「大人って奴はおべっかが出来て一人前だ」
デルヴィ男爵イーグのことば。
リ・エスティーゼ王国の次期国王、ザナックは妹・ラナー王女の限界に気づいた。天真爛漫な見た目に反して腹黒く知謀に優るラナーだが、彼女とて全知全能ではなく、知識の足りない部分に基づいた判断は甘くなるのだ。そして、ザナックが頭を抱えているのは王国の食糧不足問題。信用しきれない魔導国からの輸入でなんとか維持しているが、その魔導国からの輸送隊を考え無しの貴族が襲撃してしまったのだ……。
ゲームのような異世界にゲームままのキャラで転生してしまった主人公の冒険譚として読んでいたのだけれど、なんとなく違和感があり、右も左も解らない異世界で居場所を作ろうとする主人公を応援できない。あれ?
普通のゲーム世界転生ものとかだと、街の人たちを単なる書き割りのNPCとしてぞんざいに扱い、使い捨て、無法を尽くすプレイヤーたちを、NPCだろうがなんだろうが同じ世界に生きている存在なんだと考える主人公がやっつけちゃうわけですが、これ逆なんですよね。主人公は人間としてのプレイヤーがモンスターとしてのキャラクターに引きずられてはいるわけですが、そもそも自分と仲間以外がどうなろうと興味がなく、住民ごと街1つ消しました、ふーんという感じ。
ああ、これ、ディザスター小説なんだ。
主人公は覇権争いやらなんやらあってもそれなりに調和がとれていた世界に乱入した巨大な暴力装置で、それに立ち向かいながらもなすすべもなく吹き飛ばされていく英雄やら悪投やらの方が本当の主人公なんでしょうね。だから『転生したらスライムだった件』よりは『蜘蛛ですが、なにか?』に近く、映画でいえば『大地震』とか『復活の日』とか『カサンドラクロス』とか『ポセイドン・アドベンチャー』の仲間なんですね。キャラ的には『ワールド・ウォー・ゼット』かな。
そう考えると、すっと納得できるのでした。
【オーバーロード14】【滅国の魔女】【丸山くがね】【so-bin】【エンターブレイン】【WEB小説】【MMORPG】
デルヴィ男爵イーグのことば。
リ・エスティーゼ王国の次期国王、ザナックは妹・ラナー王女の限界に気づいた。天真爛漫な見た目に反して腹黒く知謀に優るラナーだが、彼女とて全知全能ではなく、知識の足りない部分に基づいた判断は甘くなるのだ。そして、ザナックが頭を抱えているのは王国の食糧不足問題。信用しきれない魔導国からの輸入でなんとか維持しているが、その魔導国からの輸送隊を考え無しの貴族が襲撃してしまったのだ……。
ゲームのような異世界にゲームままのキャラで転生してしまった主人公の冒険譚として読んでいたのだけれど、なんとなく違和感があり、右も左も解らない異世界で居場所を作ろうとする主人公を応援できない。あれ?
普通のゲーム世界転生ものとかだと、街の人たちを単なる書き割りのNPCとしてぞんざいに扱い、使い捨て、無法を尽くすプレイヤーたちを、NPCだろうがなんだろうが同じ世界に生きている存在なんだと考える主人公がやっつけちゃうわけですが、これ逆なんですよね。主人公は人間としてのプレイヤーがモンスターとしてのキャラクターに引きずられてはいるわけですが、そもそも自分と仲間以外がどうなろうと興味がなく、住民ごと街1つ消しました、ふーんという感じ。
ああ、これ、ディザスター小説なんだ。
主人公は覇権争いやらなんやらあってもそれなりに調和がとれていた世界に乱入した巨大な暴力装置で、それに立ち向かいながらもなすすべもなく吹き飛ばされていく英雄やら悪投やらの方が本当の主人公なんでしょうね。だから『転生したらスライムだった件』よりは『蜘蛛ですが、なにか?』に近く、映画でいえば『大地震』とか『復活の日』とか『カサンドラクロス』とか『ポセイドン・アドベンチャー』の仲間なんですね。キャラ的には『ワールド・ウォー・ゼット』かな。
そう考えると、すっと納得できるのでした。
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