付け焼き刃の覚え書き

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「ブルー・シャンペン」 ジョン・ヴァーリイ

2009-10-30 | 宇宙・スペースオペラ
「どんなに安定したタイプでも、ときどきは心の奥でべそっかきの子供になるのよ」
 セックスに失敗したレオに説くリンクスの言葉。

 70年代を代表するSF作家ジョン・ヴァーリイ3冊目の短編集で、ニュー・ドレスデン警察のアンナ=ルイーゼ・バッハの登場する「八世界シリーズ」2編を含む6編を収録。「ブラックホールとロリポップ」は『バービーはなぜ殺される』にも入ってましたね。
 面白かったのは「タンゴ・チャーリーとフォクストロット・ロミオ」かな。月面に衝突しようとしている、過去に廃棄された研究ステーション<タンゴ・チャーリー>で少女と犬が生存しているのが発見された。しかし、そのステーションは正体不明の病原体によって壊滅しており、最高の防疫体制で臨んだ救援隊すら罹患率100%で全滅していたのだ……。

 理論パートが難しくて頭が受け付けないのがハードSFとしたら、バーリイのSFは倫理パートが難しくて頭が受け付けないってところがあるかもしれません。
 ほんの半年宇宙に出ただけなのに帰ってきたら30年が経っているとしたら、男と女の性別が簡単に入れ替えられるとしたら、そんな世界での“あたりまえ”を受け入れるってのは面白いことであり、苦しいことでもあるのです。

【ブルー・シャンペン】【ジョン・ヴァーリイ】【ウラシマ効果】【ブラックホール狩り】【性転換】【疫病】【水球体プール】【全裸】【性夢】

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