付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「移動都市/モータル・エンジン」 脚本・製作:ピーター・ジャクソン他

2019-03-04 | 破滅SF・侵略・新世界
「約束からおまえを解放しよう……」

 夫婦でフィリップ・リーヴ原作、ピーター・ジャクソン製作・脚本の「モータル・エンジン」を名古屋駅前のミッドランドスクエアで。公開2日目にして2週間目のような上映館の少なさに涙目。まるで「バンパイアハンター・リンカーン」や「高慢と偏見とゾンビ」みたいじゃないか。早くも大コケB級映画の予感におののきながらもお出かけです。

 結論。

 我が家的にはすごく面白かった。「誰が、どこに不満があるの?」「ちゃんと客が来る宣伝しなくちゃダメじゃない!」と語り合いつつ帰宅。巨大な歯車がガタガタ周り、蒸気がぐぅおんぐぅおんと吹き上がり、ドドドドドッとエンジンが大きな唸りを上げながら疾走する話で、有象無象の中小都市が逃げ惑う様はスチームパンクなトランスフォーメーション。
 周囲からちょっと理解しがたいくらい、目的に対してストイックなまでに一途なヒロイン(主人公)。そのヒロインに引きずられ、空気を読まない言動をしながら、いきあたりばったりに足を引っ張ったり、助けたり助けられたりしながら最後まで行動を共にするヒーロー(パートナー)。そして巨大な組織のナンバー2ながら、野望を隠して密かに秘密の計画を進める悪役……という、宮崎駿は、ナウシカ、ラピュタと作った後で、これを作らなければいけなかったんじゃないのか、もののけとかハウルとかじゃなく鈴木Pが許すならこういうのが作りたかったんだろ!?的な冒険活劇。
 悪役が暴走して突進する巨大な都市を操って、全てを飲み込まんと世界を蹂躙し、ヒロインたちが巨大な都市の内部を追いかけっこし、一癖も二癖もある船長たちの操る個性豊かな空中船が対空砲火をくぐって舞い踊り、ターミネイターみたいな無敵の人造兵士がこれまた障害物を無視してヒロインを追い詰め、胡散臭いじじいが怪しげなメカを駆って荒野を走る。こうやって要素を挙げると、東映まんが映画から未来少年コナンを経てジブリ作品とかなり似てますよね。
 最後の攻略戦はスターウォーズのep4ぽかったし、親子関係の突き放し方は……とかありましたけど、ともかく飽きずに最後まで見てしまったので、これは劇場で堪能しておいた方が楽しめます。最前列で迫り来るロンドンを見上げたいでしょ。
 ただ、真っ先に何を連想させるかというと、SWよりまず「未来少年コナン」のギガントが荒廃した機械文明の世界から自然豊かなハイハーバーをめざす姿だし、巨大なライオンを正面に飾り、ライバルを片っ端から蹂躙して飲み込んで動き回る巨大建造物と言えば「弱肉学園高等学校」なんだよ。

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コメント
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