付け焼き刃の覚え書き

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「小春原日和の育成日記」 五十嵐雄策

2009-10-30 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「男の八割はご奉仕が好きなものだ。間違いない」
 カメラマン・厳島のおっさんの言葉。

 ダメ人間ばかり住むオンボロ下宿の管理人を務める高校生・晴崎佑介は、ある日中学3年の小春原日和から進路相談を受ける。
 しかし日和の志望校である姫乃宮は偏差値のむちゃくちゃ高いお嬢様校。一方、日和は地味を通り越して透明人間ではないかと思うほど目立たない人間で、自動ドアにさえ無視されることが頻繁という、類い希な才能の持ち主だ。さらに入試試験はテーブルマナーに楽器演奏に面談と、人見知りの激しい日和には絶対無理としか思えない難題揃い。
 だが、ここで下宿人のダメ人間たちが日和のために立ち上がった!

 ダメ人間は実は有能だということが明らかになって「すごいっ!」と言わせる王道パターンなんだけれど、同時に「ダメな人はやっぱりダメだよね」となるバランス感覚が秀逸。「実はスゴイ」という人が「普段は全然すごくない」のにはちゃんと理由があるのです。
 姿も見せない下宿人とか伏線をいろいろ引いて新シリーズとのことですが、これだけ読んでもまとまっていて面白かったです。
 やはり基本は他人の目を見て話すこと。自動ドアのセンサーはどうすればいいのか分かりませんが。

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