付け焼き刃の覚え書き

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「坂の上の雲(8)」 司馬遼太郎

2014-09-30 | 戦記・戦史・軍事
「天気晴朗ナレドモ浪高シ」
 秋山真之は日本海海戦の開戦を本国に伝える電文に、手元の天気報告にあった一言を付け加えさせた。
 これによって単なる作戦用の報告文に文学的な香りが加わったが、その本意は天気晴朗ゆえに敵を見逃し逃がすことはなく、浪高いゆえに練度の高い日本艦隊が優位であることを示唆することにあった。

 国運を賭けた戦いに「日本でいちばん運の良い提督」として司令官に選ばれたという東郷平八郎の艦隊が、ついにバルチック艦隊の姿をとらえた……。

 作者の乃木無能、東郷無謬説を強調する最終巻です。日本海海戦の勝敗は、ロジェストウェンスキー提督の無能に帰するともいえますが、なによりもロシアに負けて欲しい英国の報道スタンスによって無理矢理に勝ちをもぎ取ったと言えなくもなさそうです。
 文庫版には単行本6冊分のあとがきをまとめて収録。 

【坂の上の雲8】【司馬遼太郎】【文春文庫】【日本海海戦】【敵前回頭】【徹甲弾】【鍛鋼弾】【】
コメント
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