「男には男の戦があるように、女には女の戦があるのよ。そこに貴方が嘴を挟んではいけません」それは女が戦場に出るのと同じく不名誉なことだと、母リュシエンヌはバリアンを諭した。
立ちふさがる敵はどんな卑劣な手段を使ってでもことごとく排除してきたバリアンも、女癖の悪さを攻められて包囲網を敷かれてはお手上げとなる。
「敵に容赦なく、味方に優しく」という中世ヨーロッパ風の異世界で、着実に頭角を現していくバリアンは、屈強な体格を活かして新人とは思えない戦果を上げていく。しかし、その一方で兄殺しと噂され、ただ父と兄の補佐をしていれば良いと思っていたバリアンは、いつしか勢力争いの真っ只中に立っていた……。
「強くてズルくて悪いヤツ」と悪いイメージが流布するのは不本意らしいけど、まさにその通りだから仕方が無い。
物語はお家騒動が起きかけ、気にくわないメンツを潰されたと戦争が始まり、四面楚歌になったあげくに奴隷ハーレムができるまで。頼もしかったお父ちゃんが、どんどんダメ親父になっていきます。
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