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本書がベストセラーになっていることは、知っていたが、あまりにも一般向け過ぎると思ってGETしていなかったが、やはり基本は押さえ直そうと思って、遅ればせながらGET。
流石に、仏教、神道関連の部分は、結構知っていることが多いが、逆に、キリスト教、イスラム教関連は、まだまだ知らないことが多いことに驚く。
特に、西欧で起こっているいろんな事象が、キリスト教を知らないと、本質を捉えきれないということを、再認識した。アメリカに、7年近くも住んでいたのにだ。
例えば、世間を騒がせているシーシェパードだが、”海の番犬”ぐらいに思っていたが、シェパードというのは、元々牧羊犬で、牧羊と言えば、キリストになるのだそうだ。牧師様の牧師も、ここから来ている。キリスト教徒として、捕鯨に反対していることになる。
ローマ法王と、国の政権のトップとどちらが偉いかというのも大問題で、この辺も、日本の感覚とは全然違う。
民主主義が原理主義を生むという分析も面白かった。確かに!昨年、大きな変化を見せた中東、アラブも、今後どのような展開を見せるか。民主主義のジレンマと呼ばれている。
米選挙における同性愛、妊娠中絶の問題も、宗教絡み。ただし、政治家は、したたかで、選挙の際は、共和党は、右寄りに、民主党は、左寄りの姿勢を強調し、政権をとると中道寄りに変化していくのが、常道だそうで、それをしそこなうと、政権をとれなかったり、とっても、一期で終わってしまったりする。
イスラム教についても、ムハンマドがメッカで生まれたが迫害され、メディナに移った話とか、スンニ派とシーア派の対立は、ここ半世紀ぐらいの話だとか、いろんな発見があった。スンニ派とシーア派の教えに大きな違いはなく、シーア派にホメイニという思想家が出て、政治と宗教が一体化したため、スンニ派が警戒し、対立が表面化したのだという。
宗教のいろはを、宗教の教えからだけではなく、現実の世界との関係から説明してくれるということで、読んで損はない本だ。