
相馬いとは、背がちっちゃくて、泣き虫で、人見知りで人づきあいも苦手な高校1年生。しかも祖母に育てられたこともあって、津軽訛りがかなりきつい。
そんないとが自分を変えるためにと思い切って始めたアルバイトは、電車にゆられて1時間ちょい、青森市内にただ1件のメイドカフェだった。
「……お、おがえりなさいませ、ごスずん様」
津軽三味線を奏する女子高生メイドさんの趣味は写真。本州最北端の青森市内のメイド喫茶でバイトすることになった女の子の物語です。
基本的に悪人が出ない、頑張ったことはいつかは報われる、そういう意味で安心して愉しく読める青春小説。さまざまな出会いがあり、別れがあり、全3冊で少女の成長と彼女を取り巻く人たちの変化をかっちり描いてます。
最初はなにもできない少女がありったけの勇気を振り絞って前へと足を踏み出し、それによって自分の得意なことを自覚し、活かす方法を知り、またそれが自信となってさらに1歩前へと歩み出していきます。そして彼女を支えるのは一癖も二癖もある大人や先輩たち。大人が子供の踏み台になっているという意味で、ジュブナイルにして青春小説なのです。
笑えるし、泣けるし、とにかくいろんな人間が集まって、まじめに1つの仕事をやり遂げる話って面白いんです。