many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ストレンジャー・ザン ニューヨーク

2010-08-12 19:36:24 | 四方田犬彦
四方田犬彦 1989年 朝日新聞社
私が四方田犬彦を最初に読んだのは、たぶん1988年の「感情教育」からだと思う。
なんでだっけ? たぶん大学の生協の書店に積んであったんぢゃないかと思う。
で、これが2冊目かな? 手元にあるいくつかの本を年代順に並べてみると、そういうことになるみたい。
「感情教育」のなかでも、ニューヨークでの生活について書かれた章があるけど、この本は同じころ、1988年ころに雑誌連載されてたらしい、著者がニューヨークに住んでたときのエッセイである。
タイトルは、もちろんジム・ジャームッシュの映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」からとられている。
あの映画も話題でねー、レンタルビデオになってから借りてきて観たんだけど、わかりやすいエンターテイメント系の映画にしか興味のない私には、なんのこっちゃか分かんなかった
ただ、当時は背伸びして映画観てたこともあるからなー、ゴダール(「右側に気をつけろ」)とか劇場で観た記憶がある。

で、この本を手にとったころは、ニューヨーク=危ない、みたいなイメージが今より全然強かったころぢゃないかと思うんだけど、別に見聞きした事件簿なんかぢゃなくて、何だか楽しそうなニューヨークの生活が書かれているのが読んだとき興味深かった。べつに私は行きたいとまでは思わないけどね、ニューヨーク。
中国系とか韓国系とかアジア出身でニューヨークに住んでる人、しかもアーティストとかとの付き合いが書かれてるとこは面白いです。
以前読んだときより、いま読んだほうが面白いかも、と思いつつ、読み返してる。
何が面白いのか、自分でもよく分かんないんだけどね。旅行記とか、どっかを訪れた話とかって、もともとそんなに好きなわけでもないのに。いま読むと、なんかスラスラ次から次へと読まされちゃう。
本筋とは関係ないんだけど、文章の書き出しがいいよね、って何回か思った。

>その男を最初に見かけたのは、すったもんだのあげくにようやくアパートを見つけ、身辺も少し落ち着いたので、そろそろ映画やダンスの見物にでかけようかと思っていた矢先だった。

>わたしの名前はどう書いてくれたっていいわ。ヨシコ・チューマでも、チューマヨシコでも。

>その男は白い麻のジャケットにサングラス、というよりは黒眼鏡の出で立ちで、壇上に登るといきなり、わたしは日本人ですと日本語でいった。

>その日は両親の長年の夢が、ボストンの中華街の片隅を借りてようやく実現されるという大事な日で、店が開く前から大人たちはそわそわしていた。

>ぼくが子供だったころ、まだチャイナタウンはひどく小さかった。

>林均が失踪してもう大分になる。だれにも何の連絡もない。アパートの電話も通じない。

>秋。わたしの手元にある写真には、頭を剃ったばかりの彼が、落書きだらけのアパートの扉を内から開け、まさに外へ出ようとする瞬間がとらえられている。

>いったいこないだのクリスマス・イヴの晩のことは何だったのだろうか。パーティ?宴会?いや、そんな普通の言葉ではとうてい表現できない。

>少年が十二歳の時、父親がいった。わたしたちはここを出ていかなければならなくなった。どこか別の国に住まなければいけないんだ、と。


いくつかの、気になる出だしを挙げてみたけど、まったく知らない人物の話が始まるのに、グイっと物語に惹き込まれちゃう。開かれた文章ってのは、こういうのをいうんだろうな。
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レッドツェッペリン

2010-08-11 20:06:47 | CD・DVD・ビデオ
きのうのつづき。
っていうのは、「白鯨」といえばモビーディックなんだけど、「白鯨」読むより先に、モビーディックといえば「LED ZEPPELIN II」に入ってる「MOBY DICK」って曲になるんで、私にとっては。
ひところよく聴きました、レッドツェッペリン。知ったときには、とっくに解散してましたけど。
私のギターヒーローは、リッチー・ブラックモアだったんだけど、ジミー・ペイジもいいです。当時の仲間内では“ヘタウマ”の代名詞みたいに扱ってたけど
ツェッペリンぢゃなくて、ヤードバーズだけど、「欲望 Blow up」って映画のサントラに「Stroll On」って曲があるんだけど、これ、ジェフ・ベックのソロから、ジミー・ペイジのソロに移るとこで、とたんにもつれるような音になるんで、そこがたまんないですね ただ、冗談は抜きにして、この「Stroll On」はロック史上で私が最も好きな曲のひとつに入ります、ウルトラ級にカッコいい

探したんだけど、古いカセットテープがいくつかあって、CDはファーストアルバムの1枚しか手元になかった。
オープニングの「GOOD TIMES BAD TIMES」、かっこいいですね。けっこう長い曲が多いなかで、この2分46秒で駆け抜けるような曲はインパクトあって好きです。ハードロックの夜明けって感じしない?大げさか
うーん、でも、ツェッペリンで一番好きなのは、「IV」に入ってる「ROCK AND ROLL」になるかな、やっぱ。いい曲です。

こないだ「レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ」ってフィルムを観たんだけど、ジミー・ペイジすごくカッコいいです。ギター持って、ステージでふらふらしてるだけで、何ともいえずカッコいい。
ツェッペリンのリフは、けっこう難しかったりするんだけど、どれも印象的なんでマネしたくなりますね。

レッドツェッペリンI、オリジナルは1969年、私の持ってるのは1994年アトランティックレコードのCD、輸入版かな、メイド・イン・ジャーマニーだ。
1.GOOD TIMES BAD TIMES
2.BABE I'M GONNA LEAVE YOU
3.YOU SHOOK ME
4.DAZED AND CONFUSED
5.YOUR TIME IS GONNA COME
6.BLACK MOUNTAIN SIDE
7.COMMUNICATION BREAKDOWN
8.I CAN'T QUIT YOU BABY
9.HOW MANY MORE TIMES
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白鯨

2010-08-10 13:52:40 | 読んだ本
メルヴィル・田中西二郎訳 昭和27年発行・昭和52年改版 新潮文庫版(上下巻)
先週、「ファウスト」を久しぶりにページめくってみたときに、ふと思ったんだけど。
読んでみなきゃいけないんだろうが、読んでも面白くないって本は、あるもんで。
ファウストはドイツだけど、何かで見たのに、アメリカ人にとって「読んだことある」って言えることが大事な本のひとつが、この「白鯨」だっていうんだけど。
それほど興味はなかったんだけど、私も「一度は」って思って、読んでみたことある。
持ってるのは平成4年の、上巻が53刷、下巻が44刷。←ほらほら、上巻だけ買ってギブアップして下巻買わないひとがいっぱいいる感じ。
まあ、たしかに、そんなに面白いとは思わなかったですね。「面白いから読むべきだ」って本ぢゃないらしいですね、もともと。それ先に教えてほしかったですが。(それでも読むことは大事。)
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立秋も過ぎて、乗馬の練習

2010-08-09 18:31:18 | 馬が好き
猛暑とかいわれてっけど、暦のうえでは立秋を過ぎた。
立秋過ぎたら、暑中ぢゃなくて、残暑お見舞い申し上げますっていうもんだって、ガキのころ教わったなー。
当時も今も暦の秋ってのは何の慰めにもならないってことに変わりはないけど。

朝6時から乗馬
また暑っついんだろうなーと思って、外へ出ると、曇ってて、涼しい(←この夏としては涼しい部類という意味にすぎない)。
それどころか、なんか風と雲の具合をみると、雨降りそう。きのうの午後も突然強い雨が一時ザッと降ったんで、乗ってるときにそんなの出っ食わしたらヤだなぁと思う。

カネショウエイコウに騎乗。

って、乗る前から目の周りとか黒くないか、カネショウエイコウ? 疲れてない?
馬装して、保護ベスト着て、ムチもって跨って、ポクポクと厩舎の周りを常歩して。
一周したところで、あ?なんか軽い?って気がついた。
キャップかぶったまま乗って、ヘルメットにすんの忘れてた
暑くてボケとんな。危ないぞ、こりゃ
(前に、暑いときぢゃないけど、チャップス履かないで短靴のまま馬場へ出たことがある。ただ単にときどきボケてるだけかもしれない。)

中学生・高校生たちと列になる。
「部班入らないで、各個で乗っていいですよ」と言われたんだけど、部班のなかで前の馬との距離保って乗るのも勉強になる(と言いつつ、集団に紛れたほうがラクだから?)ので、隊列のなかほどに加わる。
暑いしなー、馬と格闘して汗かきたくねーなー、と思ってたんで、厩舎のまわり回ってたときと同様、馬場に入ってからもカネショウエイコウのご機嫌をうかがう。
常歩でポクポク歩ってるとき、脚を使って、動くか見る、うん、いい感じで反応するぞ、これなら今日は力使わずに乗れそうだ。

軽速歩での隅角、巻乗り、なんか馬がインコースに進路をとりたがるぞ 格闘しない程度に内側から脚で押したりしてみる。
なんか速歩で座れてないなーと、ずっと思いつつ回る。どっちかっていうと、左足のアブミが踏めない、前からそうなんだけど。
アブミ踏もうとか、カカト下げようとか、力入れるとかえってヒザが上がるので、ときどきダラっと脱力してみたりする。
ヒザから下っていうか、下半身の力を抜いて、踏ん張って乗るんぢゃなくて、バランスで乗ればいいんだけど、バカだから全身の力を抜いちゃう ああ?速歩のリズムに身体が遅れてしまった
大人数で、大きな輪乗り。真ん中へんにいるんで、遅れたりブットんだりして迷惑かけたくないなーと、ちょっと緊張、ってほどぢゃないけど真面目になる。
輪乗りで速歩、常歩、また速歩、常歩、しばし繰り返し。
歩法を移行するときに、一歩目からちゃんとできるように
出すときも、抑えるときも腰張って、上体や手が必要以上にバタバタしないように
できることなら、馬を縮めてから何かするように
何回かのペースアップ、ダウンのうちに、正しく馬に要求して正しく馬が反応するか確かめる。ここでできないと、駈歩しても、ただの惰性になる。

んぢゃ、駈歩。出るのは問題なく出るんで、例によって「重心の一致、重心の一致、重心?どこだ?」と唱えながら乗ることになる。
「前傾姿勢!」って号令、アブミに立って前傾してみる。
だいたい、立つときがスマートぢゃないよな よっこらしょ!って立ってる感じがする
そうぢゃなくて、座ってるときと重心の位置を変えずに、スッと立つというかお尻の位置だけ変えたいもんだよね。
たぶん馬も、背中の上で荷物が前にいったり後ろにいったり、走りにくいだろうなーと思って、ふたたび立った位置で「馬との重心の一致」を探る。
ただ馬の上に立って背中を丸めてるだけぢゃ前傾姿勢ぢゃないんで、腰を張って、股関節から上体を倒すようにする。でも股関節ってどこだ? 地上の柔軟体操で横に開くときはわかるんだけど、馬の上で前後に曲げるとなると、わかりにくいんだよねー。
前に並ぶ少年たちがビタッとした姿勢で乗ってくのを、うまいもんだなーと見ながら、馬の邪魔になんない場所に立つように努力する。おへそとカカトを意識、バタバタしないように。このへんだろうなってとこに立っていると、そんなに揺れないし、馬もラクそうに(ラクなの?ダメなら言ってよ!カネショウエイコウ?)走ってる。
蹄跡を大きく周回。右手前のときは、途中で勝手に(?)走りやすい左手前に一度変えたカネショウエイコウ(もちろん、直す)、左手前になったらスイスイ。
やっぱ部班に入って正解 ツーポイントでなんもしないでも、一所懸命走る。こういうとこマジメなんだよね、カネショウエイコウ

ということで、いつもより若干短めの時間でサクッと終了。

馬も疲れてるからね。人も危ないか? きのうは熱中症っぽくて自宅搬送された子どももいたし(今日元気に来てたから大事なし。)
と思ったら、一部高校生とかは、2頭目の馬の運動つけてた 私も冬の札幌で2頭乗ったことはあるけど、暑いときは無いなー。
涼しいとはいえ、馬はやっぱり汗びっしょり。洗って拭いてやって、リンゴやって …いちどスイカをやりたいんだけど、つい買ってぶら下げてくんの面倒に思えるんでヤメちゃう
終わったら、ふだんあんまりしないんだけど(誰かが先にやってくれてたりするけど、今日はまだ手つかずだったから)、馬房掃除して、新しい寝ワラ足して、さっさと馬を馬房に入れてやる。馬だって早く休みたいもんね
帰るころには、しっかりと雨が降ってました。たいしたことない雨で、涼しくなってよかった。
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若きウェルテルの悩み

2010-08-08 20:37:52 | 読んだ本
ゲーテ・高橋義孝訳 昭和26年発行・昭和47年改版 新潮文庫版
こないだの「ファウスト」ひとつぢゃ何なんで、もひとつゲーテで読んでみたことあるやつ。
とかくこのブログ、話がマンガに行くと帰ってこなくなっちゃうところを、もう一度ゲーテに戻ってみた。
持ってるのは昭和56年の70刷。読んだの中学生のときか? ませてるねー。ホントに意味わかって読んでたのかね。
まあ、人生に苦悩して、さいご自殺を選んぢゃうなんて、そーゆーものを読みたがるのは誰しも一度はかかるハシカのようなものですよ。
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