森博嗣 2010年 集英社新書
建築構造材料が専門で、こどものころから工作好きだった著者による、なんかモノを作ることの意味を説いた新書。
テーマは、第1章の後半に太字で書いてある。
「どんな物体であっても、計算どおりにものが出来上がることは奇跡だといって良い。」
実際にいろんなものを自分の手で作ってきた経験から言ってることで、設計図さえ出来ちゃえば、そのとおりモノはできるというのは工学に対する誤解だと指摘している。
工作経験のあるひとほど、工作には悲観的で、計画ではできそうだけど、実際にやってみるとうまくいかないこともあることを知っているという。
トラブルが発生したときに、原因をつきとめて、どこをどう直すか応用力をはたらかして対処するかが大事であって、マニュアルを頼りにして、不具合があったら仕組みを確かめずに製品や部品を交換しちゃったり、最初に失敗する可能性に思いをめぐらせないどいてトラブルが起きてから「想定外」ってあわてたりするのは、ダメ。
工作に関する技術的なことだけぢゃなくて、ほかのことへの取り組みようにも、ものを作ってきた視点からの意見がある。
廃物や日用品を利用した工作に慣れてると、柔軟な発想というのは突然思いつくものではなく、いつも可能性を探す目で見ている、その集積の中から芽生える、とか。
並んでる既製品から選ぶことをするばっかりの日常に対して、何を作るか、どうやって作るのかから自分で考えることで、新しさや楽しさが手に入れられるとか。
できれば子供たちに工作をさせたいという願いもあるんだけど、そこで面白いのは、作ることを与えたり教えたりするんぢゃなくて、もっとも効果的なのは、大人が楽しんでるところを見せることであり、子供がやりたがったら「お前にはまだ早い」ぐらいのことを言ったほうが、子供は好奇心をもって、さらにやりたがるってことである。
賛成、いまの世の中、子供に媚びすぎだと思う。
建築構造材料が専門で、こどものころから工作好きだった著者による、なんかモノを作ることの意味を説いた新書。
テーマは、第1章の後半に太字で書いてある。
「どんな物体であっても、計算どおりにものが出来上がることは奇跡だといって良い。」
実際にいろんなものを自分の手で作ってきた経験から言ってることで、設計図さえ出来ちゃえば、そのとおりモノはできるというのは工学に対する誤解だと指摘している。
工作経験のあるひとほど、工作には悲観的で、計画ではできそうだけど、実際にやってみるとうまくいかないこともあることを知っているという。
トラブルが発生したときに、原因をつきとめて、どこをどう直すか応用力をはたらかして対処するかが大事であって、マニュアルを頼りにして、不具合があったら仕組みを確かめずに製品や部品を交換しちゃったり、最初に失敗する可能性に思いをめぐらせないどいてトラブルが起きてから「想定外」ってあわてたりするのは、ダメ。
工作に関する技術的なことだけぢゃなくて、ほかのことへの取り組みようにも、ものを作ってきた視点からの意見がある。
廃物や日用品を利用した工作に慣れてると、柔軟な発想というのは突然思いつくものではなく、いつも可能性を探す目で見ている、その集積の中から芽生える、とか。
並んでる既製品から選ぶことをするばっかりの日常に対して、何を作るか、どうやって作るのかから自分で考えることで、新しさや楽しさが手に入れられるとか。
できれば子供たちに工作をさせたいという願いもあるんだけど、そこで面白いのは、作ることを与えたり教えたりするんぢゃなくて、もっとも効果的なのは、大人が楽しんでるところを見せることであり、子供がやりたがったら「お前にはまだ早い」ぐらいのことを言ったほうが、子供は好奇心をもって、さらにやりたがるってことである。
賛成、いまの世の中、子供に媚びすぎだと思う。
