many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

2009-01-13 21:22:00 | 好きな本
村上春樹 1985年 新潮社
唐突ですが、村上春樹は、好きです。
しばらく、好きな作家として一番に名前をあげつづけてたんだけど、「ノルウェイの森」があまりに売れちゃったんで、なんかファンというとチャラいかなって気になっちゃって、その後いちばんは小林恭二になってます(もちろん彼の書くものはすばらしいんだけどね)。日本で、小説として、うまいなーって思うのは、村上春樹と丸谷才一、島田雅彦かなー。
で、この小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、この世でいちばん面白い小説だと思って長いことになる。はじめて読んだのは、高校3年の3月だけどね。(私の持っているのは1986年2月10日の14刷)
形式としては、ふたつの物語が、並行して進んでいく。ひとつは計算士と呼ばれる職業の「私」がトラブルに巻き込まれていくストーリーがハードボイルドタッチで。もうひとつは、どこだかわからない閉ざされた街のなかで「僕」が喪失感をかかえて生きていく様。一章おきに、交互に進んでいく話が、やがてぴったりと重なっていき、ラストを迎えるんだけど、ほんと初めて読んだときは、残りページ数が少なくなるにつれて、あー読み終えたくねー!って思った。そんくらい面白かった。
ちなみに、それまでシャーロックホームズとかの推理小説は読んでたけど、いわゆるハードボイルドは読んだことなかったんで、そういうタッチはすごく目新しくて、楽しかった。このあと、レイモンド・チャンドラーとか、著者の影響もあってロバート・B・パーカーを読んでいくことになるんだけどね。

コメント
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