TPP交渉年内妥結大筋合意となる筈だが・・・・

主役の米国オバマ大統領欠席のまま明日懸案のＴＰＰ交渉首脳会議が開催されます。

その前に開かれたＴＰＰ閣僚会合では後から参加の日本がリーダーとなる意気込みで
会合を引っ張って来た積もりらしい。

あくまで自由化完全実施を主張する、オーストラリア・ニージランド等４ケ国に対し
日本・米国等は現時点では例外規定を認めて緩やかな自由化を目指します。

ＴＰＰ閣僚会合でもこの問題は解決出来ず、２１分野のうち合意出来た分野もあって
大筋で合意への道は開けたとして終了した。

しかし半数以上は未解決です。

特に関税関連は全く平行線で合意とは程遠い。

関税関連以外でも「知的財産」「競争政策」「環境」分野も全く同じ状況です。

特に投資家と国家紛争解決条項についてはオーストラリが強い反対を表明して
難航して居るとか。
なにせ企業が投資先の政府を訴える事が出来るか出来ないかの条項ですから各国
思惑があって大変難しくして居る様だ。

日本はコメ・麦・牛肉。豚肉等５品目は聖域とし、もし例外規定が認められない
と脱会もヤムを得ないと云う強い反対が国内にあります。

恐らく何処の國も同じで、自国企業に有利な基準で臨む米国に対し発展途上国の
アジア新興国、中に立つ日本それぞれの思惑で混迷して居る。

自由化１００％を主張する豪州等４ケ国、現在８０％自由化でどうしても譲れない
農産品５品目に対し米国等が反発しています。

ＴＰＰ交渉では２国間交渉でなんとか目途を立てたいとして居るが、此も大変
困難です。

明日から開かれるＴＰＰ交渉首脳会議では、年内妥結の道がみえたと云うことで
一応格好は付ける積もりらしい。

処が大半は全く目途が立たず、年内妥結は厳しい状況と云えます。

自由化９０％で手をうとうと云う動きもあって、完全実施の後退が予測出来そうだ。

オバマ大統領の欠席も痛いが、米国は間違えると債務不履行デフォルトと云う
飛んでもない事態になる可能性さえあるので、余計情況は厳しいのではないか？

外資系誘致のための解雇特区とは・・・・

特定地域で規制緩和し超法律的立場から対処出来る特区制度は為政者にとっては
魅力的ものです。

此まで日本国中あらゆる自治体等から申請が出されその幾つかは許可され動いて
居ますね。

特に東日本第震災復興に際し「復興特区制度法」が成立し被災地から出された
特区の幾つかは認定され活動して居る様です。

例えば岩手県の「保険医療福祉特区」宮城県の「民間投資促進特区」等は認可され
ていますね。

これと同じ考え方でアベノミクス実現のための「国家戦略特区」構想が生まれた。

「カジノ構想特区」「解雇特区」等です。

日本にもカジノの様に世界の観光客を呼び博打をさせる特区を作る構想。

世界一ビジネスのしやすい國として外資系企業を誘致するため外資系企業に都合
の良い特区を作る。
労働時間制約や労働者の解雇が簡単に出来る事とする。
此は解雇ルールの緩和や雇用安定化策の権利放棄に等しく全く無茶苦茶な特区だ。

労働者にとっては大変不利で、外資企業にとっては有り難い規制緩和となります。
其れも此も国家戦略とは恐れ入ります。

カジノ構想も全く考え方は同じで、日本の良識を売って経済政策優先の政策は余り
頂けませんね。