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民間軍事会社でオペレーターの総括をしていたクロード・ランソンの言葉。熟達の軍人である彼でさえ、アラタを賞賛せずにはいられない。
2ダースもの少年少女を引き連れて戦乱の中央アジアから逃れたアラタだったが、親の保護も教育もツテもない子供たちが生きていくためにできる仕事は少ない。だからアラタたちは傭兵となった。それがいちばんまともな選択だったからだ。
そして1年。彼らは日本へと足を踏み入れた。アラタには久々の帰国であり、子供たちにとってはちょっとした修学旅行みたいなものだ。
しかし、いくら平和ボケした日本であっても、歴戦の傭兵集団の入国には気づかないはずがなかった……。
発売予定日に半径15キロの主立った書店を梯子して、やっと発見。取次は地方書店を冷遇しすぎだと思う。
血涙を流しながら読了。
平和な時代においては無能の烙印を押されかねないような人物が、非常時において才能を開花し認められ頼られる英雄譚というのは、好きな物語のパターン。『銀河英雄伝説』も『翼の帰る処』とか、そんな感じの物語ですね。
とはいえ、こうした物語は、当の主役が意に反した行動を強いられるというストレス負荷実験のような話になるわけで、この話も子供たちを戦禍から救おうとした結果なのに、結果的に子供たちを戦場に投入することでしか活路を見いだせないジレンマが歯がゆいです。
かつてアムロ・レイは「小さい子が人の殺し合い見るの、いけないよ」などといいましたが、これはその子供が平然と人を殺していく話なのです。手放しで拍手喝采とはいきません。すごく面白くて、何度も読み返してしまうのだけれど、これでいいのかなーと読み手の方もアラタと同じように悩んでしまうのです。
【マージナル・オペレーション02】【芝村裕吏】【しずまよしのり】【星海社FICTIONS】【民間軍事会社】【赤門前】【天ぷら】【自動販売機】【浅草浅草寺】
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