皇女から静養を命じられ、ヤエトは間もなく冬を迎えようという北嶺から都に帰還し、第三皇子の館に滞在することになる。だが、都は皇帝の老いを感じ取った皇子たちの権力闘争の場となっており、そこでヤエトは皇女暗殺の陰謀を察知するのだが……。
「人の上に立つ者には、全員の賛成を待つなどという贅沢は許されません。嫌われることを覚悟で、信じることを推し進めるしかないのです」
セルクに伝える尚書官ヤエトの言葉。
病弱な尚書官が、何度も何度もぶっ倒れながら北嶺に迫る陰謀に挑み、皇女を守る話といってしまえば簡単だけれど、面白かったよ。続編も書こうと思えば書けるだけの伏線も残しているけれど、これだけでも完結した話と読めて満足。
すぐに意識を失い、何度も死にかけ、目が覚めたときの周囲の剣幕に「これがあの世なら、とうぶん死にたくない」とぼやく軟弱主人公のふんばりが見物。それで、あくまでヤエト視点で話が進むので、けっこうあれこれあるらしい宮廷劇もなかば軟禁されているのでほとんど伝聞のみ。武力衝突も右に同じ。なので、エピソードの割には話がさくさく進みます。←ここ重要。
おっさんや老人がなかなか良い味を出しているのもチェックポイントです。(2009/01/23)
「親友でしょう。彼の鍋になっておやりなさい」
グランダクを説き伏せるヤエト。
鍋は盾にも兜にもなるし、煮炊きもできるし、水もくめる便利な存在だと。
【翼の帰る処】【妹尾ゆふ子】【ことき】【幻冬舎コミックス】【幻狼ファンタジアノベルス】【幻視】【竜】【鈍感】
「人の上に立つ者には、全員の賛成を待つなどという贅沢は許されません。嫌われることを覚悟で、信じることを推し進めるしかないのです」
セルクに伝える尚書官ヤエトの言葉。
病弱な尚書官が、何度も何度もぶっ倒れながら北嶺に迫る陰謀に挑み、皇女を守る話といってしまえば簡単だけれど、面白かったよ。続編も書こうと思えば書けるだけの伏線も残しているけれど、これだけでも完結した話と読めて満足。
すぐに意識を失い、何度も死にかけ、目が覚めたときの周囲の剣幕に「これがあの世なら、とうぶん死にたくない」とぼやく軟弱主人公のふんばりが見物。それで、あくまでヤエト視点で話が進むので、けっこうあれこれあるらしい宮廷劇もなかば軟禁されているのでほとんど伝聞のみ。武力衝突も右に同じ。なので、エピソードの割には話がさくさく進みます。←ここ重要。
おっさんや老人がなかなか良い味を出しているのもチェックポイントです。(2009/01/23)
「親友でしょう。彼の鍋になっておやりなさい」
グランダクを説き伏せるヤエト。
鍋は盾にも兜にもなるし、煮炊きもできるし、水もくめる便利な存在だと。
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