付け焼き刃の覚え書き

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「日本人の知らない日本語」 蛇蔵&海野凪子

2009-05-24 | エッセー・人文・科学
「みんな知りもしないで日本のことを悪く言うのはやめて!! 日本はみんなが思うような未開の国じゃないの」
 危険だからと来日を反対したスウェーデンの友人知人への反論の言葉。「武士には魂があって、一般人に手を出したりしないんだから!」と。

 日本語学校の先生となった著者が外国人学生と繰り広げるやりとりを通じて「日本語」について考えるコミックエッセイ。
 うちの父などは、お店で「1000円からお預かりします」などといわれると、それはどんな日本語だ?まともな言葉と思って使っているのか?とねちねち問い詰めちゃったりしますが、外国人が任侠映画や古い教科書で学んだ日本語もおかしいけれど、今の日本人の言葉もかなりおかしいよね……というあたり、日本語を教える側の苦労が伝わってきます。「その言葉は正しくないけれど、バイト先のマニュアルで指示されてるならそれに従っておこうね」くらいしか言えないですよね。
 日本のファミレスやコンビニの言葉使いがおかしくなったのは、大手広告代理店がそういう言葉遣いをするような接客マニュアルを作ったのが広まったからという話があるけれど、どうなんでしょうか。
 それはともかく、日本人でも普段気にしたことも無さそうな「モノの数え方」(イスは「脚」、パンティストッキングは「足」、では手袋は?)とか、日本と中国では同じ「鮪」という漢字をあてている魚が違うのは何故かとか、留学生の勘違いや教師の失敗談などを通じながら、日本の言葉や生活習慣を再確認できる面白い1冊。

【日本人の知らない日本語】【蛇蔵】【海野凪子】【日本語再発見】【敬語】【日本のルール】

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