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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

自由死刑

2013-11-07 22:27:25 | 読んだ本
島田雅彦 2003年 集英社文庫版
こないだ読み返した著者の小説がおもしろかったんで、また本棚探して引っ張り出して、これまたひさしぶりに読み返した小説。
なんだか理由はわからないけど、自分自身に死刑を宣告して、一週間後に自殺することを決めた男の話。
残された一週間で何をしようか、一応考えるんだけど、持ってるカネは百万あまり、酒池肉林をすることと、なにか一つ世のためひとのためになることをする、その程度の覚悟で街へフラフラと出ていく。
で、偶然とそこからつらなる導きで、次々と人に出会う。
映像制作が本業らしいタダモノではない説教好きでおせっかいな男、元ポルノ女優、自殺未遂四回の女、虚無に憑かれたタクシー運転手、野垂れ死ツアーの老夫婦、保険屋と臓器売買の姉弟、自分をふって今は高級住宅街の主婦におさまってるらしい以前の失恋相手、十年来隠れファンをやってるアイドル、謎の殺し屋。
あまりの色とりどり目くるめくばかりの展開に、死ぬの思いとどまるかと思いきや、男の意志は固くて揺るぐことない。
コメント
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