萱野葵 平成15年 角川文庫版
前回の角田光代さんのと同じころに読んだんぢゃないだろうか、って程度のつながり。
まあ同じ文庫だし、著者名おなじカ行だし、書店で並んでたから、いっしょに買ったんではないかと。
「ダイナマイト・ビンボー」は、大学を五年かけて卒業したけど、就職試験24社落ちて、企業の書類を管理する小さな倉庫会社で働いてる、反町鏡さんが主人公、女性なんだけど「オレ」って一人称でしゃべる。
三つ年下の汚夢(おむ)って弟と同居してるが、この弟は基本的にひきこもりで、アルコール依存症の前歴もある。
働くのがヤになった鏡は、身体はめちゃめちゃ健康なんだけど、医者にウソ言ったりして、強迫神経症ってことにしてもらって、やがて生活保護を勝ち取る。
どうでもいいけど、もう働く気なんかなくてダラダラしてたとこへ、福祉事務所の相談員に諭され、警察官採用試験の勉強をやる破目になるんだけど、そこで
>勉強というのは本当にお金のかからない娯楽だ
ってフレーズが出てくるのがおもしろい。(談志家元は「学問とは、貧乏人の暇つぶし」と言った。)
もうひとつの収録作「Merci la vie(メルシー・ラ・ヴィ)」は、二十代のOLの茱萸(ぐみ)さんが主人公。
ストーリーはともかく、この女性がやたらいろんなもの作ったり買ったりしてきて、貪り食うさまがこれでもかってくらい描かれてるのが印象的。
>(略)カラになったビールの缶を、中を丁寧に水でゆすいで、部屋の角に置いた、半透明の四十五リットルポリ袋に投げ込んだ。(略)
みたいなのが、妙にリアルで感心した記憶がある、はじめて読んだとき。
ただ食べたり飲んだりしてるだけかと思いきや、夜中にドアの郵便受けの窓から部屋の中を覗く二つの黒目がちな眼を見つけたあたりから、急にスリリングになってくる。
前回の角田光代さんのと同じころに読んだんぢゃないだろうか、って程度のつながり。
まあ同じ文庫だし、著者名おなじカ行だし、書店で並んでたから、いっしょに買ったんではないかと。
「ダイナマイト・ビンボー」は、大学を五年かけて卒業したけど、就職試験24社落ちて、企業の書類を管理する小さな倉庫会社で働いてる、反町鏡さんが主人公、女性なんだけど「オレ」って一人称でしゃべる。
三つ年下の汚夢(おむ)って弟と同居してるが、この弟は基本的にひきこもりで、アルコール依存症の前歴もある。
働くのがヤになった鏡は、身体はめちゃめちゃ健康なんだけど、医者にウソ言ったりして、強迫神経症ってことにしてもらって、やがて生活保護を勝ち取る。
どうでもいいけど、もう働く気なんかなくてダラダラしてたとこへ、福祉事務所の相談員に諭され、警察官採用試験の勉強をやる破目になるんだけど、そこで
>勉強というのは本当にお金のかからない娯楽だ
ってフレーズが出てくるのがおもしろい。(談志家元は「学問とは、貧乏人の暇つぶし」と言った。)
もうひとつの収録作「Merci la vie(メルシー・ラ・ヴィ)」は、二十代のOLの茱萸(ぐみ)さんが主人公。
ストーリーはともかく、この女性がやたらいろんなもの作ったり買ったりしてきて、貪り食うさまがこれでもかってくらい描かれてるのが印象的。
>(略)カラになったビールの缶を、中を丁寧に水でゆすいで、部屋の角に置いた、半透明の四十五リットルポリ袋に投げ込んだ。(略)
みたいなのが、妙にリアルで感心した記憶がある、はじめて読んだとき。
ただ食べたり飲んだりしてるだけかと思いきや、夜中にドアの郵便受けの窓から部屋の中を覗く二つの黒目がちな眼を見つけたあたりから、急にスリリングになってくる。