付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「本好きの下剋上32」 香月美夜

2023-07-23 | 本屋・図書館・愛書家
「この非常時に君は本当に馬鹿ではないか?」
「……フェルディナンド様こそ、この非常時に今更わかりきったことを言わないでくださいませ」

 フェルディナンドとローゼマインは、エグランティーヌを伴ってユルゲンシュミットの礎と向かった。

 ランツェナーヴェの侵入は撃退され、中央騎士団の反乱は鎮圧された。しかし、ここまで事態を悪化させたツェントの責任は問われるべきだし、グルトリスハイトを与えられる次のツェントも決めねばならない。それをおこなうのは、他ならぬ女神の化身ローゼマインだが、もはや微塵の遠慮もなく王族に言いたい放題。その一方ですごく甘くなる面もあり、フェルディナンドも舵取りに四苦八苦。
 英知の女神メスティオノーラに助力を求めた代償に、心の内に入り込んでいる記憶の一部が絶たれているのだ。今のマインには、ルネッサンスの称号を与えた職人達の記憶がない……。

 29巻で本編完結かなと思っていたら、もう32巻。いよいよ「第5部完結目前」のアナウンスが。ウェブでは読み続けていたけれど、記憶にあるよりクライマックスが長かったです。でも、白の塔に幽閉されても1日2食に本1冊付き!を破格の好待遇だと考えているローゼマインは相変わらずでちょっと安心。もっとも、エグランティーヌに言わせればローゼマインは(本のことに関しては)自己中心的で周囲の者のことを考えもしない怖い為政者という評価みたいですが、それこそこの作品における神の有り様ですね。だからこそ、下町の家族や仲間の存在が重要なのですが。
 さて、TO通販の同梱SS「別れの女神に祈りを」は、ウェブではその意図が見えにくかったアドルフィーネ視点。だいたい、庶民育ちで(本のこと以外は)深く考えないローゼマイン以外の視点から見る話は重いのです。

【本好きの下剋上32~司書になるためには手段を選んでいられません~】【第五部 女神の化身XI】【閑話 継承の儀式】【始まりの庭と誓い】【新しいアウブのすげぇ魔術】【香月美夜】【椎名優】【TOブックス】【ビブリア・ファンタジー】【しいなゆう】【ゆるっとふわっと日常家族】【小説家になろう】【全図書館制覇は人類の夢】【抜き打ち試験】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする