
エルマ・ヨークは逆境をきっかけへと転じるべきと論じた。
大きな事故も起きるが、宇宙開発を止めるわけにはいかない。地球環境は刻々と悪化し、食糧不足が進行し、暴動やテロが起きるようになっていたのだ……。
女たちは翔びたい。
話としては、確かに「巨大隕石落下から始まる、人類脱出計画としての宇宙開発の物語」なんだけれど、『遙かなる星』や『デイヴィッド王の宇宙船』のように技術開発の難しさや面白さ、宇宙へ向ける貪欲さみたいなものは語られません。
結局、メインテーマは「女性と黒人の地位向上」なんですね。つまりは朝ドラ。NHKの朝ドラで戦争が取り上げられようと、それは主人公である女性が夢に向かって進むための障害としての背景に過ぎません。この話における隕石落下も宇宙計画も同じなのです。
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