付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「食い詰め傭兵の幻想奇譚14」 まいん

2020-09-17 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「なぁちょっとこれ、あかんのと違う? 命の危機を感じるんやけど、ほんとーにあかんのと違う?」
「アンタはまだマシでしょう!? アタシなんか寝袋もコートもないのよ! いくら邪神でも死ぬときは死ぬのよ! 死ねって言うの!?」


 敵も味方も関係なしに焼いて回る憤怒の邪神レイスのおかげで帝国と王国が戦う最前線はぐちゃぐちゃである。ロレンもやっと起き上がれるようになったばかりで、暴食の邪神グーラはいまだ腹の中が燃え続けて七転八倒、色欲の邪神ルクセリアも治療中というか、そもそもあてにしたくない。
 そんなところに、今までさんざん探し続けていた傭兵団の元団長、ユーリ=ムゥトシルトがふらりと現れ、憤怒の邪神に対抗する手段を手に入れてきて欲しいと依頼してくるのだが……。

 傭兵団が全滅した後、行方不明になり、その後なんやかやあって今は帝国の将軍になっていたという正体不明のユーリ団長の登場。なんだ、その普通に仕事していたら将軍くらいなれるだろ?な言い訳は……。
 古代王国の生み出した新たな邪神も登場。1人1人が強力な能力を持ち、邪で恐ろしい敵なのに、なぜかロレンたちと絡むとただのおマヌケに成り下がる不思議。そして、ロレンたちも一見してただの新米冒険者のパーティーなのに、その全員が人には言えない、1人で一国一軍を粉砕できる災厄しかいないのに、なぜかドタバタ珍道中になってしまう。それでいて、結果的には死屍累累の惨状が繰り広げられるという、緩急ついたストーリー展開が醍醐味です。

【食い詰め傭兵の幻想奇譚14】【まいん】【peroshi】【ホビージャパン】【王道ファンタジー】【新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚】【小説家になろう】【ファンシー】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする