付け焼き刃の覚え書き

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「だれもが知ってる小さな国」 有川浩

2016-06-12 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 ヒコは養蜂を営んでいる「はち屋」の子供。だから、お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、北海道から九州まで全国の小学校を転々としているので親しい友達はいない。同じ時期に転校してきた少女もいたけれど、そちらともなんとなく付きあいづらくなってしまう。
 だがある日、採蜜を終えたヒコが巣箱の置いてある草地から、車を駐めた道へと向かっていたとき、突然どこからか「トマレ!」という鋭い声が……。

 リブート……とは違うのだけれど、佐藤さとるのコロボックス物語を有川浩がそのまま引き継いで再始動させた一作で、戦中戦後と現代とで時代背景は違うけれど、物語に流れる空気は確かに1作目の「だれも知らない小さな国」のまま、不思議な小さな人の伝承を軸にしたボーイ・ミーツ・ガールの物語。その世界の中でもちゃんと時間は流れています。
 「だれも知らない小さな国」が「豆つぶほどの小さないぬ」「星からおちた小さな人」と世界を広げていったように、この有川版も語り継がれて広がっていくことを願います。
 できれば、中高生までに「だれも知らない小さな国」から「だれもが知ってる小さな国」まで読む機会があると良いですね。

【だれもが知ってる小さな国】【有川浩】【村上勉】【佐藤さとる】【講談社】【養蜂】
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