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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

BRUTUS 大友克洋、再起動。

2012-04-22 21:04:36 | 読んだ本
ブルータス2012年4月15日号 4月2日発売 マガジンハウス
うん、あんまり雑誌って、買って読まないんだ。
定期的に購読したりとか、ついつい駅の売店で買ったりとか、しない。
そんな私が、たまたま書店で、これが平積みされてたのに目が止まったのは、ほんと偶然。
表紙見た瞬間に、買うっきゃないでしょ、これ、って思った。
(表紙はAKIRAの最終巻の一幕だね。)
再起動って何よ!?と思ったんだが、どーやら週刊少年サンデーで明治時代を舞台にした新連載をやるらしい。マジ!?
で、4月9日から秋葉原で、『大友克洋GENGA展』なる原画展もしてるらしい。
うーん、著名人による解説とかもあるけど、やっぱ御本人へのインタビューとかが面白い。
井上雄彦との対談なんてありますが、そのなかの一節ひいてみましょか、
>絵は描き続けると、自分で少しずつ修正していくから、どんどん変わるんです。だから若い時期に集中して一所懸命描くと、すごくうまくなる、でもいまのマンガって記号的に描くでしょ。記号が決まってて、それを並べてるだけ。あれは絵じゃないんでね、それやってると、なかなかブレイクスルーしない。もうちょっときちんと、実際のものを見て描く方がいいと思いますよ。
はい、そこいらの記号を並べてるマンガ、反省しなさーい!
ホントね、大友さんの絵は、すごいよ。知らないひとは、AKIRA読みなさーい。
単なる技術的なものぢゃなくて、インタビューでいわく、
>見る方はそこまでビル描かなくていいんじゃないの、そこまで老人の皺を描かなくていいんじゃないの、と感じると思うんですが、人を振り向かせるためには、このくらいのものがないとダメだと思って描いてます。呪術のような、力を込めたい。雲の線一本、建物の線一本引くにも、「雲になれ」「ビルになれ」と念じながら引いてるわけです。そういう「呪い」があれだけ溜まってれば、お客さんも気持ち悪くなるんじゃないかって(笑)。(後略)
うーん、そうして描かれたAKIRAのなかの爆発シーン、徹夜で描かれたらしいんだけど、延々とカケアミ(ペンで線を重ねてく方法)を使ったらしい、そこについては、
>コマには描かれていないけど、あの街には何百万人もの人が住んでいて、この爆発によってその人たちが亡くなるんだ。そういう時に掛け網くらいちゃんとやっておかないと、その世界に入っていけないよ
と語ったらしい。すばらしいッス、大友克洋!
あの圧倒的な存在感というかリアリティっていうか、見てるものを感動させるのは、そこから生じてんだよね。
うーん、そんなことを知ることができただけど、非常にうれしい。

ちなみに、いろんな人のインタビューのなかで、「大友作品で一番印象に残っている作品とシーンは?」って問いに、私のもうひとりのフェイバリットである江口寿史は
>『NOTHING WILL BE AS IT WAS』。最初のひとコマ目から衝撃。あのコマで日本のマンガが変わったんです。
と言ってます。
コメント
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