魔法の国に不時着したスペースシャトルの船長が、マッチ売りの少女からマッチを全部買い上げた上で宇宙服を与えるという話でしたね。

「全部買ってあげよう……」

 それだけやりたい放題にやったあげく、第1部のラストでは主人公モモがトラックにはねられて死んでしまうという結末……。いくら死と再生とはいえ、そういうことするかあ!?
 この作品が大きいお友だちにどれだけ支持されたかは、ダイコン4のプログレスレポート(カセットドラマ版)に「大阪城で5万人のミンキーモモ・ファン集会」のネタが挿入されたことに象徴されています。野太い男どもの声で「ピピルマピピルマプリリンパ」「ピピルマ~!!」と歓声があがり、やがて5万人は暴徒と化し、ついには爆撃によって殲滅されるという顛末を迫真のラジオドラマが伝えています……。

【魔法のプリンセス ミンキーモモ】【魔法少女】【死亡判定】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「戦国魔神ゴーショーグン」 葦プロ

2007-08-28 | 巨大ロボット
 つい最近のような気がしますが、実はもうずいぶん昔に『戦国魔神ゴーショーグン』というロボット・アニメがありました。1981年の作品です(最近のような気がするのは、ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでよく見かけるからでしょう)。
 いわゆるゲキガンガー系の熱血ロボットアニメがいったん死滅した後に登場した、ニューウェーブ系のロボットアニメの走りみたいな作品です。主人公は機械と心を通い合わせることのできる真田ケンタという少年ですが、まあ、それはオマケ。主役メカ・ゴーショーグン(十精霊・ゴー将軍に非ず)を駆る3人のパイロットと、世界を牛耳る悪の組織の3幹部との駆け引きがメインです。辛い戦いに死にものぐるいで挑むのが熱血アニメなら、こちらは辛い戦いでも軽口を飛ばしながらこなすのがオシャレ(007やナポレオン・ソロみたいですね)。
 最終回ですべてのメカが意志を持ち、争いの道具として使われることを拒否して物語は終わりますが、さんざん非道いことをしてきたはずの悪の3幹部、ブンドル、ケルナグール、カットナルの3幹部は人気でしたね。合衆国大統領となったり実業家として成功して美人の嫁さんと幸せな毎日をおくったりしているのにたいし、正義の味方の3人はホットドッグスタンドのマスターだとか滑って骨折して入院とかトホホなエピローグ。
「こういうオチもありなのか!?」
 さらに美形のブンドル局長はアニメ雑誌のポスターや表紙を飾りましたし、怖い形相だけれど「母は美しい人でした…」のカットナル将軍も少年時代は美少年だし、怪物みたいなケルナグール司令官の奥さんは美人(いのまたキャラ)。OVA以後は主人公側3人と徒党を組んで異世界を放浪し、第二次スーパーロボット大戦αでも味方にできるはずです。ロボットアニメの仇役でこういうのは珍しいですね。
 ロボットアニメは見たいけれど、あまり友情・努力・勝利!みたいな熱血ものは恥ずかしいという世代にウケたのでしょうか。

 けっこう人気があったらしく、劇場版総集編が『浮浪雲』と同時上映で公開されたり、新作OVA『時の異邦人』が制作され、さらにその『時の異邦人』の続きがアニメージュ文庫で小説として展開されたりと、けっこうにぎやかでした。
 それから、この作品までの番組予告というのは、たいていナレーターの1人語りだったのですが、この作品で「毎回メインキャラの持ち回り」>「複数キャラによるかけあい漫才」>「敵キャラの参入」というパターンが確立し、『マリア様がみてる』における怒濤の予告編を経由して今に至っているわけです。

「戦国魔神ゴーショーグン」★★★★

【ロボット】【ビジネス】【メカは友だち】【予告編】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ネイラ」 名古屋芸術大学マン研「虫の息」

2007-08-28 | その他SF(スコシフシギとかも)
 前に頭脳船/人格付与宇宙船について書きました。宇宙船の操縦を搭載された人工知能がおこなっていて、かつ、その端末が人間型というものです。そのときに何か1隻忘れているような気がしていたのですが、それをやっと思い出しました。

 自主製作アニメ『ネイラ』に登場する<ネイラ>です。時代的には1981年ですから、『ブレーメン5』に<ナダ>が登場する1年前。原作マンガもあったそうですから、実質1980年の作品でしょうか。ただし、これは空は飛びますが宇宙船ではなくロボットだったので、リストから外れたのは正解でした。孤島で発見された古代文明の遺産で、女神ニケのごとき有翼の女性の姿をしており、端末はその姿をそのまま人間サイズに縮めたもの。
 たかが自主製作アニメ、されど自主製作アニメ。作品の評価は高く、あちこちのイベントで上映されたものですから、名古屋の大学サークル製作(名古屋芸術大学マン研「虫の息」製作)にもかかわらず全国的に知られており、1987年頃には確か「アニメージュ」あたりで紹介記事が掲載されたはずです。
 巨大ロボットの分身/端末/頭脳が人間サイズというアイデアは実は既に永井豪の『マジンガーZ』に登場する機械獣ドナウα1(ラインX)にありましたから、ネイラもその延長線上にすぎません。でもローレライとナダ、リプミラらをつなぐミッシング・リングともいうべき存在とはいえるでしょう。

【ネイラ】【頭脳船】【天使】【ロボット】
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「まにぃロード」 栗橋伸祐

2007-08-28 | その他フィクション
 栗橋伸祐は『ぷりてぃまにぃず』よりも『まにぃロード』の方が楽しく読めました。印象では『ぷりてぃ…』の方が絵の情報量が少ないような気がしたんだけれど、あらためて読み比べたら大差はありませんでした。基本的に1話1ネタでマニアックなエピソードを押し込んだ『まにぃ…』の方が脳内補完しちゃうんでしょうか。
 気がつけば、この人の作品とのつきあいも長いですね。
 『まにぃ…』の2巻、テーブルトークRPGを題材にしたACT13「愛の嵐」。ここで使われたシナリオは、同人誌「とりあたまくん」に掲載されていた『密航少女』ではないですか!……これ、大連名義の平成元年作品。原作ではアンハッピーエンドだったので、こちらこそは!……と期待したのだけれど、やはり初心者ばかりのパーティ。これまたアンハッピーエンドでした。とほほ……。
 でも、ほんとは「ダンマス」が好き。

【まにぃロード】【栗橋伸祐】【ガレージキット】【TRPG】【軍艦】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フローレス原人

2007-08-28 | 雑談・覚え書き
 2003年、インドネシアのフローレス島にあるリアンブア洞窟の地中から、未知の小型の原人の化石が発見されました。フローレス原人(Homo florensiensis)と名付けられたこの原人は成人女性で、身長約1メートル、推定体重30キロ、脳容積は現代人の1/4。二足歩行して打製石器を使っていたようです。身体が小型なのは、熱帯雨林の島で孤立しているうちに(手に入る食物の量が少なく、捕食者もいないことから)次第に小さな体へ進化していったためではないかとのこと(ネイチャー誌04.10/28)。
 単に小柄な原人なら、ホモ・エルガスターとかホモ・ハビリスとかいうのがいるのですが、これらはだいたい175万年前の地層から発見されています。しかし、ホモ・フロレシエンシスが発見されたのは1万8000年前の地層。年代的にはホモ・サピエンスと重複するのです。2万8000年前にネアンデルタール人が滅んだ後も、地球上にはホモ・サピエンス以外の人類が存在していたことになります。人類は意外といろんな親戚たちと同じ世界に住んでいたようです。
 ところで旧人・原人と新人をつなぐミッシングリングが大ネタというと、まず思いつくのが古典ともいうべきH.B.パイパーの『夜明けの地球』、比較的最近ではJ.P.ホーガンのSFミステリ『星を継ぐもの』。でも、このネタを突き詰めていくと、コロボックル伝説や土蜘蛛伝承などにもつながりそうです。あ、そのものずばりの『ネアンデルタール』という話もありましたね。

 しかし、原人にしろ恐竜にしろ、今の人間が生きているところを目撃したわけではなく、氷漬けや剥製が存在するわけでもなく、わずかな化石の断片を再構成して勝手に想像しているだけです。先日、中国の自然博物館に行ったときに「みんな想像だよ」と館員の人に言われたように、恐竜の肌の色だって想像です。図鑑のイラストでは濃緑色や灰色で描かれていたりしますが、本当はピンクや縞模様だったかもしれませんし、羽毛で覆われていたかもしれません。卵生かどうかも本当は不明です。
 あるいは復元した骨に他の種類のものが混じっているかもしれませんし、大きさや形が違うものが、種類が違うのか個体差なのか奇形なのか雄雌の差なのかも本当は断言できません……。プロントサウルスとアパトサウルス、ウルトラサウルスとスーパーサウルス(そしてもしかしたらブラキオサウルスあるいはディプロドクス)なんてのは、同じ種類の個体差を別種としてしまったケースです。あるいは組立間違いという可能性だってあります。
 菊地秀行の妖獣都市シリーズの中に、組み立て直したら邪龍になってしまったという話もありました。そんなケースも実はあるかもしれませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ウルトラマンガイア」 

2007-08-28 | 怪獣小説・怪獣映画
 SFや特撮ヒーローものでどんな話が好きかといえば、いろいろありますけど、まず思いつくのは「人物と背景がきちんと描かれた作品」でしょうか。主役がいて、ヒーローが活躍して、でもその一方で脇役・裏方・その他大勢の存在が伝わってくるかということです。
 たとえば『機動警察パトレイバー』は「整備員」とその仕事が印象的です。整備班のエピソードで1本あるくらい。
 整備員といえば、『ガンパレード・マーチ』の榊版小説。こちらも通常なら稼働率が1割を切るような実験兵器を、いかに100%に近い状態に保っているかという話。 
 それからTV特撮では『ウルトラマンガイア』。過去のウルトラシリーズでも整備員にスポットがあたるエピソードがまったくないわけではなかったけれど、まあ皆無に近いわけです。この作品では最終決戦で戦う手段がすべて失われたとき、「こんなときのために」の秘密兵器が出てくるとか後は神に祈るだけというのではなく、整備班が旧式機を引っ張り出したり、かき集めた予備機を突貫作業で調整して間に合わせようとするシーンに山場が来て、最後の見せ場を整備班がさらっていくのを見て喝采。そのあとのウルトラマンの再生は余録です。
 でもそういう視点だと小松左京の『復活の日』『さよならジュピター』『首都消失』なんて、登場人物全員が裏方みたいな話ですよねえ。(2007/08/28)

 そういえば、この作品に登場する空中基地エリアルベースは、『キャプテン・スカーレット』に登場する空中基地クラウドベースに似ているなあと常々思っていました。
 『キャプテン・スカーレット』で隊員が了解の応答で使う言葉「エス・アイ・ジー(Spectrum Is Green)」も、防衛組織「XIG(シグ)」の呼称に似ているなあとも思ってました。だいたい「Expanded Interceptive Guardians」の略というのもちょっと強引な気がします。(2013/05/11補足)

【ウルトラマンガイア】【整備員】【怪獣】【裏方】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「シャドウ・パペッツ」 オースン・スコット・カード

2007-08-28 | 宇宙・スペースオペラ
 オースン・スコット・カードの『シャドウ・パペッツ』を読了。本としては終わっているけれど、話としては完全に後に続いているなあ……。
 『エンダーのゲーム』に盛り上がった身としては、『死者の代弁者』『ゼノサイド』『エンダーの子どもたち』の正統派続編より、姉妹編の『エンダーズ・シャドウ』『シャドウ・オブ・ヘゲモン』そして『シャドウ・パペッツ』の方が素直に続きとして読めますね。バガー戦争後の混乱期地球の物語ですし、登場人物もバトル・スクール出身者ばかりですから、ミリタリーSFを読みたい人はこっちのラインです。
 とはいえ、こちらを先に読んでしまうと、『エンダーの子どもたち』でのピーターの意外性が無くなるわけで……。これはこれでいいんでしょうかね。

【シャドウ・パペッツ】【オースン・スコット・カード】【戦略】【子供の戦争】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする