付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「影の王国(上)(下)」 ロイス・マクマスター・ビジョルド

2012-12-19 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 『チャリオンの影』『影の棲む城』に続く、五神教シリーズの3冊目ということだけれど、登場人物が共通していた前2作に対して、こちらは舞台も登場人物も共通点が無く、3冊目って前の2冊は何だった?と思わず調べてしまいました。

 そうだ、そうだ。「ビジョルドの異世界ファンタジー三部作!」とかいって始まったんだ。
 でも、この3冊目は今までの総決算というわけでもなければ続きでもないし、あおり文句に完結とも書かずに「第三弾」となっているから、もしかしたら、「もうちっとだけ続くんじゃ」というやつかも。

 幼少時に狼の精霊に憑かれて追放され、今は戦士となっているイングレイに与えられた任務は、殺害された王子の遺体引き取りとその殺害犯を都まで連行すること。
 だが、殺人者だという侍女イジャダを見たイングレイは、彼女が豹の精霊を宿していることに気づく。王子は禁断の魔術に手を染め、その生け贄にイジャダを使おうとしていたらしいのだが……。

「人は生まれ、死ぬ。わたしはとうの昔に、時がその流れとともに運び去るだろう問題について無駄な努力をはらうことをやめたのだよ」
 選帝卿ウェンセル・キン・ホースリヴァの言葉。

 誰が味方か最後まで分からないスリリングな展開と、女性陣のひたむきなタフさが印象的な話でした。表紙イラストはオーランド・ブルームを彷彿とさせるね。

【影の王国】【五神教シリーズ】【ロイス・マクマスター・ビジョルド】【浅田隆】【創元推理文庫】【精霊】【不死】【転生による魂の永続】【エマノン】【幻視】
コメント
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