LKR日記

日常の身辺に起きる四方山な出来事を書き連ねたブログを始めました。
興味のある方は、お立ち読みください。

榧(かや)の丸木舟・・・のことなど

2012年05月17日 22時14分43秒 | アウトドア
 
  私が住んでいる市の博物館に、縄文時代の丸太をくり抜いた丸木舟が保存されています。
  昭和の初期の頃に、河川改修工事の時に出土したものであると、説明には書かれており、木材は榧(かや)であると書かれています。
  縄文海進の時代に気候も現在よりは温暖であったためか、私の住んでいる東京湾から離れた内陸にも、その当時の貝塚が痕跡としてあちこちに残っています。
  榧でできた丸木舟は直径が70センチほどで、部分的に炭化しており、榧の木を火で炙ることにより、腐食を防ごうとした、縄文人の知恵なのかもしれません。
  丸木舟の前に立つと、この木を倒した人はどのような思いで木を切り倒したのか、鉄の道具が無かった時代に、石斧やどんな道具で伐採したのだろうか、と想像の世界に入ってしまいます。
  たくさんある木の中で、どうしてこの榧の木を選んだのか、火で炙ることをどこで学習したのか、そして丸木舟を使った漁猟の最中にどんな事故が発生して、この舟を放棄することになったのか・・・・。
  博物館の丸木舟の前にたたずむと、いつもこんな想像を巡らしてしまいます。

  現代に住む私は、友人たちから不要になったカヌーを貰い受けて3艇持っていますが、何百年も泥の中に埋もれて、保存されるような素材ではできていません。
  マッチが1本あれば、良く燃えてしまうような素材でできています。
 考えて見るならば、この榧の丸木舟はその本来の役目を終えた上に、安寧の場所を得ることができて、幸せだったのかもしれません。
コメント
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