「力ある者はそれに呑まれる。本能の赴くままに他を害し、ただ蹂躙したその先には－－行き場を失った力の暴走が待っている」それが魔王ルシファーが自ら人類を攻めようとしない理由。
魔族には外に敵が必要なのだ。さもなくば魔族同士で争い滅びるだけなのだ。
魔王ルシファーは退屈していた。
1000年前は天界の侵攻を撃退して天使を手籠めにして妻とし、500年前には人間界から送り込まれた勇者一行を撃退して女勇者を手籠めにして妻とし……そして、その次が来なかった。
さすがにハーレムで、食う、ヤる、寝るだけの生活では破壊衝動を発散しきれず、なぜ勇者は自分を討伐しに来ないのか？と人間の少年に姿を変え、優秀な軍人や勇者を輩出する『エルベリア帝国ミルディアナ領直属軍学校』に潜入するのだが、既に勇者育成機関は勇者を魔王退治に送り出すのをやめていた。
魔王にちっとも勝てないし、向こうから来ないなら放置が最善の策ではないか……そういうことらしい……。
行き所のなくなった魔王の破壊衝動は何処へ！？
【世界最強の魔王ですが誰も討伐しにきてくれないので、勇者育成機関に潜入することにしました。】【両道渡】【ａｚｕタロウ】【ガガガブックス】【世界最強の魔王の学園ライフ】
