付け焼き刃の覚え書き

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「魔界王国」 クラーク・A・スミス

2016-07-06 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 クラーク・アシュトン・スミスといえば、ハワード、ラブクラフトと並ぶウィアード・テールズ誌(20世紀前半に刊行されていた、怪奇とファンタジーで有名なアメリカのパルプ・マガジン)の御三家の1人。でもまともに読んだことがあるのは、クトゥルフ神話の何編かに「イルーニュの巨人」くらい。
 特筆するほど面白いとは思わなかったけれど、こうした短編ファンタジー群を読むのは興味深いんですよね。いかにも怪奇と幻想のファンタジー。今のライトノベル系ファンタジーの大半とは明らかに空気が違います。巨大な神殿や寺院の荘厳で澄み切った空気と裏通りの居酒屋の喧噪と酒の臭いの入り混じった空気とでもいいましょうか。
 そんなC・A・スミスの短編集です。遥か未来の死にかけた地球最後の大陸ゾシークを舞台にした話を4篇、古代大陸のハイパーポリアが2篇、レムリアとプトレマイデス、アフリカ奥地のアゾムベイイが1篇ずつ、そしてポセイドニスが2篇。
 ちなみに、この本の解説ではクトゥルフ神話は「クートゥリュウ神話」表記。この表記は珍しいですよね。まだまだどの表記を良しとするかで百花繚乱というか議論百出だった頃は、ほんのちょい前のことだったのです。

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