「お食事はね。美味しく頂くの。御作法はそのためのモノなの。だから、美味しく頂けないなら、御作法はいらないのよ？」側妃であるハビルーシュ妃はほんわか可愛いだけで何も考えていないと思われているし、存在感も希薄。でも、なにも考えていない言葉が大事なこともある。
フロンティア王国の王女ファティマは誰も来ない隠し部屋で衰弱死しかけていた。しかし、王族たちは彼女の存在そのものを知らない。双子として生まれた直後にスパイによって隠され、いない者としてお城の中で育てられていたのだ。
しかし、手違いで誰もいない部屋に放置されてしまい、飢えて渇いて死ぬ間際、幼女の中に元日本人の相模千尋の意識が覚醒した。そして、瀕死の千尋はお城の厨房にたどり着いて料理人たちに助けられた。もともとの名前も思い出せないまま、浮浪児チィヒーロとして、まるでおとぎ話の小人さんのように食事のお礼としてあれこれ下ごしらえや片付けを手伝っていたのだが、猪突猛進にお城を走り回る彼女に、ついた渾名が小人さんだった……。
死にかけていた幼女が助けられて生き延びて、前世の知識と身体に流れる先祖の血によるチートな能力で元気にあちこち跳び回る冒険譚。
気の毒なのは国王夫妻で、誤解とはいえ、生まれていたことすら知らなかった娘に敵扱いされて顔を合わせる事すらままならないことになろうとは。すべてはトップの管理不行き届きの結果なので、仕方がないといえば仕方がないのですけれど。
【あなたのお城の小人さん～御飯下さい、働きますっ～(1) 】【美袋和仁】【п猫R】【SQEXノベル】【死にそうになるハードモード転生だけど、魔物が味方で、モフモフ可愛くて快進撃】【刺繍】【蜂蜜】【クリームシチュー】【クッキー】【クレープ】【パウンドケーキ】【うどん】【やっふぁい♪】
