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諫早湾干拓常時開門

2008-06-28 10:30:21 | Weblog
諫早湾開拓は1997年4月に行われた例のギロチンと言われる堤防締め切り後
赤潮等で漁業被害を受けたと佐賀長崎福岡熊本の有明海沿岸4県の漁業者2500名が佐賀地裁に訴訟を起こした。
今回佐賀地裁は堤防締め切りと有明海全体の環境変化の因果関係は認められないが
諫早湾内に限れば相当程度の被害が立証されて居るので南北排水門5ケ年間常時開門せよ。なお防災工事のため判決確定から3年間は解門を猶予すると言う判決を
出しました。
國と長崎県にとっては、大変手痛い判決です。
特に長崎県は農地造成もすみ入植者もほぼ決定し、これから開拓事業の成果を試され様とする矢先、南北の排水門を常時開門と云う事態になれば、調整池の淡水化、農業用水確保、防災関係の懸念等々困難な問題が起き由々しき事です。
そもそも諫早湾干拓は、農業振興米増産時代に、東北の八郎潟干拓や瀬戸内海の
児島湾干拓と同時企画された南総干拓と云う有明海干拓事業に始まります。
他の干拓事業は完成したが、南総干拓だけは地元との強固な反対に遭い店ざらしに
何年もされたが、1989年防災を合わせ持たせて縮小されてやっと着工となりました。
その頃有明海沿岸では埋め立て工事が随所に見受けれました。
沿岸の各自治体が行う港湾工事、埋め立て地造成、その最たるものが新熊本港造成工事だと思います。有明佐賀空港もしかりだと思います。
また有明海に注ぐ各河川の工事そのもっと最たるものが、筑後川の水門工事だと思います。
有明海にとっては、注ぐ河川や干潟は謂わば命の源でもあった。
それが次々と潰され、止めを刺したのが諫早湾干拓工事だったと思います。
それに工事施工者が國の公共事業である事、環境問題が最重要課題として挙げられる時代となった事、この頃は少し見直しされてきたが、農業蔑視の時代である事、諸々の観点から世間は諫早湾干拓に逆風となりました。
有明海の悲鳴を全て諫早湾干拓に背負わせてしまう事には私は反対です。
確かに漁業のたいらぎや貝類の全滅や赤潮の異常発生、海苔の凶作等々の原因の
一端は諫早干拓の堤防締め切りによる可能性は否定しませんが、有明海は漁業者だけの湾では無いはずです。
皆がこの宝の海であった昔に帰し、お互いがこの有明海を利用し合うにはどうしたら良いか知恵を出し合う良い機会だと思います。